犬のごはん前に待てをさせる必要はある?
犬のごはん前に待てをさせている家庭は多いと思いますが、その意味や必要性について考えたことがある人は意外と少ないのではないかと思います。犬に食べ物を与える前には待てをさせるというイメージを漠然と持っている人が多く、犬を飼っていない人でも同様の行動をすると言われています。
確かに犬のごはんの前に待てをさせることには様々な理由やメリットが考えられるため、とても効果的なトレーニングのひとつと言えるでしょう。
まず、犬に教える「待て」という指示は、犬が興奮状態にあるときなどにその行動や情動を抑制するために非常に重要なものです。多くの犬は食べ物が好きで最も強いモチベーションやごほうびとなると思います。
そのため、食べ物を見て興奮状態にある犬を「待て」の指示で抑制し、そのごほうびとしてごはんを与えるというのは、とても理にかなったトレーニング方法だと思います。1日2回はごはんを食べると思いますので、少なくとも毎日2回同様のトレーニングを繰り返し行うことになります。犬のトレーニングにおいて反復練習はとても大切なことですが、それが自然とできることからごはん前の「待て」は犬も習得しやすいのだと考えられます。
犬のごはん前に待てをさせる方法
犬のごはん前に「待て」の教える方法はわかっているという人も多いと思いますが、より確実に「待て」という指示語を覚えさせるためや失敗なく教えるために、ポイントや注意点を説明しておきたいと思います。
待てをさせるときの姿勢は、おすわりでもふせでも立ったままでも何でも構いませんが、できればどれかひとつに決めて飼い主さんが「おすわり」などと指示を出してあげるとわかりやすいと思います。
<ごはん前の待ての教え方>※おすわりの場合
①犬の前に食器を置く前に犬に「おすわり」「待て」の指示を一度出します。
②ごはんの入った食器を犬の前に置く際、犬が動いてしまったらすぐに食器を引き上げます。動きそうになったタイミングに「待て」と言い直してあげてもOKです。
③座って待っていられたら犬の前に食器を置き、「いいよ」など待てからの解除の言葉を言って食べることの許可を出しましょう。
④許可を出す前に食べ始めてしまったら、すぐに食器を取り上げて①からやり直します。許可を出す前に食べてしまった場合、「しょうがないなぁ」とそのままにしてしまうことは絶対NGです。
犬のごはん前以外にも待てを教えよう
犬のごはん前に「待て」を教えることはとても大切ですが、ごはん前に「待て」ができているからといって「待て」のトレーニングが完了しているというわけではないということを覚えておきましょう。ごはん前の「待て」は、「待て」のトレーニングの入り口部分に過ぎません。
犬のトレーニングのひとつである「待て」の目標は、“いつでも・どこでも・どんなときでも”待つことができるということです。自宅など慣れている場所では比較的簡単にできると思いますが、公園のように他の犬がいたり鳥が飛んでいたりして様々な刺激・誘惑がある場合や、初めて行く場所で緊張している場合などはできなくなってしまうことも多いでしょう。
そのため、「待て」の練習は自宅でごはん前に教えるだけではなく散歩前にドアを出るときに「待て」をさせたり、公園で遊ぶ前に「待て」をさせたりするなど、様々なパターンで「待て」を教えてあげるといいでしょう。改まって「待てを練習しよう!」と時間をつくるよりも、日常生活の中に取り込みながら実践的なトレーニングができるとより効果的だと思います。
まとめ
ごはん前に必ず「待て」を教えなくてはならないということではありませんが、最も簡単に「待て」のトレーニングができるタイミングがごはん前なのです。さらに犬にとって重要なものである食べ物に関する主導権は飼い主にあるということを教えることは、飼い主と犬の関係性づくりにおいても重要な役割を果たすと考えられています。
ふだんごはん前に「待て」をさせていない家庭でも、ごはんは毎日あげるものですから手間や面倒も少ないと思うので、ぜひ気軽に「待て」の練習を始めてみてくださいね。