愛犬を抱っこしすぎるのは良くないこと?

愛犬を抱っこしすぎるのは良くないこと?

愛犬とのスキンシップ方法の1つともいえる『抱っこ』は、やりすぎると良くないといわれることがあります。本当に抱っこしすぎるのは良くないのでしょうか?今回は抱っこの危険性についてお伝えします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

愛犬を抱っこしすぎるのは良くないの?

飼い主に抱っこされている犬

抱っこをすること自体は悪くない

あなたは『犬を抱っこしすぎるのは良くない』という話を聞いたことはありませんか?本当に犬を抱っこしすぎるのは良くないのでしょうか。
結論からいいますと、抱っこをすること自体は悪くありませんが、抱っこのしすぎは少なからず愛犬が『ワガママになる』『依存しやすくなる』といった危険性が潜んでいますので、そういう観点から考えると、抱っこのしすぎはあまり良くないといえるでしょう。

ワガママになる危険性

犬は様々な理由で、飼い主に抱っこをおねだりすることがあります。

  • 甘えたいとき
  • 寒さを感じたとき
  • 恐怖から逃げたいとき
  • ただ抱っこされるのが好き
  • 飼い主の温もりを感じたいとき
  • 散歩中に歩くのが嫌になったとき

といったように、犬が抱っこしてほしいと思う理由はたくさんあります。何かしらの恐怖を感じて飼い主に助けを求めているときは抱っこしてあげる必要があるといえますが、『甘えたい』『歩くのが面倒くさい』といった理由のときにいつも愛犬を抱っこしていると、愛犬はワガママな性格に育ちやすくなってしまいますので要注意です。

簡単にいうと、人間の子供が駄々をこねているのと同じとも考えられます。毎回子供が「歩けない~!抱っこして~!」と駄々をこねているときに「仕方ないなぁ~」と甘やかしてしまうと、子供はワガママな性格になっていきますよね。犬の場合も同じなのです。散歩中に目で「疲れたから抱っこして」と飼い主におねだりをしたときに、いつも抱っこしてもらえていると「自分の要求に応えてくれる」と感じワガママな性格になりやすくなってしまう可能性もあります。

もちろん、体調不良や病気、体力が低下しているときは散歩中に抱っこするなど必要性があるといえますが、あきらかに甘えた気持ちで「抱っこして」とおねだりするときは、ワガママになったり主従関係が崩れたりする可能性があるので、なるべく甘やかさないようにする必要があるといえるでしょう。

依存しやすくなる危険性

抱っこは相手とピッタリくっつくことができる密接度の高いスキンシップの1つといえますよね。犬もそのことを理解しているのか、甘えるときは飼い主のぬくもりを感じられる抱っこをせがむ子が割と多いようです。その結果、いつも大好きな飼い主に抱っこされることで飼い主に依存しやすくなってしまうことがよくあります。

では、なぜ飼い主に依存しすぎるのはいけないのでしょうか?愛犬が飼い主に強く依存してしまうと、飼い主と少し離れただけで不安になったりストレスを溜め込んだりするようになってしまうからです。
また、依存心が強いと『分離不安症』という精神的な病気を発症することもあります。分離不安症になると飼い主と数時間離れ離れになったとき……例えば、お留守番をさせた際にイタズラをしたり、自分の体を舐める・噛むなどの自傷行為をしたりといった問題行動を起こすようになってしまうそうです。
他にも分離不安症や依存心が強くなっていると、飼い主と少し離れただけで以下の症状が現れやすくなります。

  • 下痢や嘔吐をする
  • 食欲がなくなる
  • パニックを起こす
  • ずっと吠える
  • 破壊行動をする

など

このように、日常生活で抱っこをしすぎていると依存心が強くなって様々な症状を引き起こす危険性があるので、抱っこのしすぎは良くないと思います。ただ、毎日愛犬を抱っこしていてもふだんから『愛犬と離れる時間をつくる』『適度な関係を心がけている』といったことを行っていると、ある程度依存しにくくすることもできるといえるでしょう。

抱っこをした方がいいときはどんなとき?

女性に抱っこしてもらっている白い犬

愛犬にトラブルが起きそうなとき

では、逆に抱っこすべきときはどういったときなのでしょう。例えば、散歩中に放し飼いをしている犬が近づいてきたときや車が頻繁に通るせまい道などは、トラブルや事故が起きやすいのでできるだけ抱っこをした方が良いといえます。また、あまり良くないことですが愛犬が何かに対してずっと吠えて動こうとしない場合は、思い切って抱っこをし、別の場所に移動させることも時には必要だといえるでしょう。

愛犬が恐怖を抱いているとき

恐怖を感じる音(花火や雷の音など)を聞いて愛犬が怯えたり、他の犬に遭遇してビクビク怖がったりしているときは、愛犬を抱っこして安心させてあげると良いと思いますよ。恐いものから愛犬を守るのも飼い主の役目といえるでしょう。ただ、なるべく愛犬が恐怖を感じる必要のない環境をあらかじめ作ってあげることが大切といえます。

階段を昇り降りするとき

愛犬が小型犬の場合、階段の昇り降りで足腰や関節に負担をかけてしまうことがあります。また、足を滑らせて転落するなどの事故が起きる危険性もありますので、なるべく愛犬が階段を利用するときは飼い主が抱っこをして階段を昇り降りすることをおススメします。

周りに迷惑をかけそうなとき

人通りの多い場所や自転車がたくさん通る場所を愛犬と歩かないといけないときは、周りの人に迷惑をかけますし、愛犬も人や自転車にぶつかってケガをする可能性が高いので、できるかぎり抱っこをしてあげましょう。また、人の多い環境に慣れさせたいといった目的がない場合は、事故やトラブルの予防のためにできるだけ静かな場所で散歩するようにしましょう。

まとめ

飼い主に抱っこされてキスされている犬

抱っこをすること自体は悪くないといえますが、抱っこをしすぎて愛犬を甘やかすと『ワガママになる』、『依存心が強くなる』といったことになりやすいので良くない場合があります。

もし、「愛犬が可愛すぎて抱っこをするのが止められない」「愛犬におねだりをされるとたまらず抱っこをしてしまう」という場合は、抱っこ以外で適度な距離感を保つように心がけると問題を抱えにくいといえますよ。愛犬を見るとつい甘やかしてしまう気持ちは分かりますが、愛犬のためにもなるべく甘やかしすぎないようにしてあげてくださいね。

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