犬におやつを与えるときのNG行為
皆さんは犬におやつを与えるとき、どのようにあげていますか?おやつをあげる前には、まずお座りをさせ、芸を披露してもらったら与えるというご家庭もあれば、そのまま与えているというご家庭もあるでしょう。
愛犬も喜んでくれる犬の嗜好品『おやつ』ですが、与え方を間違ってしまうと、しつけ上悪影響を及ぼすことがあります。今回はそんな犬におやつを与える時のNG行為を理由と共にご紹介していきます。
1.おやつが入っている振りをした『偽おやつ当てゲーム』
皆さんはおやつを愛犬に与える時、『おやつ当てゲーム』をしたことはありますか?簡単にできる遊び要素を含めたおやつのあげ方です。
片方の手の中におやつを隠し、握った両手を愛犬に差し出します。その後、「よし」などと合図をし、愛犬に匂いを嗅がせてどちらの手の中におやつが入っているかを当てるゲームです。脳が活性化されるので、健康にも良い遊びとして推奨されています。
そんな『おやつ当てゲーム』ですが、ほんの出来心で実際はおやつが入っていないのに、あたかもおやつが入っているかのように握った両手を差し出し、愛犬に当てさせる…なんて騙すようなことはしていませんか。
「匂いがしないけれど…こっちかな?」なんて仕草を見せながら考えている愛犬は可愛いかもしれませんが、騙すような行動を取り過ぎると、愛犬はその人に対する信用ややる気を失ってしまいます。
信頼関係が少しずつ崩れていくと、飼い主の言うことを聞かなくなるなど、しつけの面、またパートナーとしてのコミュニケーションにも悪い影響が及びます。『偽おやつ当てゲーム』はたまになら愛犬に真剣に考えさせることになるので良いですが、あまりにも頻繁に繰り返すのはやめましょう。
2.おやつの『待て』が長すぎる
おやつを与える際に「待て」と指示をして、ある程度、待つことができたらご褒美としてあげるという飼い主さんも多いでしょう。飼い主との信頼関係を深めるためにも、このようなトレーニングを繰り返し行うことはとても大切です。
しかし、この時に行われる「待て」の時間には、犬ごとに違う適切な長さというものがあります。もちろん、長く待てば待てるほど、飼い主の指示をしっかり守っているということになりますから、しつけがしっかりできているということにもなります。
ですが、必要以上そしてその犬が出来る範囲以上に「待て」を長く要求されてしまうと、せっかく楽しいおやつタイムなのに、犬側がイライラしたり失敗が多くなって効果的なしつけが出来なくなったりしてしまいます。「待て」の練習はごく短い時間から始め、待たせる時間を延ばすのはほんの少しずつにしましょう。また、飼い主に対しても負の感情を抱くようになってしまうので、「待て」の練習が目的なのではなくおやつを与えることが目的の際の「待て」は適切な時間を厳守するようにしましょう。
また、「待て」だけでなく、「お座り」「お手」「伏せ」などを可愛いからと言って何回も行わせるのもNGです。こちらも前述したように、愛犬が「何回すればいいの」とイライラしてしまうかもしれません。また、おやつを与える際に何か指示を出す場合は、お決まりのパターンではなくいつも違う指示を与えましょう。おやつの前にやる動作が決まりきってしまうと、犬は覚えたパターンの行動をするだけで飼い主さんの指示を聞いて行動するのではなくなってしまいます。
3.欲しがるだけ与えてしまう
当たり前ではありますが、意外とやりがちなNG行為として、愛犬が欲しがるだけ、また欲しがった時にはいつも与えてしまうという行為が挙げられます。可愛い愛犬におねだりされると、ついついあげたくなってしまいますが、そこはグッと我慢です。
犬はおやつの美味しさを知ってしまうと、当たり前のように「もっと、もっと」と素直に欲求を表してきます。中には「こうするともらえるのでは」と工夫をして、アピールしてくる犬もいるほどです。
しかし、その要求に毎回応じ、欲しがるだけ与えてしまうと、徐々に飼い主と犬との関係性に変化が表れます。犬は「飼い主は要求すれば言うことを聞いてくれる者」と勘違いし、どんどん要求をエスカレートさせ錯覚してしまうのです。
そのため、飼い主さんからの指示を聞くよりも自分の要求を通すことが当たり前となってしまい、言うことを聞かなくなってしまったり、問題行動が増えたりとしつけの面でも悪い影響が大きくなってしまいます。
また、おやつを食べ過ぎると単純にカロリー過多となってしまい、健康にも良くありません。おやつは1回1個などとしっかり定め、与える際は袋ごと持って行くのではなく、その1個を手に持って愛犬の所へ行くようにしましょう。
おやつは犬との信頼関係にも影響する嗜好品
おやつは犬にとってご褒美となる嗜好品です。嬉しそうな愛犬の表情を見ると、飼い主としてこちらも嬉しくなりますし、「可愛い!」と感じますよね。
しかし、おやつの与え方を間違えると、信頼関係を崩すきっかけとなってしまったり、あるいは、飼い主のことを格下の存在であると間違った認識を持ってしまうことにも繋がります。
おやつは良いことをしたときのご褒美として最高の効果を発揮しますが、与え方によっては飼い主さんとの関係悪化や行動上の問題を招くきっかけともなり得ることを頭に入れておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。つい「可愛いから…」と今回ご紹介したような行為を働いてはいませんか?おやつは単に嗜好品としてあげるだけでなく、コミュニケーションの一環としての役割も果たしています。そのため、間違った与え方をしないよう気を付けましょう。