『犬と飼い主は似る』って本当なの?
犬を飼われている方であれば、普段のお散歩コースはもちろん、日頃からお世話になっている動物病院やペットサロンなどで、多くの「飼い主さんとその愛犬」と出会う機会があると思います。そして多くの方が感じるのが「飼い主さんとその愛犬が似ている」ということではないでしょうか。
穏やかそうな飼い主さんと一緒にいる犬はなんだかのんびりとした性格に見えたり、若くて元気いっぱいな飼い主さんと一緒にいる犬は陽気でわんぱくそうに見えることはありませんか?
どうやら「犬と飼い主が似る」というのは心理学者達により研究も行われているようで、研究によると、「共に暮す犬と飼い主さんは性格の特徴が似ていると」という結果が出ているそうです。やはり「犬と飼い主が似る」というのは本当だったんですね!愛犬が私たち飼い主の性格に似ている理由や顔や体つきまで似てくる理由をご紹介していきます。
どうして犬と飼い主は似るの?
飼い主が愛犬に与える影響は絶大
犬の性格は犬種ごとのもともと持っている気質や、親犬からの遺伝が影響する部分も大きいですが、私たち飼い主が愛犬に与えている影響は良くも悪くも絶大です。もともと野生動物であった犬も、現在では多くが家庭犬として飼い主さんの家族として存在していると思います。
家庭犬として生きる犬は自身の意思で生きる道を選ぶことができません。どんなご飯をどれだけ食べるか、どこで眠るか、お散歩に行く場所も距離も回数も全て飼い主さんが犬の生き方を選択しているのです。生活のほとんどを飼い主に依存している愛犬にとって、私たち飼い主がとる行動や、持つ感情、愛犬に見せる表情など、どれも大きな影響を与えているのです。その結果、愛犬は私たち飼い主に似てくるようです。
愛犬が飼い主に似る理由
飼い主の生活習慣による影響
上記にも書いたように、犬は飼い主さんの生き方に、大きく影響される生き物です。愛犬と共に時間を共有する、生活環境や生活習慣ももちろん影響を与えます。運動するのが嫌いな飼い主さんであれば、散歩の回数は少なく歩く距離も短くなって愛犬と共に運動不足になる傾向があります。
逆に生活リズムが整っていて健康管理を意識する飼い主さんであれば、愛犬にとって必要な運動量を調べ、適切なお散歩を習慣付けていると思います。また運動量を意識するだけでなく、健康を維持するために愛犬の食事にも気を配るのではないでしょうか。
一概には言えませんが、生活環境や生活習慣を共にする犬と飼い主さんは、体つきまで似てくるとか!?運動不足でややぽっちゃり気味の飼い主さんが飼われている犬は太り気味、運動を習慣付けていて健康的な体型の方は飼っている犬も太っていないという説があります。
飼い主さんの性格による影響
犬は飼い主さんのことが大好きな子がとても多いです。そして、想像以上に私たち飼い主のことをしっかりと見ていてくれます。さらに、犬は人の気持ちをとても敏感に感じ取る生き物です。常に私たち飼い主を目で追ううえに、どうやら気持ちまで察しているようです。
根本的に明るい性格で、いつも笑顔で愛犬と接することができる飼い主さんの愛犬は、やはり明るい性格の犬が多いとか。逆に心配性で神経質な性格の飼い主さんの愛犬は、飼い主さんの不安な気持ちを感じ取ってしまい愛犬自身も不安感を抱きやすくなってしまう傾向が強いです。あまりにも不安感が強すぎると、犬の精神病のひとつでもある分離不安症という病気を引き起こす原因にもなってしまいます。
子犬の頃に親犬や兄弟犬と離れ離れになり、新たな家族である飼い主と共に大半の時間を過ごす犬にとって、飼い主さんが抱く気持ちや感情を学習するように覚え、似ていくのは当たり前のことなのかもしれません。
顔まで似ているのはなぜ?
飼い主さんと愛犬の性格や雰囲気が似ていることは多いですが、稀に「顔までそっくり!」という方を見かけます。長く共に暮すことで似てくるケースもあるのかもしれませんが、もともと飼い主さんが自分と似ている犬を選んでいるのでは?とも考えられています。
心理学者が論文でまとめた「単純接触効果」というものがあり、こちらの考えによると「人は繰り返し接すると高感度や印象が高まる効果がある」とのこと。人間は日頃から見慣れているものに好印象を抱くため、新たな家族として選ぶ愛犬も、自分と似ている犬を選んでいるのではないかという説もあります。
まとめ
個人的には愛犬が飼い主さんに似るのは当たり前のことのように感じています。もちろん、犬種ごとの性格や気質の違いはありますが、1番大きな影響力を持つのは飼い主さんの存在だと思っています。似てくれるのが嬉しい部分があるいっぽう「こんなとこ似なくていいよ!」と思わず感じる部分もあるのではないでしょうか?もしかすると愛犬は「自分自身を映す鏡」なのかもしれません。