犬にとって過ごしやすいのは明るい場所?それとも暗い場所?

犬にとって過ごしやすいのは明るい場所?それとも暗い場所?

愛犬にはできる限り快適な環境で過ごして欲しいと思う今日この頃…愛犬のくつろぎスペースを設置するなら「明るい場所」と「暗い場所」のどちらが過ごしやすいのか、犬はどんな空間が安心するのかをまとめました。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

結論、犬は暗いところが好き

薄暗い中、椅子で丸くなる犬

結論から申し上げると、犬という動物は基本的に「暗くて狭い空間」を好む傾向にあります。

まぶしい…と思っているかも?

リビングでくつろいでいる時、犬が顔を手で隠すようにして寝ていたり、ブランケットの中に潜り込んで寝ていたりするのを目にしたことはないでしょうか?これは、その時のお部屋の照明がうたた寝をするワンちゃんにとって眩しく感じているからである可能性があります。

狭くて暗い空間が好き

特に、ブランケットに潜り込むと光が遮断されて暗くなりますし、自分の体がブランケットにフィットしている状態で、まさに「暗くて狭い空間」となっています。これはワンちゃんのくつろぐ場所として大変心地が良い空間です。

野生時代の「巣穴」に似た環境が好き

穴にいるハスキー

巣穴を寝床にしていた名残り

野生で暮らしていたころの犬は地面に穴を掘って巣穴を作り、その中で身を守りながら眠っていました。土ではないのにカーペットやふとんを前足で掘るような行動をするのは、ついつい巣穴を掘って安全で居心地の良い場所を作る習慣の名残りであると言われています。

巣穴=安心空間

母犬は出産のときも巣穴の中で子犬を産み、子犬がある程度大きくなるまで巣穴の中で育てていました。出産時はとても無防備になるため、自分と子犬の命を外敵から守るために巣穴の中で出産を行っていたのです。そして、子犬は産まれてからしばらくは安全な巣穴の中で過ごすので「暗くて狭い巣穴=安心空間」という認識が本能的に残っていると考えられています。野生で暮らしていれば生態系の中で捕食者であるはずの犬ですが、身を隠す場所のないひらけた明るい場所よりも、暗くて狭い空間が落ち着けるのは動物として自然なことですね。

明るすぎるとストレスになる

ビーグルの目と鼻のアップ

薄暗がりでも良く見える目

犬はもともと薄明薄暮性(日の入り前後と日の出前後の薄暗い時間帯に最も活発に行動する)の動物なので、犬の目は薄暗い環境下で動くものを認識する視力は人間よりも優れています。網膜の細胞の種類や構造の違いがこれを可能にしています。

また、犬の目の網膜の裏には人間にはない「タペタム層」と呼ばれる細胞層があります。これは、わずかしかない光を反射して明るさを倍増させて視神経に伝えるという役割を持っています。犬を写真で撮った時に目が光ってしまうのは、このタペタム層がカメラのフラッシュを反射しているためです。

このように、犬は薄暗い場所でも人間より良く見ることができる目を持っているのです。

安心できない環境

薄暗い条件でも活動しやすい目をしているからだけではなく、やはり犬にとっても自然に近い日照リズムが健康的です。明るい照明が長くつき過ぎていると、人間と同じように体のリズムが狂いストレスになってしまうこともあるかもしれません。また、「明るいところでは安心できない」という本能が働いてしまうことも、ゆっくり休みたい時に明る過ぎると愛犬がゆっくりくつろぐことができない理由となり得ます。

私たちは夜に部屋の電気をつけなければ不便になってしまいますが、ワンちゃんがくつろぐスペースの照明は明るすぎないように設定してあげましょう。

お留守番の時は電気をつけておく方が良いことも

明かりがついた家の窓

これまでのお話では「暗くても良く見えるんでしょ?」と思ってしまいますが、夜までのお留守番の時には真っ暗にしない方が良いかもしれません。

というのも、犬は「いつもと一緒」に安心感を得る動物なので、家族が家にいる時には夜も電気がついて明るいのに、電気がつかずに夜になると「いつもと違う」と不安を感じることがあるためです。暗さが問題というよりは、いつもと違うことがストレスになってしまう、ということです。

いつもは明るいうちに帰るけれど、たまに愛犬に夕方や夜までお留守番をしてもらう時には、いつもと同じくらいの電気をつけっぱなしにしてあげる方がワンちゃんは不安を感じにくくなるでしょう。

犬は「接触刺激」で安心する

犬のベッドで寝ている子犬

犬は群れを成して生活をする動物なので、くつろぐ時や眠る時には仲間同士で身を寄せ合う習性があります。だだっぴろい空間にポツンといるよりも、何かが自分の体に触れている方が安心するのです。

犬用ベッドやクッション、ブランケットなどの接触刺激があるような空間づくりをすると、よりワンちゃんが安心してくつろげるスペースとなるでしょう。

まとめ

オレンジのベッドで寝る犬

犬の目は少ない光でもしっかりキャッチできるように発達しているため、薄暗い空間でも見えやすいという特徴があります。犬は本能的に巣穴のように狭くて暗い空間で安心感を得るため、休む時には明るい場所よりも暗い場所の方が過ごしやすいと言えます。そして、ただ暗いだけではなくある程度の接触刺激がある空間の方がより安心できます。あまりに明るい時間が長すぎるとストレスになってしまうこともありますので、ワンちゃんがくつろぐお部屋の照明は強すぎないよう、そしていつまでもつけっぱなしにしないように調整してあげましょう。夜まで及ぶお留守番時には、お部屋の電気をいつものようにつけておいてあげて普段との違いをなくすとワンちゃんが不安を感じにくくなります。

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