犬にとっては刺激が強すぎる香り①「柑橘類」
犬には、柑橘類の香りが苦手な子が多くいます。飼い主さんがミカンの皮をむいているとき、目をシパシパさせていたり、そばを離れて行ってしまったりしたことはありませんか?柑橘類の香りは強く、人にとってはほとんどの場合良い香りと感じられますが、犬にとっては強すぎることが多いようです。また、香りが強いだけではなく、柑橘類には油分が含まれています(その油分を精製したものが、柑橘系の精油です)。柑橘類の皮をむいたとき、水分が飛んで目にしみたことがあるのではないでしょうか。目がしみるその原因こそが、柑橘類に含まれる油分なのです。柑橘類の香りはその油分によって、私たち人間にとっても犬にとっても、刺激のある香りになっています。この油分は鼻の粘膜に強い刺激を与え、たくさん吸ってしまうと、咳をしたり、むせてしまうことが人でもあります。柑橘類には、甘味を含んでいるものもあり、ミカンやオレンジやグレープフルーツなどを好んで食べる犬もいますが、油分は皮に含まれていますので、皮をむくときは、犬のそばでむかないようにし、刺激を与えないように注意しましょう。
犬にとっては刺激が強すぎる香り②「アルコール」
お酒に含まれているアルコールの香り、除菌剤に含まれているアルコールの香りなど、犬はアルコールの強い香りが苦手です。私たち人間も、直接アルコールに鼻を近づけて香りを嗅ぐと、とても強い刺激を感じますが、犬にとってアルコール臭は刺激以外のなにものでもありません。お酒を飲んだ後の飼い主さんのことを、避けてしまう犬もいるようです。アルコールが含まれている除菌剤を使い、お掃除をしていると、その部屋から出て行ってしまう犬もいます。犬のトイレをお掃除するための除菌剤がありますが、犬専用の除菌剤であれば、犬にも優しい香りになっていてアルコールを含まないものが多いと思います。犬専用ではないアルコールを含む除菌剤を使って犬のトイレをお掃除したいときは、部屋の窓を開け、十分に換気をしながら行ってあげると良いです。
犬にとっては刺激が強すぎる香り③「香水、家庭用品などの化学物質」
香水の香りや、湿布・殺虫剤・柔軟剤などに使われている人工的な香りは、犬にとって刺激が強すぎる香りだというだけではありません。人間によって濃縮されたり作り出されたりした香りであり、自然界にはありえない強さの香りや決して存在することのない香りです。そのため、その香りを嗅ぐことで警戒し、攻撃体勢になってしまう犬もいるそうです。たとえば、香水を身にまとった人が犬に近づいたとしましょう。強い香水の香りによってその人自身のにおいを嗅ぐことが難しくなり、その人に対して警戒し、唸るなどの威嚇をしたり、飛びかかったり噛みついたりなどの攻撃をしてしまうこともあるとのことです。相手が飼い主さんであれば警戒することはないかもしれませんが、香水や家庭用品の香りは犬には刺激が強すぎるため、避けようとするかもしれません。触れられることや抱っこされることを拒否することもあります。
犬にとっては刺激が強すぎる香り④「マニキュア・除光液」
私たち人間にも刺激が強すぎる香りですよね。人間のよりはるかに優れた嗅覚を持つ犬であれば、恐ろしいほど刺激の強い香りなのではないでしょうか。愛犬と過ごす部屋では、マニキュアを塗ったり、除光液を使用したりしないようにしたいですね。マニキュアの強い香りは、マニキュアが乾いた後も続きます。私たち人間には、あまり香らなくなりますが、嗅覚に優れた犬であれば、いつまでも強い香りとなって漂っているかもしれません。マニキュアが塗られている飼い主さんの手を嫌がることもあるかもしれません。
犬にとっては刺激が強すぎる香り⑤「タバコ」
タバコによる被害は、人間界でも世界的に問題視されていますね。タバコの煙には健康被害をおよぼす物質とは別の香り成分も含まれていては、鼻や喉の粘膜を刺激します。タバコの香りが苦手な人や、タバコの煙によってアレルギー性鼻炎の症状が出る人がいるように、犬でもタバコの香りが嫌いな犬がいたりタバコの煙に含まれる化学物質によって健康被害が起きてしまう犬もいます。慢性的にタバコの香り煙を嗅ぎ吸い続けていると、人間と同様に有害物質による犬の健康被害も心配です。犬の目の前ではタバコを吸わないように気をつけている、という飼い主さんがいらっしゃいます。しかし、タバコを吸っている人の口・髪・服・肌などからは、いつまでもタバコの香りが漂っています。本人が気づいていないだけです。
まとめ
犬にとっては刺激が強すぎる『香り』には、
- 柑橘類
- アルコール
- 香水、家庭用品などのに含まれる学物質
- マニキュア、除光液
- タバコ
などの香りがあります。日常生活の中で嗅ぐ可能性のある香りばかりです。犬の鼻や喉の粘膜を刺激し、傷つけてしまうことがあります。十分に注意したいですね。