犬にとって意外な危険①犬用ガム
牛皮や豚皮などを主原料にした犬用ガムを食べている犬は少なくないと思います。犬用ガムは固く噛み応えがあるため、歯磨き効果や噛むことによるストレス発散効果、留守番中のひまつぶしなどさまざまなメリットが期待されています。愛犬がうれしそうに噛んでいるとついついたくさん与えてしまうことがあるかもしれませんが、犬用ガムには気をつけないと危険があるということを覚えておきましょう。
犬用ガムは非常に固くできているため噛むことで歯が折れたり欠けたり歯茎が傷ついたりすることもありますし、頻繁に食べることで歯が摩耗してしまう可能性もあります。さらに犬用ガムは消化に時間がかかるため食べ過ぎると胃腸に負担がかかってしまったり消化しきれずに腸閉塞を起こしてしまうこともあります。また、両端を縛っている形の犬用ガムは端の丸い部分を丸飲みしてしまう危険性が高く喉に詰まらせてしまうことも。犬ががっついて食べたり、取られまいとして急いで飲み込んでしまった場合などには、細めのガムでも喉や食道に詰まらせてしまうことがあります。喉に詰まらせた場合、最悪のケースとして窒息死してしまう可能性があります。犬用ガムを与えるときには愛犬に合っているかたさや大きさであるかしっかりと確認し、食べている様子を確認して危険がないか確かめるようにしましょう。
ここまではガムの形とかたさによる危険性でしたが、食べ物としての品質に問題のあるガムが売られていたこともあるようです。実際、犬用ガムのリコールが海外でも国内でも起きています。フードと同様にガムの品質にも注意してみましょう。
犬にとって意外な危険②食後の運動
みなさんの愛犬は食後どのように過ごしていますか?元気な犬の場合など食後すぐに走り回って遊んだりすることもあるかもしれません。また、飼い主さんの生活スケジュール次第では食後に散歩に出るということもあるでしょう。しかしそれらは実は、とても危険なことになる可能性があるのです。
食事をして胃が膨らんだ状態で激しく動き回ると「胃拡張」やさらに胃拡張がすすんで「胃捻転」という状態を引き起こすことがあります。胃拡張は胃の中で大量に発生したのガスや食べた物によって異常に膨れ上がり、周りの臓器や血管を圧迫した状態です。胃捻転は胃が捻じれてることで食道や腸につながる道や血管までもが捻じれ、胃の内容物や血液が流れるのをすべてふさいでしまう形になります。これにより胃壁や周辺臓器が壊死したり、血流障害が起きて重篤な症状を引き起こします。発症後数時間で多臓器不全に陥って重度のショック状態になって死亡するケースも多く見られます。
食後に胃拡張や胃捻転が起こりやすいのは大型犬や超大型犬と言われ、特にグレートデンやジャーマンシェパード、ドーベルマンなどのように胸の深いタイプの犬種で発症リスクが高いとされています。しかし発症の原因の詳細が明確になっているわけではなく、どんな犬種でも、小型犬でも起こりことがあるので、食後すぐに激しい運動をすることは避け、散歩はできれば食事の前にしましょう。また、早食いをさせないこと、大量のフードを一度に与えるよりも一日の食事を数回に分けて与えることなどが胃拡張・捻転の予防策として推奨されています。ストレスも胃拡張・捻転の発生にかかわっていると考えられるので、不安や恐怖を感じている状況では食事の量やタイミングに気を付けましょう。
犬にとって意外な危険③害虫駆除薬
家の中の害虫駆除のためにキッチンやベランダ周辺などに虫よけの薬を置いている家庭は多いと思います。特にゴキブリ駆除のための置き型駆除薬が色々販売されていますが、それを食べてしまった、かじってしまったという犬が実は意外と多いそうです。駆除薬はキッチンの下の方など目立たない場所に置いていると思いますが、留守番中などに犬が見つけて引っ張り出し、バリバリに噛み砕いてしまっていたということがあるそうです。このタイプの駆除薬は対象の虫を引き付けるためににおいの強い甲殻類の成分などが含まれていることがあるそうです。そうしたにおいを犬が嗅ぎつけて興味を持って口にしてしまうことがあるのですしょう。このタイプの駆除薬は、ペットや幼児が口にしてしまった場合のために、苦く味付けられているものもあり、そのような製品であれば薬剤を全部食べてしまうことはあまりないかもしれません。そして、フィプロニルが主成分となっている場合、量も少量で犬などの哺乳類が食べてしまってもほとんど影響がないとも言われています。しかし、大量に食べてしまったり頻繁に食べることがあればやはり良くないでしょうし、ホウ酸が高濃度に含まれている製品の場合、食べてしまった量や犬のサイズによっては命にかかわる危険性もありますので注意しましょう。
まとめ
犬にとって危険なことは日常の中にあふれています。玉ねぎやチョコレートを食べると危険ということはよく知られていますが、その他にも体に悪影響を及ぼす食べものもありますし、家庭に置かれることの多い観葉植物の中にも危険なものがあります。家電製品による感電や洗濯機などへの閉じ込め、お風呂場での溺れなど命に関わる重大な危険もあるので家の中の環境を今一度見直してみてください。私たちが楽しく快適に過ごすためのアイテムが犬にとって脅威になってしまうこともあるということを認識して環境整備をし、愛犬の健康や安全を守ってあげましょう。