目で気持ちを伝えようとしている
「目は口ほどに物を言う」という言葉がありますが、それは人間だけに限った話ではありません。犬もなにか伝えたいことがある場合に目線を送ったり、見つめてきたり、またはそらしたりすることがあります。もしかすると喋れないぶん、人間よりも目に意味があるかもしれません。
散歩中や遊びの最中などにも目でいろんな感情を伝えてきますよね。ここにいきたい、おもちゃを投げてほしい、楽しみにしてる、などいろんな気持ちを犬は目で表しています。アイコンタクトなど目でコミュニケーションをとる一方で、一般的に犬に限らず動物と目を合わせてはいけないと言われています。
それはなぜなのでしょうか?
犬の目を見つめてはいけない理由とは?
見つめるのはケンカの合図
犬が飼い主さんをじーっと見つめてきたときに、飼い主さんも視線を外さずにみていると低く唸ったり、歯をみせたりすることはありませんか?そういった行動があったなら、それは敵意の表れでケンカの合図です。犬同士でケンカがはじまりそうなときには、敵意がないほうが先に目をそらします。つまり視線を外さない、目をそらさないということはケンカをすることにつながるのです。
人間に対してそういった視線をよこすのは、まだ飼い主さんになれておらずに怯えている場合やなにか嫌なことがあって気が立っている場合が多いです。そういう場合は先に飼い主さんのほうから目をそらし敵意がないことを示しましょう。そしてやさしく穏やかな声を意識して声をかけてあげましょう。
目をそらすのは敵意がない証拠
先程も書きましたが目をそらすのは敵意がないアピールになります。犬の場合下位の犬がリーダーの次の動きを知るために見つめることはありますが、リーダーが視線をあわせると下位の犬は目をそらします。
これは人間と暮らす犬も同じで、リーダーである飼い主さんがじっと目をみると視線をそらす犬が多く敵意がないことを示しています。嫌いだから目をそらす、というわけではないので安心してください。また苦手なことがあったときや困ったことが起きたときにも目をそらすことがあります。叱られたときにそういった行動をとることがあるので、心当たりがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実は違った意味も……
目をそらさないからといって必ずしも敵意があるとは言えません。実は他にもいくつか意味があるのです。ここではその中でも多い2つの意味をご紹介します。
愛情と信頼の証!
リラックスした状態で飼い主さんを見つめたり、目をしょぼしょぼさせたりする場合は愛情を伝えたいのかもしれません。愛情を感じながら見つめ合うと幸福ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌され、お互いに幸せな気分になります。また見つめてもケンカにならずお互いにリラックスした状態が続くことを理解しているので、目をそらさずにじっと見て愛情を伝えようとしているのです。
特にぼーっと穏やかに見つめているときは安心している状態で、飼い主さんを信頼している証拠です。もし犬が見つめてきたときに犬にとってなにか良いことがあると「見つめれば良いことがあるかもしれない」と思いよく飼い主さんを見つめるようになります。
お願いがあるのかも?
キッチンの前で飼い主さんをじっと見つめてきたり、玄関で見つめてきたり……そういう場合はもしかするとなにかお願いがあるのかもしれません。おやつやご飯がほしい、散歩にいきたい、など言葉にすることができないので目で訴えることがあります。可愛い姿ですが、それに毎回こたえていると犬はじっと見れば要求が通ると思い込んでしまいます。
そのうちじっと見ても要求が通らないときには暴れたり、吠えたりするようになる可能性があります。そうなってしまうと犬にとっても飼い主さんにとっても困ったことになってしまうので、できるだけそういった視線にはこたえないようにしましょう。
まとめ
一般的に犬やその他の動物の目を見つめてはいけないと言われています。その主な理由は「見つめ合うことが敵意の表れ」であることが多いためです。どちらかが目をそらせばいいのですが、お互いに目をそらさないままでいると敵意がありますということになってしまいます。もし愛犬が目をそらしたりする場合は飼い主さんのことが嫌いというわけではなく、あなたに敵意はありませんよ、というアピールだと思ってください。
また実は見つめていても敵意を表しているわけではないこともあります。例えばリラックスした状態でぼーっと見つめてきたり、目をしょぼしょぼとさせていたりすると飼い主さんのことを好きだなぁと心から思っている状態でしょう。ただ何かを要求するときにも見つめてくることがあるので、そういった場合はすべての要求にこたえないように気をつけましょう。すべての要求にこたえてしまうと、要求が通らないときに暴れたり吠えたりするようになってしまいます。犬の様子を見ながら、今見つめてきているのはなぜなのかを考えてみましょう。