犬はどんなときに嫉妬するの?
犬が飼い主の行動や態度によって嫉妬をすることがあるということはさまざまな研究で明らかになっています。犬が嫉妬をするのは主に飼い主が自分以外の生物に関心を寄せているときだとされています。
カリフォルニア大学の研究
カリフォルニア大学の研究チームがどのようなものが犬の嫉妬の対象になるかを調べた際にも、本や装飾品など無生物に飼い主が熱中して犬を無視しているときにはそれほど強い嫉妬の感情は見せないことがわかっています。吠えたり動いたりする犬のぬいぐるみに関心を寄せているときにはおもちゃと飼い主の間に割って入ろうとするなど嫉妬の感情があらわれています。この実験では犬のぬいぐるみに対して犬がお尻のにおいを嗅いだりカーミングシグナルを見せるなどすることからぬいぐるみを生物とみなしていると考えられました。
嫉妬しやすい犬の特徴
特に嫉妬しやすい犬の特徴としては、飼い主に対して依存傾向にある犬や飼い主への独占欲が強い犬、飼い主からの愛情を受ける相手が自分だけという状況が長く続いている犬、家庭内での自分の順位を気にしやすい犬などが挙げられます。こうした犬は散歩中などに飼い主がなでたり抱っこしたりする他の犬や、家庭内で自分より後に飼育されるようになった犬、新たに生まれた人間の赤ちゃんなどに嫉妬することが多いとされています。
犬が嫉妬したときの行動や仕草
気を引く行動
犬が飼い主と他の犬の関係などに対して嫉妬したとき、飼い主と他の犬の間に割り込んだり、吠えたり暴れたりして飼い主の気を引こうとしたりすることがあります。直接的に接触してくる行動の場合は嫉妬のサインとしてとてもわかりやすいですが、飼い主から離れた場所でいたずらをしたりトイレの失敗をするなど一度ではわかりにくい嫉妬の表現もあります。いずれにしても「飼い主に自分の方を見てほしい」という気持ちの表れとして起こしている行動だと考えられています。
甘え行動
飼い主の気を引く行動と似ていますが犬が嫉妬したとき、飼い主に対して愛情を要求するかのように手や顔などをなめてきたり、膝の上に乗ったりしてべたべたと甘えてくることもあります。
攻撃行動、破壊行動
甘え行動や気を引くための行動、嫉妬対象を邪魔するなど強引な行動をそのままにしておくと、次第にエスカレートして攻撃行動や破壊行動などに移行することがあります。八つ当たりのように手近にあるクッションなどを破壊するのであればまだ危険は少ないと思いますが、飼い主や他の犬、子供などに対して直接的な攻撃行動を起こすと非常に危険ですので、嫉妬による行動が見られた場合はその気持ちを無視したり、わざと嫉妬を煽るようなことをしたりすることのないよう注意しましょう。
犬に嫉妬させないための上手な過ごし方やコツ
犬が嫉妬による行動をしている時の対処法
また、嫉妬による行動が見られたときに犬にとってのごほうびや報酬となる物を与えないように気をつけてください。嫉妬によりいたずらや粗相など困った行動をしてしまう場合、それらに反応して犬に注目したりかまったりするとその問題行動が強化されてしまいくり返されることとなります。嫉妬による問題行動を減らすためには視線を送ったり声かけをしたりせず、その行動を無視することが非常に効果的です。飼い主にかまってほしいと思っているときには叱ることすらうれしいと感じてしまう犬もいるので、一切目も合わせずその場から立ち去るなどして「その行動をしている間はかまえない」ということをしっかり伝えましょう。
まとめ
飼い主さんのことが大好きな犬たちは、他の犬や子ども、ぬいぐるみなどさまざまな物に対して嫉妬してしまうことがあると思います。その気持ちはしっかりと受け止めてあげた上で、それによって起こす困った行動や問題行動をエスカレートさせないために適切な対応を取ることが大切です。それらの行動を見せている間は、飼い主さんは怒ったり慰めたり面白がったりと反応を示すことはせず無視をするなど冷静に対応するようにしましょう。また、嫉妬心をあまり強く持たずに済むように日頃から甘やかしすぎたりせず犬の自立心を育てることも大切だと思います。