愛犬が苦しんでいる飼い主の行為
私達が何気なく行っている日常的な行為が、時として愛犬を苦しめてしまうことがあります。「え、こんなことが?」「良かれと思ってやっていたのに…」という行為もありますので、自分はしていないかを確かめてください。
1.近くでたばこを吸う
近年、たばこを吸っている人だけでなく、吸っている人の近くにいる人も被害を受けてしまう『受動喫煙』という言葉が広く認知されるようになりました。実は、これは人間だけでなく、犬にも同じ事が言えます。
飼い主が愛犬の近くでたばこを吸っている場合、愛犬が受動喫煙の被害を被ってしまうことがあり、健康に悪影響が及ぶのです。実際に、飼い主がたばこを吸っている犬は、癌のリスクが高まると言われています。特に、鼻に関するがん(鼻腔がんや副鼻腔がん)を患いやすいです。
たばこを吸っている人は、たばこを吸った後40分間は、副流煙を被り、その影響が出続けると言われています。そのため、家の中ではたばこを吸わず、お店の喫煙室などで済まして帰るなど、禁煙の方向へ努力をしていきましょう。
また最近では、有志の飼い主さんを募り犬へのたばこの健康被害について認知を広めたり、分煙化を求める署名なども行われています。
愛犬を癌の危険から守るために ー 犬&各種ペット関係の施設やイベントの分煙化についての署名
このような署名に参加したり、周りの方にそれとなく広める事で、喫煙者とペットがお互いに過ごしやすくなる第一歩になるかもしれませんね。
2.愛犬の近くで掃除機を使う
日常的に使う家電の1つ、掃除機も使い方に気を付けなければいけません。掃除機の音は犬に嫌われやすいと言われていますが、これはまったく関係ありません。
愛犬の近くで掃除機を使った場合、掃除機によって空気中に舞ったハウスダストを犬が吸い込んでしまう恐れがあります。すると、気管に悪影響を及ぼしたり、身体が痒くなってしまうなどの影響が考えられます。
掃除機を使ってはいけないのではなく、愛犬の隣などで使うことがあまり良くないということです。そのため、掃除をする際はケージに入ってもらうなど、工夫をしましょう。
3.散歩の時間が長すぎる/距離が長すぎる
愛犬の健康のために、良かれと思って散歩の時間を長くしたり、散歩の距離を長くするという飼い主さんは多いでしょう。しかし、時間や距離がその犬種の適切な散歩距離から、遥かに長くなってしまうと、反対に悪影響を及ぼす恐れがあります。
これは小型犬や老犬、子犬などに多いのですが、散歩する距離が許容範囲を超えてしまうと、足腰に負担がかかり、子犬であれば成長過程に悪影響が、小型犬や老犬の場合は、怪我やヘルニアに繋がる可能性があるのです。
散歩は楽しい日課の1つなので、犬は楽しそうに歩いてくれるでしょうが、身体が悲鳴を上げている可能性があります。たくさん歩かせてあげたいという場合は、1日の散歩を数回に分けてあげるなど、1回に長過ぎる距離を歩かせることは避けるようにしましょう。
4.アレルゲンとなる食材を与えてしまう
当たり前のことではありますが、愛犬が食物アレルギーを持っている際、そのアレルゲンとなる食材を与えることはNGです。しかし、アレルゲンであると知らずに食材を与えてしまっている可能性もあります。
基本的に、犬のアレルギー検査は症状が出てからでないと行われないため、自分の愛犬がアレルギー持ちであることを知らない飼い主さんも珍しくありません。
しかし、食物アレルギーがある場合は、そのアレルゲンを食べることによって、身体の痒みや嘔吐などの症状が現れてしまうので、愛犬にとっては苦しいだけです。初めて与える食材は一口にし、様子を見るなど、工夫して与えるようにしましょう。
5.構い過ぎも分離不安症の原因に
愛犬が可愛いからと四六時中一緒に居てあげる飼い主を見かけることがありますが、実は構い過ぎ、四六時中一緒に居すぎも愛犬を苦しめる行為であることをご存知でしょうか。
「喜んでくれてるからいいじゃない!」と思うかもしれませんが、あまりにも一緒に居すぎると、犬が分離不安を引き起こす恐れがあります。分離不安とは、飼い主と離れることで大きなストレスを感じ、破壊行為や無駄吠え、エスカレートしてしまうと自傷行為などの問題行動を引き起こす症状です。
常に一緒に居ることで、飼い主が一緒に居ることが当たり前となってしまい、ちょっと買い物に、など飼い主が一時いなくなるとき、大きな苦しみを味わうことになるのです。
すでにこのような症状が現れている場合は、分離不安を引き起こしている可能性があるので、適切な距離感を少しずつ保っていけるよう努力しましょう。まずは10~30分ほどお留守番するところから慣れていきましょうね。
まとめ
いかがでしたでしょう。知らず知らずの内に、愛犬に苦しい思いをさせてしまっている行為の中には、飼い主が善意で行っている行為も含まれていました。今一度、日々の生活や接し方などを見直し、愛犬がより過ごしやすい環境を作っていくことが大切です。今回紹介した行為をしてしまっている場合は、早急に見直し、改善していきましょう。