1.すれ違う人や犬に気づかせない
最も単純明快な対処法は、他の人や犬とすれ違う状況を作らないことです。お散歩コースが人通りの多い所だったり、誰彼かまわず吠えてしまう場合には難しいですが、激しく吠えてしまう相手が特定されている場合や、吠えてしまいがちな相手の特徴がはっきりしている場合には有効です。この対処法をとるためには、飼い主さんが常に周囲の状況を注視している必要があります。
前方から吠えてしまいそうな相手が近づいてきた場合には、愛犬がその存在に気づく前に飼い主さんが気づき、Uターンをしたり、先に角を曲がって回避してあげましょう。また、道を逸れる余裕がなければ、おやつやおもちゃを持ち歩いておき、相手が通過するまでおやつやおもちゃに気を引きつけておくのも方法の1つです。
2.人や犬とすれ違うときにおやつをあげる
上でご紹介した1つ目の方法と似ていますが、お散歩の際にトレーニング用のおやつを持ち歩いておき、他の人や犬とすれ違うときにおやつを与えるのも有効です。1つ目の方法と違うのは、その目的です。上でご紹介した方法での目的は、おやつで注意を逸らすという対症療法的なものでしたが、こちらの方法での目的は、「他の人や犬とすれ違うと良いことが起きる!」という経験付けを行うことです。
他の人や犬とすれ違うときに吠えてしまう犬は、他者への警戒心が強すぎて、「何か怖いことや悪いことが起きるかもしれないから、威嚇しておこう!」と思っているケースがほとんどです。そのため、他の人や犬とすれ違うときに「おやつをもらえる」という「良いこと」が起きれば、「威嚇する必要はなかったんだ」と学習してくれます。最初はおやつをごほうびとして与えますが、慣れてきたら頭を撫でるだけ、声をかけるだけなどと徐々に「それが自然」であるように慣らしていきましょう。
3.吠えそうになったら指示を出す
基本的なしつけができていることが前提の上級者犬向けの対処法ではありますが、最も理想的なのは、犬が他の人や犬に対して吠えそうになったら「オスワリ」や「フセ」の指示を出して落ち着かせる方法です。「オスワリ」や「フセ」といった指示しつけは、さまざまな問題行動に応用できる、魔法のリセットスイッチです。
問題行動を起こしそうになったときに「オスワリ」「フセ」の指示を出し、それに従わせることで、一連の行動にいったんの区切りを設けます。そのうえで、指示に従えた場合には誉めてあげましょう。この対処法の効果を上げるには、もちろん、どんな状況でも「オスワリ」「フセ」の指示に反応できる基本的なスキルを身に着けていなくてはなりません。
4.他の人や犬に馴らす
他の人や犬に無駄吠えしてしまう犬への根本的な対処法は、他の人や犬に馴らすことです。過剰反応して無駄吠えしてしまう犬は、他者との距離感や関わり方がわからず、社会化が未熟である場合がほとんどです。そのため、改善には「他の人や犬は怖くない」ということを教えてあげることが第一です。家に家族以外の人を呼び、おやつをあげてもらったり、お散歩中に知人にわざとすれ違ってもらい、すれ違いの際におやつをあげてもらうなど、少しずつ他者との関係を増やしていくようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?すれ違う人や犬に無駄吠えしてしまうと、せっかくの楽しいお散歩も台無しです。無駄吠えがなくなり、フレンドリーに関わることができるようになれば、犬友ができたり、近所の人との交友関係も広がって世界が大きく変わります。ぜひ早いうちに対処し、愛犬との暮らしをより楽しく豊かにしましょう。