犬は室内飼いでもケガのリスクあり!室内特有の危険と事故防止策3つ

犬は室内飼いでもケガのリスクあり!室内特有の危険と事故防止策3つ

一見安全そうな室内。しかし、意外とケガをする危険性がたくさん潜んでいるのです。今回は室内特有の危険を3つご紹介するとともに、それぞれの事故防止策もお伝えしていきます。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.角ばった家具はケガのもと

角ばったテーブルと犬

角ばった部分にぶつかると危険

室内にある、意外とケガをしやすいものといえば『角ばった家具』です。犬が室内で歩き回ったり遊んだりしていている時に、家具のL字型に尖った角にぶつかることって結構多かったりするそうです。

普通に歩き回っているくらいでしたら犬はちゃんとぶつからないように回避しますが、何かに興味が湧いた時…例えば飼い主がオヤツやご飯などを持っていると、犬は飼い主の姿に集中してしまい、周りが見えなくなってしまうことがあったりします。また、遊んでいて興奮した時など、思わずぶつかってしまうこともあるようです。

その結果、頭や体にゴツン!っと家具の角がぶつかったりしてケガをすることがあります。酷いケースだと目に当たって失明してしまった子もいるそうなので、気をつけなればいけません。背の低いテーブルは犬の背丈と同じくらいなので特にケガをしやすく、注意が必要といえるでしょう。

事故防止策

犬が家具などの尖った角でケガをしないようにするための防止策は、主に2つの方法があります。

  • 室内には角が丸いものしか置かないようにする
  • 角ばっている部分はクッション材を貼り付けて安全にする

室内をオシャレにしながらもケガの対策をしたいと思っているのでしたら、愛犬のために思い切って家具などを買い替えてみると良いかもしれませんね。ただ、角が丸くなっているものに変えた場合、大きなケガは防げるでしょうが、ひどくぶつかればそれなりにダメージ(打ち身)を負ってしまう可能性はあります。

角ばった部分にクッション材を貼り付けて事故の防止を行った場合は、ぶつかっても柔らかいクッション素材に当たるだけなので、よっぽどのことがない限りケガをすることはないでしょう。デメリットとしては、噛み癖がある犬だとクッション材を噛みちぎってしまう可能性があるということです。ですので、クッション材を使う時は愛犬に噛みグセがない場合のみにして、愛犬が誤飲していないかこまめにチェックするようにしてくださいね。

2.ツルツル滑る床は犬にとって大敵

床で伏せをする犬

転倒したり関節を痛める危険性

室内にある危険なものとして割と有名なのが『滑りやすい床』です。フローリングやツルツルしたタイルの床は、犬が転倒してケガをする可能性が高いので気をつけなければいけません。また、滑りやすい床は犬が踏ん張りにくくなるので、つねに余計な力が入ってしまい関節を痛めやすいといえます。

例えば、滑りやすい床が原因でなりやすいケガや症状は、『脱臼』『骨折』『椎間板ヘルニア』が知られています。これらは一度なってしまうと治すにも大きな負担がかかってしまうので、もし愛犬が生活しているスペースの床が危険な『滑りやすい床』なのでしたら、なるべく早く対策を行うことをおススメします。

事故防止策

『滑りやすい床』への防止策は『滑りにくくする』、これだけです。方法としてはカーペットやコルクマット、ジョイントマットや滑り止め効果のあるワックスといったものを使うのが効果的といえるでしょう。

個人的におススメなのはジョイントマット、またはジョイント式のコルクマットです。この2つは一定のサイズのものをパズルのピースのように繋ぎ合わせて使うことができるので、汚れた時はその部分だけ取り替えればいつでも清潔に保つ事ができるのでとても便利といえます。もちろん、滑りにくくてクッション性もあるので、愛犬がケガをするリスクをかなり減らせるといえるでしょう。

【足が滑りにくくする他の方法について】

病気や加齢などによって足腰のふんばりが弱くなっている場合には、今まで滑らなかった床でも足が滑ってしまい、うまく立ち上がったり歩けないことがあります。そんな時には、滑り止めのついた靴下やブーツ、犬の爪に装着する滑り止めなども役に立ちます。

獣医師:木下明紀子

3.高さのある段差や家具の昇り降りによる危険性

ソファで眠る犬

昇り降りによって関節を痛める・転倒のリスクがある

犬が室内でケガをしやすい原因として度々話題になるのが『高さのある場所への昇り降り』です。犬はジャンプすれば昇れるくらいの高さのある家具や段差が好きですよね。丁度いい遊び場だと感じていたり、床にいる時よりも周りを見渡すことができたりするので、高い場所が好きなのかもしれませんね。

高い家具に向かってジャンプしたり飛び降りたりする愛犬を見ると、「元気だなぁ」と微笑ましく感じてしまうかもしれません。しかし、犬にとって高い場所への昇り降りはとてもケガをしやすく、体に負担をかけやすい行動といえますので要注意となります。例えば、脱臼や椎間板ヘルニアをはじめとした関節系のケガや病気を引き起こしたり、なかには飛び降りに失敗して骨折をしてしまうなんてこともあるそうです。

ケガをするリスクがとても高いので、愛犬が高さのあるソファや家具を昇り降りすることが多いのでしたら、なるべく対策することをおススメします。

事故防止策

高さのある場所への昇り降りによるケガを防ぐためには段差を無くすか、段差の高さを低くする方法が効果的といえるでしょう。例えば、愛犬にとって高さのある家具(体の高さより高い)は愛犬の生活スペースに置かないようにするか、又は愛犬が昇れないほど高いものに変えれば簡単に事故を防止できるといえます。

……とはいえ、今まで使っていた家具を入れ替えたり取り除くのって大変ですし、現実的ではないですよね。そういった場合は、地面と高さのある家具のあいだにもう1つ物を置き階段状にして1つ1つの高さ(段差)を低くすると良いですよ。そうすることで、昇り降りの際に体の負担を軽減でき、ケガのリスクを減らすことができます。

ペット用品として専用の製品も売られていますし、ちょうど良い高さの物を自作したり、市販のステップやスツールを代用したりもできます。専用品以外のものを利用する場合には、十分な幅もあること、犬の足が滑りにくいこと、またステップ自身が床から滑って動いてしまうことがないことを確認して下さいね。

まとめ

カーペットの上でくつろぐ犬

今回は室内に潜んでいるケガをしやすい原因と防止策を3つご紹介しました。どれも簡単に対策をすることができるので、室内に危険がある場合は愛犬がケガをしないためにぜひ対策を行っておくことをおススメします。ケガをするリスクを大幅に減らすことができれば、今よりももっと愛犬を室内で思いっきり遊ばせることができるといえるでしょう。

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