しつけの時期が悪い
しつけには適した時期があり、その時期を逃してしまうと、個体差はありますが、トレーニングの効果の上がり方は著しく変わってきます。一般的に、犬のしつけに最も効果的な時期は、生後2〜3ヶ月から1歳くらいまでの間と言われています。生後2ヶ月より前は脳が未発達であり、社会化のためのトレーニングよりも、生存していくための基本的な能力を身につける時期です。生後2〜3ヶ月から1歳くらいまでのいわゆるパピー期は、犬のしつけにとって黄金期といえます。飲み込みが早いのはもちろん、愛犬の方も楽しみながらストレスを感じることなくトレーニングを行うことができます。
一方、この時期を逃して成犬期に入ってしまうと、それまでの間に身についてしまった悪いクセを直すのが難しくなり、トレーニングに時間がかかるうえ、犬にとっても大きなストレスを与えてしまうことになります。
可能な限りパピー期にしつけを
対処法は1つ、可能な限り、パピー期にしつけを終えることです。保護犬を成犬時期から迎えた場合や、愛犬が成犬となるまでにしつけが完了できなかった場合には、子犬に教えるよりも時間がかかることを覚悟したうえで、根気づよくトレーニングを行っていくしかありません。自分だけでは難しいと感じた場合には、ドッグトレーナーなどプロの手を借りることも必要です。
人やタイミングによって対応が違う
犬のトレーニングで大切なのは、人やタイミングを問わず、同じ対応をとることです。例えば、イタズラをしたときにお母さんは「ダメ!」と叱るのに、お父さんは「しょうがないな〜」と頭を撫でてしまう。飼い主さんが忙しいときには「やめて!」というのに、機嫌が良いときには遊びの誘いに乗ってしまうなど、人やタイミングによって対応が異なってしまうと、犬は「お母さんには怒られたのに、お父さんには誉められた」「この間は怒られたのに、今度は怒られなかった」と混乱してしまい、結局、何が良くて何が悪いのかを判断できなくなってしまいます。
意識の統一を
家族が複数人いる場合には、しつけの方針について、しっかりと意識の統一を図るようにしましょう。また、気分やタイミングで対応を変えてしまわないよう、飼い主さんが自分自身に言い聞かせておくことも大切です。
叱ると誉めるのメリハリがない
前の段でも述べたように、犬のトレーニングで大切なのは、何がイケナイことで何が良いことなのかをはっきり理解させることです。そのためには、イケナイことをした場合にはきちんと叱り、良いことをした場合にはたくさん誉めてあげる、いわばアメとムチのメリハリをしっかりつけることです。このメリハリがしっかりついていないと、犬は善悪の判断をつけるのに時間がかかり、トレーニングの完了にも長い時間を要することになってしまいます。
声のトーンでメリハリを
犬がイケナイことをして叱った後、指示に従ってイケナイことをやめたときには「イイコ」とたくさん誉めてあげましょう。また、叱ると誉めるのメリハリをつけるのに重要な要素が、声のトーンです。叱るときには低い声、誉めるときには高い声を心がけると、犬にも伝わりやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?犬のトレーニングは、一朝一夕に済むものではありません。ですが、途中でさじを投げてしまうと、それ以降の犬との暮らしの質に大きな影響を及ぼしてしまいます。つまずいたときには、専門家の力を借りるのも1つの方法です。犬との楽しい暮らしのために、地道にトレーニングに取り組んでいきましょう!