犬が『仮病』を使うのはなぜ?
過去の経験から学習
犬はとても賢い動物で、驚くことに仮病を使う犬までいます。犬が仮病を使うのは、基本的に飼い主さんに対してのアピールになります。愛犬自身が過去に怪我をした時や、病気になった時の経験から学習し、その時の飼い主さんの対応を求めていることが多いようです。
例えば「愛犬の歩き方おかしい」と感じたら動物病院に連れて行きますよね。普段は忙しく、あまり構ってくれない飼い主さんが仕事まで休んで病院に連れて行き、かいがいしく愛犬のお世話をします。一緒に過ごす時間も長く、優しい言葉も沢山かけてもらえる…。そんな経験が愛犬にとって「体調を崩せば構ってもらえる!」と学習してしまうんですね。
犬が仮病を使うのは寂しいから?
飼い主さんに甘えたい時や、気を引きたい時にも仮病を使う犬がいますが。症状は脚を引きずってみたり、咳をしたり、体が痒いふりをしてみたりと様々なようです。心配になって病院に連れて行っても、もちろん仮病なので診察結果は「異常なし」。持病を持っている犬であれば、飼い主さんも見分けがつかず困ることもあると思います。
犬が仮病を使うのは飼い主さんが大好きだからと言う理由もありますが、寂しさを感じているケースも少なくないようです。どんなタイミングで仮病を使っているか確認し、愛犬が穏やかに過ごせる工夫をしてみましょう。
犬はどんな時に『仮病』を使う?
優しくしてほしい時
仕事や家事に追われ毎日を忙しく過ごし、愛犬とコミュニケーションをとる時間が削られていませんか?お散歩やご飯を与える時や、その他、愛犬のお世話をする時も「面倒だな」と感じながら行ってしまうと愛犬は愛情不足を感じてしまうもの。
そんな時、愛犬は「もっと優しくしてほしい」と感じ仮病を使ってしまうかも…。多少、時間が短くなってしまっても、お散歩やコミュニケーションの時間は愛犬に声をかけながら、互いが楽しい気持ちになるように心がけましょう。
多頭飼いや赤ちゃんが産まれ新しい家族が増えた時
愛犬が寂しくないように遊べる相手として、もう1頭新しい犬を迎え入れたり、赤ちゃんが産まれて新しい家族が増えた時なども仮病を使うことがあります。今までは飼い主さんの愛情の全てが自分に向いていたのに、その愛情が新しい犬や赤ちゃんに向いてしまうと甘えやわがままから仮病を使うようです。
心理としては嫉妬心や不安や恐れなどの不安感になります。犬は優しく撫でてあげたり、抱きしめることで安らぎを感じてくれますので、スキンシップをとる時間を持ちましょう。
寂しい時
犬はもともと群れで生活する動物なので一人ぼっちを好む子はあまりいません。しかし、人間にペットとして飼われている家庭犬は、飼い主さんと生活していくなかで様々な環境に慣れていくものです。そのなかのひとつがお留守番。お仕事をしながら犬を飼われている方がほとんどだと思うので、現在ペットとして飼われている犬は毎日お留守番を頑張っている子も多いはず。そして、そのお留守番にも徐々に慣れていく個体が多いのです。
しかし、寂しがりな性格の犬はなかなかお留守番に慣れることが出来ません。いつもよりお留守番の時間が長かったり頻度が高くなると、飼い主さんの気を引くために仮病を使うことがあります。
仮病を使う愛犬とどう接する?
犬の仮病は飼い主さんへのメッセージ
犬の仮病は大好きな飼い主さんに対して「もっと一緒にいたい」「優しくして」などの切実な願いのあらわれかもしれません。もしかすると飼い主さんの愛情が上手く伝わっていないケースもあるのではないでしょうか。犬の仮病を無視で対応すると言う考えもあるようですが、この対応で愛犬が仮病を止めてくれたとしても、愛犬の願いは叶っていないので余計に寂しい思いをさせてしまったり、ストレスを与えかねません。
あまりにも構ってあげる時間が少ないご家庭では、愛犬と向き合う時間をしっかり作ってください。愛情を持って接し、スキンシップを十分にとり寂しい思いをさせない工夫をしましょう。飼い主さんの愛情が確認できると愛犬も満足して仮病を使わなくなるはずです。
まとめ
犬が仮病を使うのはちょっと驚きですよね。多くの犬に見られる行為ではなく、非常に賢い犬に見られる行為になります。仮病を使う理由が切ないものが多いので「うちの愛犬、仮病かな?」と感じるご家庭では愛犬の様子をしっかりと観察してください。ただ、実際には仮病なのか本当に体調が悪いのか判断がつかないことが多いと思うので、まずはかかりつけの獣医さんに診察してもらいましょう。