犬はなぜ臭いものが好きなの？理由①「臭いもの・汚いものという認識がない」
飼い主さんが一日ずっと履いていた靴下や下着。汗や皮脂のニオイが染みついていて、自分自身で嗅いでみても“ちょっと臭いかも”なんて感じてしまいますよね。人間よりもずっと嗅覚に優れている犬なら、近づくことさえも嫌になるくらい臭いのではないか。いいえ、実は、犬には「臭いもの」や「汚いもの」という認識がないため、近づくことも、ニオイを嗅ぐことも平気なんです。
犬はなぜ臭いものが好きなの？理由②「犬は有機物のニオイが好き」
人間や動物のカラダから分泌される皮脂や汗のことを有機物と言います。人間にとっては、臭いと感じるものですよね。犬は、この有機物のニオイが好きです。犬が野生で暮らしていた頃、自分の居場所を敵に知られてしまわないよう、自分のニオイを消すために、他の動物のニオイを身にまとおうとしていました。それが有機物のニオイです。飼い主さんが脱いだ靴下や下着にカラダをスリスリすることがあれば、その習性や本能が残っているのだと思います。“良い香りだから好き”というわけではありませんが、“自分の身を守るために必要な香りだから好き”ということなのかもしれません。
犬はなぜ臭いものが好きなの？理由③「安心できるニオイだから」
飼い主さんの皮脂や汗のニオイが好きなのであれば、それはきっと、安心できるニオイだからです。先にお話したように、犬には、臭いもの・汚いものという認識がありません。どんなに臭いニオイだったとしても、それが大好きな飼い主さんのニオイなのであれば、嗅ぐことで安心し、気持ちを落ち着かせることができるのかもしれません。ひとりきりでお留守番をしなければならないとき、飼い主さんのニオイが染みついたソファーやベッドで過ごす犬が多いですよね。ソファーやベッドの寝心地が良いのではなく、飼い主さんのニオイが染みついた場所だから良いのです。
犬はなぜ臭いものが好きなの？理由④「情報を得たいから・情報を交換したいから」
犬はニオイを嗅ぐことで情報を得ます。たとえば、犬同士がお互いのお尻のニオイを嗅ぐことには、挨拶の意味と、お互いの情報を交換し合う意味があります。お散歩をしていると、おしっこ（マーキング）をした形跡があったりしますよね。そのニオイを執拗に嗅ぎ、自分も同じ場所におしっこをすることがあります。ニオイを執拗に嗅ぐのは、「〇〇ちゃん（〇〇くん）のニオイだ」という情報を得るためです。そして、自分もおしっこをするのは、「私も（ぼくも）ここを通ったよ」というサインを残すためです。犬のおしっこのニオイって、とてもきついニオイですよね。しかし、犬はそのニオイを嗅ぐことで、情報を得たり、交換し合いたいのです。
犬は「臭いニオイが好き」だけど「刺激臭は苦手」
犬が好きな臭いニオイ
- 人間の皮脂や汗のニオイ
- 動物の皮脂や汗、糞尿のニオイ
- 生ゴミのニオイ
- 食べ物が腐敗したニオイ
犬が苦手な刺激臭
- 芳香剤
- 香水
- 化粧品
- 洗剤や柔軟剤
- アルコール
犬は、人間が嫌うニオイを好み、人間が好むニオイを嫌うようです。飼い主さんの皮脂や汗のニオイは好きでも、飼い主さんが身に着けている香水や柔軟剤のニオイは苦手なんです。もし、飼い主さんに近づきたがらないことや避けることがあるのであれば、それは、刺激臭のせいかもしれません。また、男性やお父さんのことを好む傾向にある理由は、男性特有の皮脂や汗の強いニオイを好むからなのかもしれません。
まとめ
犬が臭いニオイを好む理由には、
- 臭いもの汚いものという認識がない
- 犬は有機物のニオイが好き
- 安心できるニオイだから
- 情報を得たいから情報を交換したいから
などがあります。犬が安心できる環境を与えてあげたいのであれば、お留守番の間は、飼い主さんのブランケットなどを貸してあげると良いと思います。また、部屋に置く消臭剤は無臭のものを置いてあげましょう。犬にとって刺激臭となることがなく、人間にとって良い香りのする、犬用（ペット用）の芳香剤もあります。
