1.成長で自我が芽生えた
パピーがある日を境にやたらと吠えるようになった場合、それは成長過程の1つなので大きな心配はいりません。成長によって自我が芽生えたことから、他者への警戒心が強くなったり、自己主張をするための手段として吠えるようになるのです。つまり、人間の赤ちゃんでいうところの「イヤイヤ期」のようなものでしょうか。
ただし、この無駄吠えを「そのうち治るだろう」と甘く考えてしまうのは危険です。放置していると、無駄吠えが癖になってしまう可能性があります。成長による無駄吠えが始まった場合には、それをしつけ開始時期の合図ととらえ、しっかり対処していくことが大切です。
2.吠えることを誉めてしまった
愛犬が外敵を吠えて教えてくれたり、追い払ってくれたとき、「立派に番犬の役割を果たしてくれた」と誉めてしまいませんでしたか?一度誉められた記憶は、犬にとって深く印象に残ります。その中で、吠えた結果ではなく、「吠える行為そのもの=誉められること」と認識してしまう場合があります。すると、犬は頻繁に吠えるようになってしまいます。
また、あからさまに誉めたのではなく、「うるさい」と注意したり、「何?」と声をかけたりしただけでも、犬は「吠えたらかまってもらえた」と勘違いしてしまいます。無駄吠えを増長しないために、飼い主さんは「吠えても無視」の姿勢を貫くことが必要になってきます。
3.ストレスが溜まっている
特に大きな理由があるわけでもないのに吠え散らかす場合には、ストレスが溜まっていることが考えられます。お散歩や運動の時間が足りていないといった身体的なストレスはもちろん、飼い主さんとの関わり方に起因する精神的なストレスも、無駄吠えに大きく関係してきます。特に精神的なストレスから無駄吠えをくり返し、破壊行動や粗相など他の問題行動も起こしている場合には、分離不安症を発症している可能性もあります。
4.病気で痛みや違和感がある
見過ごしてはいけないのは、病気の痛みや違和感から吠えている場合です。何かを警戒したり要求するようなタイミングでもなく、辛そうな鳴き声を上げている場合には、何らかの身体の不調を訴えていることが考えられます。一般的に、犬は痛みに強い動物です。
また、野生のころの本能から、怪我や病気を敵に知られると命の危険に直結するため、ぎりぎりまで不調を隠そうとするものです。そんな犬が声を上げるほどの痛みとは、相当なものだと考えていいでしょう。排泄物の異変や食欲減退、身体の一部を触ると嫌がったり怒ったりするなど、他にもおかしいと感じる点があった場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。
5.認知症を発症している
また、シニアの犬が突然吠えるようになった場合には、認知症を発症している可能性があります。特に認知症の場合には、昼夜の区別がつかなくなり、夜中に無駄吠えをくり返すことが知られています。他にも、一方向(右が多いといわれています)にぐるぐると旋回をする、粗相が増えるなども認知症の一般的な症状です。特に柴犬などの日本犬や、日本犬ミックスの雑種犬では、認知症の発症率が高いとされています。投薬で症状を抑えるなどの方法もありますから、悩みすぎてしまう前に動物病院に相談することをオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?言葉を持たない犬にとって、吠えることは自己主張のための重要な手段です。その裏にどのようなメッセージが隠されているのか、飼い主さんは注意深く読み取り、的確に対処していくことが求められます。