犬が寝ているときの不思議な行動
静かに寝ていると思ったら突然愛犬が足をジタバタと動かして走る仕草をしたり、尻尾を振ったり、「ワウワウ」「クンクン」などと寝言を言ったりすることがあります。声や物音が聞こえて振り向くと目をつぶって寝ているので「あれ??」と思ってそのまま観察していると、眠ったまま体を動かしていたり声を出していたりしてびっくりしたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?中には寝言というよりもかなりはっきりと「ワンッ!!」と吠えたりすることもあって驚かされることもあります。
また、手足をピクピクと震わせていたり白目をむいたり口元を引きつらせていたりすることもあると思います。このような筋肉の動きは起きているときでも犬が自らの意思でするものではないので、寝ているときに見られる場合も無意識に起きているものだと考えられています。
寝ながら走る犬は夢を見ているの?
寝ているときの白目など顔の筋肉の動きは無意識に起きていることがほとんどだとされていますが、明らかに走っているような仕草や尻尾を振っている様子を見ると「夢でも見てるのかな?」と思ってしまいますよね。
実は犬が夢を見ているかどうかについては、現時点では科学的な証明がされていないためはっきりとしたことはわかりません。人間が夢を見ているのは、眠りが浅く脳が起きている状態の“レム睡眠”のときだということがわかっており、夢を見ているときに脳のどの分野が活性化しているかということもMRI検査によってある程度判明しています。しかし犬の場合は寝ているときに頭の中で映像を見た=夢を見たということを言葉で伝えることができませんし、全身麻酔なしにMRI検査をすることができないので単純に眠っているときの脳の動きを調べることが難しいとされています。
犬が寝ているときに夢を見て走る仕草をしたり寝言を言っているかどうかはわかりませんが、犬の脳内でも人間と同じようにその日に起きたできごとや感情、記憶などを寝ている間に整理していると考えられているため、たくさん遊んだ日や興奮するようなことがあったときなどにそのような行動が見られるのではないかとも言われています。
犬が寝ながら動いていたらどうする?
犬が寝ているときに走る仕草をしたり動いているとほほえましく感じますが、初めて見たときや動きがあまりにも激しいときなどには「大丈夫かな?」と心配になってしまうこともあると思います。足を動かして走っている仕草をしていたり尻尾を振っている程度であれば特に気にする必要はないと思いますが、寝ているときの動きが頻繁に見られたり、長時間に及ぶ場合、声をかけても起きない場合などには脳や神経系の病気が疑われることがあります。特にけいれんのような動きを見せているときに全く起きる様子がない場合はてんかん発作の可能性などもあるので注意が必要。
走っている様子や尻尾を振る仕草と病気によるけいれんなどは異なるものなので多くの飼い主さんが「何かおかしい」と気がつくと思いますが、どちらかだかわからず少し心配というときには動画などを撮っておいて動物病院で相談してみるといいでしょう。
まとめ
犬が寝ているときに動いたり寝言を言ったりしている姿を見ると「どんな夢を見ているんだろう?」などと想像してとても楽しくなりますよね。こうした行動に正確な理由は判明していませんが、やはりその日にあったできごとなどが関係しているのではないかと考えるのが自然だと思います。楽しい夢を見ている最中かもしれませんので、寝ているときの不思議な行動が見られたときは起こさずそっとしておいてあげてくださいね。ただし、あまりにも動きが激しい場合や様子がおかしいと感じたときには動画を撮っておくなどして動物病院で相談してみると安心です。