『こんなはずじゃなかった…』
犬の選び方は人それぞれです。犬の選び方に「これが正しい!」という明確な正解はありません。小型犬を選ぶのか、大型犬を選ぶのか。短毛の犬を選ぶのか、長毛の犬を選ぶのか。運動量の少ない犬を選ぶのか、運動量の多い犬を選ぶのか。どんな選び方をしても間違いではありません。しかし、犬と人の相性が悪ければ、犬も人も不幸になってしまうだけです。犬をアクセサリーやステータスのように考え、見た目だけで選ぶ人もいます。夢のマイホームを建てたら犬を飼う、という安易な夢を持つ人もいます。しかし、「こんなはずじゃなかった…」と、犬のお世話を怠ったり、手放す選択肢をする人がほとんどです。
犬を見た目だけで選んで飼うリスク①「お手入れにかかる手間や費用」
毎月のトリミングに「通う」のと「通わない」のとでは、お手入れにかかる費用が大きく違います。犬種やサロンやトリマーによって異なりますが、シャンプーからカットまでの全てのお手入れをしてもらうとなると、一回のトリミングにかかる費用は3000円から8000円ほどです。10000円を超えることもあります。
たとえば、被毛が伸び続ける犬種であるトイプードルは、毎月のトリミング(被毛のカット)が欠かせません。みなさんがよくご存知のトイプードルのあの姿は、トリミングで被毛をカットした姿です。カットした姿を本来のトイプードルの自然な姿だと勘違いし、その見た目の可愛さだけで飼ってしまい、費用が払えないから手放す、という選択肢をされた方がたくさんいらっしゃいます。
サラサラの長毛でフワフワな姿が可愛いポメラニアンですが、その姿は、毎日のお手入れがあってこそです。お手入れがされていない長毛のポメラニアンは、お尻周りがおしっことうんちでひどく汚れていて、悪臭もします。ブラッシングをされずにいたため、被毛の根本には毛玉が大量にできています。
見た目が可愛く美しい犬ほど、毎日のお手入れやケアが欠かせません。ご自身で出来ないお手入れやケアは、費用をかけてプロにお願いするしかありません。可愛さを保つためには、手間と時間と費用が必要だということです。
犬を見た目だけで選んで飼うリスク②「犬を不健康にしてしまう」
“小さくて可愛らしい犬よりも、大きくてカッコイイ犬が良い”と考える方もいらっしゃるでしょう。犬の身体能力の素晴らしさをご存知でしょうか。小型犬であろうと、大型犬であろうと、犬本来が持つその身体能力と体力を十分に満たしてあげなければなりません。大型犬であれば、毎日、最低でも朝夕30分以上のお散歩が必要だとされています。あなたには、一緒に運動やお散歩をしてあげられるだけの体力があるでしょうか。大型犬ばかりではありません。超小型犬や小型犬の中にも、身体能力の高さから、大型犬と同じくらいの運動量を必要とする犬種もいます。運動不足である犬は、心に大きなストレスを抱えています。身体能力や体力を十分に満たすことができず、肥満などの生活習慣病を抱えてしまうリスクが高いです。吠える・飛びかかる・噛みつくなどの問題行動を起こしやすくなります。心も身体も不健康にしてしまいかねません。
まとめ
犬を見た目だけで選んでしまったことによって、
- 費用
- 健康
この2つに大きな影響を与えてしまうことがほとんどです。必要な費用を作ることができず、適切な飼育をすることができない、だから捨てる、保健所へ連れて行く。不健康のため病気になり、苦しみながら亡くなっていく。こういった犬をたくさん見てきました。犬を選ぶときは、見た目だけで判断してはいけません。犬それぞれに、性格もありますし、得意なこともあれば苦手なこともあります。選びたいと考えている犬がいるのであれば、その犬は、あなたの性格や暮らす環境やライフスタイルと合っているでしょうか。もしかすると、犬という生き物そのものが合わない、なんてこともあるかもしれません。