歯磨き好きにする方法①おいしいもの大作戦
犬に歯磨きを好きになってもらうために最も効果的なのは“おいしいもの”を使うトレーニング方法です。「歯磨きをするのに食べ物を使うの?」と疑問に感じる人も多いと思いますが、歯磨きを好きにさせるための第一段階では、“歯をきれいにすること”よりも口の中を触られることにいいイメージをつけることを優先して考えるといいでしょう。
犬には歯磨きをする意味もメリットも理解できませんし、口の中に歯ブラシや指などを入れられることに対して強い抵抗を感じるのも当然のことだと思います。そのため、まずは口の中を触られることや口の中に何かを入れられること自体を抵抗なく受け入れられるようにしてあげると、歯磨き嫌いになることを防ぐことができるのです。はじめから硬い歯ブラシを口の中に入れると嫌がりやすいので、まずは飼い主さんの指が歯に触れることに慣らしていきましょう。その際に指の先にチーズのようなおいしいものやいいにおいがするものをつけておくと「口の中を触られるとおいしい味がする!!」といいイメージをつけることができます。これは初めて歯磨きの練習をするときやすでに歯磨きが嫌いになってしまっている場合に特に有効だと思います。
歯磨き好きにする方法②スキンシップで“ながら”歯磨き
犬の中には口の周り、マズルを触られたり顔を押さえられたりすることが嫌いな犬が多くいます。それらに慣らすためには毎日のスキンシップの一環として口周りや顔を触ったり軽くつかんだりする練習をするといいでしょう。
「これから歯磨きをするぞ!!」と飼い主さんの方にも気合が入ってしまうと犬も身構えやすいので、犬が飼い主さんの膝の上や横でゆったり休んでいるリラックスタイムなどに軽く口周りをマッサージしたりしながら慣らしていくと抵抗なく受け入れられるようになっていくでしょう。
テレビを見ている時間や遊んでいる合間などに気軽に練習することで、犬も緊張感なく受け入れやすいと思います。ただ触るだけから少し唇をつまむ、とレベルアップしたり、触る時間を長くしていったりして、実際の歯磨きの動作に近づけるようにしていきます。ここで大切なのは犬が嫌がらない強さや触り方をするということ。口の周りをマッサージしたり触られることで「気持ちいいな」と犬に思ってもらえるよう意識しましょう。
おいしいものを指につけても口の中や歯を触られるのを嫌がる子では、このようにまずは口周り、唇に触らせることから始めます。リラックスした状態で触られることに慣れさせる以外にも、触らせたらおやつや遊びなどのごほうびをあげ、触られることを楽しいことと結びつけます。
歯磨き好きにする方法③毎日短い時間の習慣づけ
口の周りを触られたり、口の中に歯ブラシを入れられることに犬が慣れてきたら、少しずつ歯を磨いていくようにしましょう。実際に歯にブラシやガーゼなどを当てて動かすと、痛みや不快感を感じてまた嫌がるようになる犬もいると思います。ここで無理やり押さえつけて歯磨きを続けてしまうと歯磨き嫌いになってしまうので、犬が嫌がる前に終わらせるようにするのが大切です。
毎日すべての歯を磨こうとするとどうしても時間が長くなってしまいがちで、「あと少し、もう少し…」と無理強いしてしまうことがあるので、1日1本でも磨ければOKくらいに考えて気軽な気持ちで歯磨きをしていきましょう。犬の歯垢は3日で歯石になってしまうそうです。1週間に1回まとめてしっかり磨くよりも、毎日サッとでも磨く方が歯をきれいにするという点でも歯磨きを嫌いにさせないという点でも効果的です。ほんの少しでも歯磨きができたらごほうびをあげて、少しずつ1回の歯磨きの時間を延ばせていければ良いでしょう。
まとめ
一度嫌いになってしまったものを好きにさせるというのは時間と労力のかかることです。それは歯磨きについても同じことが言えるでしょう。そのため、まずは歯磨きを嫌いにさせないことが大事で、時間をかけてでも少しずつ慣らしていって歯磨き好きにしてあげることをおすすめします。歯磨きが好きな犬であれば飼い主さんの苦労も少なく、毎日短い時間でサッとできるケア習慣が簡単に身につくと思います。
すでに歯磨きが嫌いになってしまっている犬であっても、ここで紹介したことを出来ることから始め、根気よく続けていくことで少しずつ歯磨きに対するマイナスイメージをなくしていきましょう。時間がかかったとしても諦めずに少しずつ慣らしていくことにチャレンジしてみてくださいね。
ペースト状のおいしいおやつも有効ですが、犬にとっておいしく作られている歯磨き粉もあります。また、歯磨き粉には舐めるだけで歯垢の付着を軽減させる作用を持つものもありますので、ご自分のわんちゃんにとっておいしい上に舐めるだけでも良い働きをしてくれる歯磨き粉が見つけられると良いと思います。