犬が拾い食いで死ぬ可能性
犬は食いしん坊なので散歩中に食べ物があるととっさにパクっ!と食べてしまうことがあります。そんな身近に潜む拾い食いには危険がいっぱいです。
例えば……
- 串や骨の付いたものを食べて喉や内臓に突き刺さる
- 犬にとって有毒なもの(チョコや玉ねぎなど)を食べてしまう
- 食べ物と間違えてプラスチックの欠片を飲み込んでしまう
- 故意的に毒を仕込まれたものを食べて中毒を起こす
など
犬が道端に落ちているものを食べることで、『中毒を起こす』『のどや内臓を傷つける』『腸内閉塞になる』といった様々な危険に出くわしてしまうことがあります。拾い食いはどれも危険だといえますが、最も気をつけなければいけないのが『故意的に毒物を交ぜられたもの』です。
残念ながら昔から度々、”故意的に毒物が交ぜられたものを犬が食べて死んでしまう”、といった事件がニュースで取り上げられることがあります。そういったニュースを見て「私と愛犬は大丈夫~」と感じるかもしれませんが、心無い人が農薬や有害な薬物などを使用して動物の命を奪うという行為は、ある日突然起きてしまいますし、犬の命を奪えるものは簡単に手に入ってしまうのでどこで起きても不思議ではないので油断は禁物といえるでしょう。
今回は『故意的に毒物を入れられたもの』に対する拾い食いの危険性がどれほど恐ろしいかを感じてもらうために、過去にあった事例をご紹介したいと思います。
過去にあった事例4選
1.公園にあったドッグフードを食べて犬が亡くなる
2019年5月13日の夜、大阪市生野区にある公園『北鶴ふれあい公園』での出来事です。夫婦が犬と一緒に散歩をしていたところ、犬が公園内の茂みの中に頭を入れて何かを食べたそうです。そこにあったのはドッグフードが入った容器でした。
また、その容器の中はフード以外にも液体が一緒に入っていたそうです。後から判明したのですが、その液体とは車の不凍液などで使用される『化学物質エチレングリコール』だったそうで、エチレングリコールを含んだドッグフードを食べたことが原因となり、犬は翌日の14日未明から嘔吐と衰弱といった症状が出始め、21日に腎不全で亡くなってしまったそうです。また、5月25日にも同じように液体に浸されたドッグフードが見つかったのだとか……。犯人が見つかっておらず、今後も同じような犯行を行う可能性がとても高いと言わざるを得ないですね……。
2.道端に落ちていたソーセージを食べて犬が亡くなる
2016年11月18日和歌山県のとある路上にて、落ちていたソーセージをが拾い食いした犬が亡くなってしまったそうです。ソーセージの中には農薬が注入されていたようで、明らかに故意的なものでした。
使用されていた農薬は劇物として知られる『メソミル』というものだったそうです。実はこのメソミルは登録された販売者しか販売できないほど危険なもので、購入する時にも身分証明書が必要となるほどのものらしいです。一体どういった気持ちで故意的にソーセージを道端に置いたのか……理解に苦しみますね。
3.河川敷に落ちていた食べ物を拾い食いし11匹の犬が被害にあう
山梨県甲府市にある荒川河川敷では、落ちていた唐揚げを犬が拾い食いしてしまった結果中毒死してしまったそうです。この事件の酷いところは被害にあった犬がたくさんいたことです。なんと、2007年10月21日から2008年1月7日までの間に合計11匹もの犬が河川敷に落ちていた唐揚げやチーズなどを食べて、泡を吹いたりけいれんをするなどの中毒症状を引き起こしてしまいました。この事件では11匹の犬が中毒症状を起こし、そのうち1匹の犬が命を亡くなってしまったそうです。
食べ物には青い粉が埋め込まれていて、調べたところカルバメート系殺虫剤だったそうです。このカルバメート殺虫剤は犬より大きな体格の人間が摂取した際にも嘔吐やけいれん、意識混濁、なかには死に至るほどの症状がでる危険なものとなります。……なんとも許しがたい事例といえますね。
4.毒入りパンを食べた犬が命を亡くす
2009年8月27日、熊本県の白川堤防沿いを1人の男性と犬が散歩していた所、犬が落ちていたパンを見つけて食べてしまったそうです。食べた直後は何の異変もなかったそうですが、自宅に帰った時に嘔吐し、それから約2時間半後に犬は命を亡くしてしまいました。飼い主の男性が急死した愛犬を不審に思っていたところ……、29日にも愛犬がパンを食べた場所付近で同じようなパンを発見したため、警察に届け出をだしたそうです。
調べたところパンには無臭で緑色のジャムのようなものが挟み込まれていたそうです。ニュースでは鑑定して成分を調べると書かれているだけで、緑色のジャムのようなものが何なのかは分かりませんでしたが、十中八九殺虫剤などの毒物で間違いはなさそうです。明らかに命を奪おうとしている行為に怒りを感じずにはいられませんね。
まとめ
今回は拾い食いの危険性を知ってもらうためにあえて酷い事例をご紹介させていただきました。恐ろしいことに今回ご紹介したもの以外にも、故意に毒物を仕込まれたものを犬が拾い食いして被害に遭っている事例はたくさんあります。まさに氷山の一角といえるでしょう。ほとんどの場合犯人は見つかっておらず、また、同じ場所で何度も繰り返すという事例も数多くあるというのも危惧するところといえます。
犬の拾い食いはしつけを行うことである程度防ぐことができますが、犬の大好物である”お肉”などが道端に落ちていると、しつけをしていても咄嗟に食べてしまうことが少ならからずあると思います。ですので、少しでも拾い食いの危険性を低くするための対策として外出中は飼い主が出来るだけ『これから通る道』の地面をじっくり観察して、あらかじめ危険な物がないか確認するようにしてあげてください。そうすることで拾い食いする行為をかなり防ぐことができるといえます。ぜひとも愛犬の安全をしっかり確保しながら散歩してあげてくださいね。