食物繊維は犬にも大切な成分
私たち人間は、食物繊維をしっかり摂取するよう推奨され、食物繊維豊富な食品はヘルシーだと認識しています。5大栄養素に続く第6の栄養素と呼ばれることもあり、健康のために欠かすことができないものです。
犬の場合も人間同様に食物繊維を摂取することでメリットがあります。他の栄養素と違って推奨される1日の摂取量は定められていませんが、適切なタイプの食物繊維を適切な量摂ることは、犬の健康をサポートするのに大切です。
食物繊維の種類とそれぞれの働き
食物繊維は水溶性と不溶性の2つのいずれかに分類されます。その名の通り、液体に溶けるかどうかがその違いです。
水溶性食物繊維の代表的なものは果物や野菜類に含まれるペクチンです。
水溶性繊維は消化管を通過する際に水分を吸収してゲル状物質に変化します。このゲル状物質が血液への糖の吸収を遅くすることで血糖値の上昇を緩やかに抑えます。
また犬が下痢をしている時に水溶性食物繊維を摂ることで消化管内の水分を吸収し消化プロセスを遅くするため、下痢のコントロールを助けます。
消化器サポートの療法食フードに食物繊維が多く含まれているのはこのためです。
腸内細菌のエサとなり、良好な腸内環境を保つためにも必要です。
不溶性食物繊維の代表的なものは、野菜や豆類、全粒穀物などに含まれるセルロースです。
消化器で消化できず液体に溶けないため、消化管をほぼそのまま通過します。
不溶性食物繊維は便のカサを増やし、消化管の老廃物の通過を助けます。
一方で食物繊維の摂り過ぎは、ガスや膨満感の原因となったり、必要な栄養素の吸収を妨げて健康を害する場合もあるため、注意が必要です。
食物繊維は何から摂取すれば良い?
ドッグフードを与えている場合、適切な量の食物繊維が含まれているので、特に考える必要はありません。
ドッグフードの原材料で食物繊維の摂取源となるのは次のようなものです。
- ビートパルプ(砂糖大根=ビートの搾りかす)
- 米ぬか
- 亜麻仁
- トマトポマース(ジュースなどに使用したトマトの搾りかす)
- 豆類
- オーツ麦
- 大麦
- 玄米
- 果物、野菜類
- サイリウムハスク(オオバコ種皮)
また正確には食物繊維ではなく糖類ですが、水溶性繊維と同じような機能を持つイヌリンやオリゴ糖類も食物繊維にカウントされます。
手作り食の場合は、上記のような食品を参考にすることができますが、適切な種類と量について犬の栄養の専門家に相談して確認することが必要です。
また消化器系の慢性疾患がある場合は不溶性食物繊維が負担になったり、腎臓機能が低下している場合はリンを多く含む全粒穀物を避けるなどの注意事項もあるので、かかりつけの獣医師に相談してください。
まとめ
犬にとっての食物繊維の働きと気をつける点についてご紹介しました。
健康のために大切な食物繊維ですが、多ければ多いほど良いというものでもありません。
またドッグフードの原材料のうち、何が食物繊維源なのかを知っておくと「このフードを食べさせるとウンチが増えそうだな」とか「犬が満腹感を持つのはこのフードかな」などのことが推測しやすくなります。
大切な愛犬の健康のために、食物繊維と賢く付き合いたいですね。
《参考URL》 https://www.dogster.com/dog-food/fiber-a-friendly-food-for-your-dogs-health