ストレス発散方法①引っ張りっこ
おもちゃが好きな犬や飼い主さんと遊ぶことが好きな犬にぜひおすすめしたいのが、おもちゃを使った『引っ張りっこ』です。おもちゃの片側を犬にくわえさせ、その反対を飼い主さんが持って引っ張りっこをするというよく見られる遊びですが、実はこの遊び、犬の心身にとって非常にいい効果をもたらしてくれるものなのです。
犬が引っ張りっこをするときには噛む力だけでなく、前足でしっかりと踏ん張りながら後ろに下がるような姿勢で全体重を使うことになります。また、ただ後ろに引っ張るだけでなく、くわえたおもちゃを左右に振るなどの行動も見られます。これらは犬が持つ狩りの本能による行動ですが、それによって全身の筋肉をバランスよく使うことができるだけなく、本能が満たされることでストレスも発散されるのです。引っ張りっこをするときはおもちゃをくわえさせるときから“狩りの行動”を意識して、おもちゃを小動物などに見立てて細かく動かして犬につかまえさせるとより本能が刺激され、犬にとって満足感の高い遊びになるでしょう。
ストレス発散方法②かくれんぼ
家の中でできるストレス発散に最適な遊びの二つ目が『かくれんぼ』です。家の中で犬に“待て”をさせてソファやカーテン、ドアの影などに姿を隠し、犬を呼びます。そして飼い主さんのいるところを見つけることができたら、思い切りなでてほめてあげてください。はじめは犬もかくれんぼのルールがわかっていないと思うので、待てずについてきてしまったり姿が見当たらない場合に探すことをしなかったりということもあると思います。そのため、最初は体を半分だけ隠して簡単に見つけられるようにしたり、待ちきれずにフライングをしたりしてしまっても飼い主さんのところに来れたら、ほめてあげるようにしてルールを教えてあげるようにしてください。
かくれんぼのルールを理解して簡単に飼い主さんの居場所を見つけることができるようになったら、隠れていない場所のドアも開けたり、隠れている部屋の電気を消しておいたりして難易度を高めていくと、より見つけたときのうれしさもアップするでしょう。また、かくれんぼは単純に体を動かすだけでなく隠れ場所を予測するなど頭も使う遊びです。頭を使うことは体を動かすのと同様に適度な疲労を感じるものなので、暇を持て余してストレスを溜めている犬にとって最適な発散方法。さらに、“待て”や“おいで”のトレーニングも楽しみながらできるので大変おすすめです。
ストレス発散方法③宝さがしゲーム
犬のストレス発散方法として最後に紹介したいのが『宝さがし』です。このゲームは犬の嗅覚を使って宝=おやつやおもちゃを探させるゲームで、近年では『ノーズワーク』という名の新たなドッグスポーツとしても注目されています。まずは犬に待てをさせて、犬が見ている前でおもちゃやおやつを隠します。そして「探して」などの合図で犬を送り出して宝を見つけさせるのです。徐々に隠し場所の難易度を上げていくことで犬はさらに頭を使うようになり、獲物を探し出す本能が刺激され、満足感や充実感を得ることができるのです。ノーズワークほど本格的ではなくても、宝さがしゲームであれば家で簡単にできるので雨などで散歩に行けないときのストレス発散として、ぜひ試してみてほしいと思います。
まとめ
犬の散歩は1日2回、それぞれ少なくとも30分以上することが理想的だと言われますが、やはり様々な事情から毎日その通りにはできないということもあるでしょう。犬の散歩の目的には、体力づくりとともにあらゆる刺激に触れて社会性を身につけることなども挙げられます。家の中では十分に歩いたり走ったりすることはできないかもしれませんが、引っ張りっこしてふだんは使わない筋肉を動かしたり、頭を使った遊びや本能を刺激したりする遊びで充実感を与えることは十分に可能です。
その他に飼い主さんが犬にマッサージをしてあげたりたっぷりスキンシップを取ったりすることもおすすめです。散歩に行けないからこそ、ふだんとは違う遊びや関わり方をぜひ考えてみてくださいね。