どんなときに『ぶりっ子』だと感じる?
そもそも『ぶりっ子』の定義は「主に女性が異性の前などで無知なふりや非力なふりをして甘えている様子や、わざとらしく女性としての可愛さや愛らしさをアピールする様子」だとされています。具体的には上目遣いをしたり、スキンシップを多く取ったり、構って欲しそうに様子を伺ってくることもぶりっ子の特徴だと言われますが、実はこうした態度・行動は犬にも多く見られるものだと思いませんか?
飼い主さんはもちろん、飼い主さんの家族や友人などにすり寄ってお腹を見せたり、クンクンと鼻を鳴らして甘えたりする姿を見ると「甘えてるなぁ」と感じると思いますが、それが人によって態度が違ったりすると『ぶりっ子』だと感じやすいようです。犬にもそれぞれ人間にたいして“好きなタイプ”があり、若い女性やよく遊んでくれる大らかな男性などは犬からモテる傾向にあります。
他の人にはそっけない態度を取るのに、好きなタイプにだけべたべた甘える様子を見るとやはり『ぶりっ子』という感じが否めませんよね。
犬が『ぶりっ子』をするのはどういうとき?
犬が『ぶりっ子』に見える態度・行動を取るのはやはり甘えたいときや構ってほしいときが多いでしょう。また、いたずらをしたり叱られたりしそうな場面のときにごまかすためなどにも『ぶりっ子』のような態度を示すことがあります。
実は犬が甘えるときなどに見せる上目遣いは「進化」によって得られたものだと言われています。イギリスの大学の研究チームが、人間が近づいたとき犬が眉の内側を寄せて上目遣いの寂し気な表情を見せることに注目し、そうした表情を多く見せる犬ほど飼い主が見つかりやすいということがわかりました。人間とともに生きる中でより可愛がられ、食べ物を与えてもらうために目のまわりの筋肉が発達し、野生の動物では見られない上目遣いという表情を獲得したのです。
人間は表情が豊かな犬ほどコミュニケーションが取りやすいと感じ、可愛がる傾向にあるため、『ぶりっ子』に感じられる甘えた態度・行動も学習や進化によって身についているのかもしれません。
犬が『ぶりっ子』をしているときはどうする?
犬があからさまに甘えて『ぶりっ子』をしているとき、甘えられた方がどのような態度を取るといいのでしょうか?犬が好きな人にとっては甘えてくる姿というのはとてもかわいらしいものですし、たっぷり甘やかしたくなってしまいますよね。
もちろん飼い主さんの手が空いているときやリラックスタイムなどであればそれでも問題ありませんが、いたずらをした後などに叱られることを回避するために『ぶりっ子』をしているような様子が見られたら注意が必要です。いたずらの後に上目遣いで見つめたり、体を押し付けて甘えたりしてくるときなどに「もう、しょうがないな(かわいいから許してあげちゃおう)」はNGです。そうすることで犬は『ぶりっ子』をすれば許されると勘違いしてしまい、いたずらや問題行動が助長されてしまうことがあるのです。
そのような場合に『ぶりっ子』をしていたとしても毅然とした態度で無視をし、笑顔になったりなでたりしないようにしましょう。注意すべきことはしっかりと注意し、「今はぶりっ子しても意味ないよ」と伝えるようにするのです。
まとめ
人間のように犬が意識して『ぶりっ子』をしているということはあまりないかもしれませんが、犬という動物は「自分にとって損か得か」ということを判断基準として人によって態度を変えることがあるため『ぶりっ子』のように見えてしまうことが少なくありません。
また、人間にように周囲の目を気にして誰にでも平等に接するという意識などはありませんから、より顕著にその態度が示されることも少なくありません。犬が『ぶりっ子』のように甘えた姿を見せるのはとても可愛いものですが、叱らなければならない場面などでは惑わされることなく毅然とした態度で接するようにしてくださいね。