成犬のしつけは本当にできる?
犬のしつけというと、どうしても子犬のときからやらなければならないと思われがちで、成犬になってしまうと“もうしつけはできない”と諦めてしまう人も多くいます。しかし、しつけというのは何歳になってからでもすることができるものです。成犬のしつけは難しいと思われることもありますが、子犬に比べて成犬の方が精神的に落ち着いていてしつけやすいという場合もあります。また、理解力や学習能力が発達していることから、しつけの進みが早いということも。
もちろん子犬のときのしつけと成犬のしつけでは、同じことを教えるとしても方法が違ったりかかる時間が異なったりします。また、成犬の場合は飼い主にとって困るような問題行動やくせがついてしまっていることが多く、子犬に比べてしつけに時間がかかったり、思うように進まなかったりすることもあります。そのようなことから成犬のしつけをしようと思ってもうまくいかずに諦めてしまう人が多いのだと思います。そのため成犬のしつけをするには、成犬のしつけのコツやポイントを知ることがとても大切なのです。
成犬を家に迎えたときのしつけ方法
成犬のしつけが必要になるタイミングのひとつとして、成犬を愛犬として迎えるという場合が考えられます。近年では保護犬を引き取る人なども増えてきており、成犬のしつけの必要性が高まってきていると思います。実際、保護犬の里親になりたいと思っても成犬のしつけに不安があって一歩踏み出せないという声が多く聞かれます。そんな心配を抱えている人にはぜひ成犬でもしつけはできるということを知ってほしいのです。
成犬を家庭に迎え入れたとき、するべきしつけは子犬と特に変わりはありません。人間に対する強い攻撃性など特別大きな困りごとがない場合は、家の中でトイレトレーニングやハウストレーニングなど快適な生活に不可欠なしつけを行っていきます。また、おすわりや待てなどのオビディエンストレーニングを行う前段階として、名前をしっかりと覚えさせたりアイコンタクトを取れたりするようにすることも必要です。
どのような状況で成犬を引き取るかによっても異なりますが、すんなり家庭のルールを理解することができる犬もいれば環境の変化に大きな戸惑いを見せ、なかなかしつけが進まないということもあるでしょう。しかし、そうしたときにもじっくり時間をかけて焦らず取り組むことが大切。特に複雑な背景を持った成犬を引き取ることになった場合などはイライラして感情的に叱ったり、急かしたりすると飼い主さんに対して不信感を持ってしまい、しつけどころではなくなってしまうこともあるので、しっかり愛犬のペースに合わせてあげることが重要なポイントです。
成犬の問題行動をしつける方法
成犬のしつけで難しいと考えられるのが、吠える・噛む・引っ張る・破壊行動など飼い主さんが困るようなことや他人に迷惑をかけるようなことが定着してしまっている場合です。そうした問題行動は時間が経てば経つほど改善するのにより時間がかかってしまいます。人間でも同じですが、長年染みついた行動やくせというのはなかなかやめることができないものです。ましてや犬の場合は自ら「やめなくてはいけない」という気持ちを持っていない状態なので、しつけのモチベーションを高めること自体も難しいのです。
しかしながら時間をかけてスモールステップで段階を踏みながら行っていけば十分しつけをすることは可能で、完全に問題行動がなくならないとしてもしつけをしないでいるよりはずっといい状態になるはずです。成犬の問題行動は放っておくとどんどん悪化してしまうことがあるので、気になる行動やくせがあるときは、できるだけ早くしつけに取り組むことが大切です。
まとめ
成犬のしつけは難しいと思われて諦めてしまうことも多いようですが、成犬でも子犬と同じようにしつけをすることが可能です。実際筆者の愛犬は1歳をとっくに過ぎてから我が家に来た飼育放棄犬で、過去のことが全く分からない状態でした。そのため“何ができて何ができないか”ということや“どんなことが苦手なのか”ということを把握することから始め、どんなしつけが必要かということを考えました。そしてまず何もしつけがされてない子犬と同様に、トイレトレーニングやハウストレーニング、そして社会化を行いました。子犬の場合はどんどん進む社会化も成犬の場合は不安感や恐怖心を持っていることがあるため一進一退と言うこともありますが、ここも焦らずじっくり行うようにしなければなりません。
多少時間がかかるものの、成犬でも子犬のしつけと同じように取り組んで問題ありません。ただし、しつけを勧めることばかりに注力せず、愛犬の性格やペースに寄り添って信頼関係を築くことを忘れずにしましょう。
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20代 男性 匿名