1.犬の登録と狂犬病予防注射
次の3つは、法律によって義務付けられている、飼い主の義務です。
- 現在、居住している市区町村へ、飼い犬の登録をする。
- 飼い犬に、年一回の狂犬病予防注射を受けさせる。
- 犬の鑑札と注射済票を、飼い犬に装着する。
なぜ、市区町村へ、飼い犬の登録をしなければならないのか
「その犬は、誰が所有している犬なのか。」ということを明確にすることが目的です。居住地が変更になる場合は、移転先の市区町村への届出が必要になりますが、基本的には、登録は一生涯に一度きりです。
なぜ、狂犬病予防注射を受けさせなければならないのか
狂犬病は、基本的には、発症してしまうと、完治が難しい病気です。もし、愛犬が狂犬病を発症してしまったら、救命できる可能性はほとんどありません。日本では、1957以降、動物が狂犬病を発症した症例はありませんが、海外から持ち込まれる可能性があります。年に一回の予防注射を受けることで、確実に防ぐことができる病気です。
なぜ、鑑札と注射済票を付けなければならないのか
居住している市区町村へ犬の登録を済ませると、「鑑札」が交付されます。また、狂犬病予防注射を済ませると、「注射済票」が交付されます。登録されている犬であるということと、狂犬病予防注射を済ませているということを、証明するためのものです。また、鑑札には「犬の登録番号」が記載されています。もし、愛犬が迷子になってしまったとき、確実に飼い主さんの元へと帰ることができます。首輪やハーネスに付けておきましょう。
2.動物愛護法(飼養動物一般)
基本原則について
- 動物をみだりに殺してはいけない
- 動物をみだりに傷つけてはいけない
- 動物をみだりに苦しめてはいけない
- 人と動物の共生に配慮する
- その動物の習性を考慮する
- その動物を適正に取り扱う
例えば、犬には「吠える」という習性があります。犬の本能でもあります。人間にとっては無駄吠えかもしれませんが、犬は理由があって吠えています。うるさいからという理由で、吠える犬を傷つけたり、苦しめたり、習性を考慮しない扱いを行ってはいけませんよ、ということです。犬が吠えることは、本能であり習性であるということ理解し、「なぜ吠えているのかな?」と考え、よく愛犬と向き合ってみましょう。
第五条
- その動物の所有者としての責任と自覚を持つこと
- その動物の健康保持を行うこと
- その動物が他者に危害を与えないように努めること
- 感染症疾病の知識を得ること
- その動物が自己の所有であることを明らかにすること
例えば、③は「しつけをしっかりしましょう」ということですよね。⑤は、先にご紹介した、犬の登録を行いましょう、ということです。
第二十条 犬および猫の繁殖制限
- みだりに繁殖をさせないこと
- 適正な飼育が困難となる恐れがある場合には、繁殖を防止する手術や処置に努めること
不妊手術や去勢手術は強制ではありません。しかし、繁殖しすぎてしまい、適正に飼育することができなくなってしまっては、その動物を不幸にしてしまうだけです。手術を行わない場合には、みだりな繁殖が行われないように飼育すること、もしくは手術を受けさせましょう、ということです。
3.各都道府県または各市区町村で定められている条例
みなさんがお住まいの地域には、「犬の飼い方」についての条例があることをご存じでしょうか。犬取締り条例などと呼ばれています。
- 他人に危害を加えることがないよう、確実に繋いでおくこと
- 健康状態に応じた、運動をさせること
- 犬を飼っている、という旨の標識を、家の前に提示すること
- 散歩の際、咬む恐れがあるのであれば、口輪を用いること
- 公共の場に害を与えないこと
- 糞を持ち変えること
例えば、このような条例があります。③であれば、玄関の扉などに「犬」と書かれたシールが貼られているお宅もありますよね。「猛犬注意!」と書かれた札があるお宅もあります。犬のシルエットが描かれたシール等でも良いと思います。お住まいの地域では、どのような条例や決まりがあるのか、改めて確認してみてはいかがでしょうか。意外と知らないことがあるかもしれません。
まとめ
ご紹介した内容は、飼い主として、最低限の義務です。法律で定められているものもあり、守ることができなければ、愛犬を失ってしまうことになるかもしれません。
- 適正な食事を与える
- 感染症や病気の予防に努める
- 愛犬の健康状態を把握する
- 適正に飼育できる環境を与える
- 排泄物を適正に処理し、持ち変える
- 亡くなるときまで責任を持って飼育する
こういったことも、飼い主としての義務です。犬や動物と暮らすということは、決して安易なことではないですよね。