1.贅沢な誕生日ケーキ
愛犬の誕生日に犬用のケーキを用意してお祝いする飼い主さんもおられると思います。実際、少し大きめのペットショップでは可愛いデザインの犬用のケーキを販売していますし、通販でも購入することができます。
ただ、人間の子供と違い、犬には「今日が特別な日だから、おいしいケーキが食べられる!」という人間側の事情など、理解できないと思います。「特別な日だからお祝いしたい」と言う気持ちは十分理解できますが、「犬用のケーキ」や「犬用のおせち料理」は人間の自己満足に過ぎません。
2.贅沢な写真撮影
お子さんのおられるご家庭なら、お宮参り、七五三、成人式など、成長の節目に家族で写真撮影をすることがあり、それは家族として過ごした時間の記録になります。人間の子供は、大人になると家を離れたり、姿も赤ちゃんから成人へと時を経て家族の形も姿も変わったりするので、記録に残しておく意味があります。最近では、ペットも家族だから、ということでペットも一緒に撮影できる写真スタジオもあります。
私は、家族の一員として愛犬と家族とが一緒に写った写真を残すのは、とても意味のあることで、贅沢だとは思いません。けれども、成人式を迎えた娘さんを撮るように、あるいは、グラビアアイドルのように衣装を何度も着せ替えて、長時間動きを制限して写真を撮影するのは、飼い主さんの自己満足のように思います。
3.贅沢な服
愛犬にドレスを着せたりするのは、完全に飼い主さんの自己満足です。ただし、飼い主さんが愛犬の愛らしい姿を見て微笑み、喜んでいる姿を見て、「自分が飼い主さんを喜ばせている!」と感じて、幸せを感じることもあるでしょう。
愛犬が迷惑がっているか、飼い主さんの喜びを自分の喜びとして感じているかは、愛犬の表情や素振りを見ればわかるはずです。素敵なドレスを着せても、嫌がりもせず、尻尾も振らずに憮然とした表情で、「早く脱がせてくれたらいいのに」とでも言いたげな顔つきをしていたら、素敵なドレスは愛犬にとっては全く不必要な「贅沢」と言えそうです。
4.贅沢なペットホテル
仕事や旅行などで家を留守にするとき、愛犬をペットホテルに預けることがあると思います。大切な愛犬を預けるのだから、愛犬が安全で快適に過ごせ、セキュリティがしっかりしていて、寂しい思いをすることのないお店を選びたいと飼い主さんが考えるのは当然です。
ですが、ペットホテルを選ぶ際に「値段が高いからよいサービスを受けられる」「このペットホテルは、オシャレで有名だから、このお店を利用すると自慢になる」と言ったような理由で、ペットホテルを選ぶのは飼い主さんの自己満足です。
どんなに高級でもオシャレでも、どんなにスタッフの人が親切で優しくても、ペットホテルは、犬にとって自分の家ではありません。そんな場所で、家族ではない人たちや知らない犬のニオイを感じながらお留守番をしている愛犬の気持ちを考えてみましょう。愛犬にとって、高級なペットホテルに預けられて過ごすよりも、飼い主さんの側にいる方がずっと幸せなことなのです。
5.贅沢な食事
カロリーの多い食事を与えることのデメリット
人間が食べて美味しいと感じる、脂身の多い肉や味の濃い料理などの食事が、犬の体にとって良いとは言えません。喜んで食べるから、と言ってカロリーや塩分の多い食事を与え続けると肥満、高血圧など様々な病気の原因になります。
良質な食事を与えることのメリット
犬の健康維持のために配慮された食事を与えることにより、体重が管理しやすくなり、腸内環境も整いやすくなります。愛犬に与える食事にこだわると、排便も気に掛けるようになるので何か異常があったときに早く気付くこともできます。
まとめ
私たち飼い主にとって、愛犬は何物にも代え難い宝物であり、大切な家族です。できる限りの愛情を注いであげたいとほとんどの飼い主さんが考えていると思います。けれども、「愛情=お金」ではありません。愛情の与え方は金額では測れません。犬に贅沢なモノを選び、与えるのは犬のためではなく、飼い主さんの自己満足と愛犬と過ごした時間を思い出にするためではないでしょうか。大切なのは、お金をたくさんかけるのではなく、愛犬にとって何が一番幸せで、嬉しいと感じるかを考えることだと思います。