ずっと食べていたフードを食べなくなった、そんな時
ドッグフード選びは多くの飼い主さんにとって悩ましい問題の一つですね。どんなフードでも喜んで食べるというタイプの犬なら良いのですが、小食で特定のフードしか食べないとか、好みのはっきりしているタイプの犬と暮らしている方にとって「これなら喜んで食べてくれる」というフードはとても貴重なものです。
また療法食が必要と言うほどではないけれど、特定のフード以外ではお腹や皮膚の調子が悪くなるという犬もいます。そのような場合はブランドを決めてずっと同じフードを利用しているという飼い主さんが多いでしょう。けれど、ある日を境に急にフードを食べなくなってしまったり、同じフードなのにお腹の調子が安定しなくなったりということは良くあります。その理由の一つとして考えられるのは、メーカーが原材料のレシピを変更した可能性があります。
ペットフードのレシピの変更について告知義務は無い
実はペットフードのメーカーが、原材料の配合や原材料そのものなどを細かく変更することは頻繁に行われています。ペットフード安全法では、ペットフードの名称、賞味期限、原材料名、原産国名、事業者名及び住所の5項目の表示を義務付けています。
公正取引委員会及び消費者庁の認定を受けた「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、上記5項目以外に、目的、内容量、給与方法、成分についても表示することになっています。
しかし「ペットフードのレシピが変更になります」と告知したり表示したりすることはペットフード安全法や「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では義務付けられていません。もちろん原材料が変更になれば原材料一覧の表示は変わりますが、告知がなければ以前の表示と現在の表示を見比べない限り、消費者には変更があったことは分かりません。
もちろんメーカーが内容の変更について告知を行う場合もあります。特にレシピのイメージがバージョンアップする場合には積極的に告知が行われます。しかしコストを安くして、利益を大きくするための変更の場合などは告知が無いことがほとんどです。
「あれ?フードが変わった?」と思った時の確認方法
「何となくフードの見た目や匂いが変わった?」「うちの犬が以前ほど喜ばなくなった」など、もしかしてフードのレシピが変わったのかなと感じた時には、メーカーのお客様相談室などに問い合わせをすることが一番確実です。電話だけでなく、メールやSNSなどでの対応をしているメーカーが多いので、気軽に質問をしてみましょう。
また普段からフードの原材料や成分表示をよく読んでチェックしておくことも大切です。もちろん全部は覚えきれないので、原材料一覧をスマホなどで撮影しておくと、時々見比べるのに便利です。
可能であれば愛犬が喜んで食べるフードを、1種類だけでなく複数の種類知っておくことで、レシピが変わって食べなくなったときの対処が簡単になります。
最近ではフードのローテーションをする飼い主さんも増えています。ほとんど全てのペットフードは総合栄養食ですが、フードのレシピによってそれぞれに違う特徴もあります。食物繊維の多いフード、脂肪分が多いフード、ハーブ類が多く配合されているフードなど、その特徴は様々です。
たまにローテーションをすることで、摂取する栄養素にバラエティをつけることもできるので、好みが難しい子にも複数の選択肢を作っておくことにはメリットがあります。
まとめ
ペットフードのレシピの変更はメーカーによって頻繁に実施されていること、ペットフードのレシピの変更についてメーカーが告知や表示をする義務は無いこと、などをご紹介しました。
同じメーカーの同じブランドのフードでも10年単位で原材料を見比べると、驚くほど変化していることも多いものです。
大切な愛犬のために、原材料や成分表示の意味を理解して、こまめにチェックしておくことをお勧めします。