犬にとって不幸なこと6つ
1.多頭崩壊
多頭崩壊とは、正しくは「多頭飼育崩壊」と言います。最近、ニュースなどで話題にもなっていますが、犬だけでなく、猫、ウサギなどの愛玩動物を多頭飼育した飼い主が、自然繁殖を制御せずに動物が増えた結果、飼育不可能な状態に陥ることをいいます。
本来、動物が好きであるにも関わらず、避妊去勢を行わなかったせいで自分では手に負えないほど数が増えたり、行き場のない動物を引き取っているうちに、施設や人数の面で、適正に飼育できる数を超えたりしてしまうことで、多頭崩壊が起きます。不潔な環境で、糞尿の後始末も追いつかず、近親交配による奇形や病気の子どもが生まれても病院に連れて行くこともできません。弱った個体はひしめき合うほど狭く、臭い空間の中で衰弱して死んでしまうこともあります。
2.虐待目的の飼育
家族の一員として犬を心から愛している私たちには、全く理解できないことですが、実際に、虐待目的で保護団体から里親として犬を引き取り、虐待して何匹も殺していた、と言う事件がありました。
3.パピーミル
「パピーミル」とは、英語で「子犬工場」を意味します。営利目的で犬や猫を劣悪な環境で大量に繁殖させる悪質なブリーダーを指します。良心的なブリーダーとは異なり、親犬の体がボロボロになるまで子どもを産ませ、狭い場所で大量の犬を飼育できるように、劣悪な環境で犬を監禁し、散歩や運動もさせません。もちろん、食事も安価で低品質なものです。そして、子どもが産めなくなったら「引取り屋」という業者に引き渡され、山中に遺棄されたり、殺されたりします。
また、生体販売をしているペットショップで売れ残った犬も、動物実験に使われるために売買されたり、繁殖犬として「子犬工場」に売られたりします。いずれにしても、温かな家庭で、幸せに暮らせる可能性はほとんどありません。
4.飼い主の飼育放棄による殺処分
飼っていた犬を手放すには、いろいろな理由があります。子どもが生まれたら動物アレルギーだった、家族が重い病気になった、経済的に困窮し、犬を飼い続けることが出来なくなったなど、やむを得ない理由から、逆に「噛むから」「躾が出来ないから」「飽きたから」「番犬として飼っていたけど、犬が歳を取って吠えなくなり役に立たなくなったから」など、信じられないほど身勝手な理由で犬を手放す人もいるようです。
また、猟師が猟犬として使い物にならないからと言って、猟期が終わった頃に、自分の犬を山に置き去りにすることもあります。私は、このような身勝手な人に対して、同じ人間として軽蔑し、憎しみさえ感じます。けれども、そんな愚かな人間が大勢いるのも現実です。
5.交通事故死
愛犬は、大切な家族だから、犬の命を守るために最大限の努力をするのも飼い主としての責任です。一瞬の気の緩みでリードが外れてしまったり、ふだんからノーリードで散歩させたりしていて犬が道路に飛び出してしまい、命を落としてしまうことになるかも知れません。飼い主さんと愛犬の間にどんな信頼関係があったとしても、ふだんの生活の中ではリードを外して外出しないようにしましょう。
6.無関心な飼い主による飼育放棄
餌付けをすれば、野生のカラスでも野良猫でも人間に懐くこともあるでしょう。しかし、犬はただ、餌付けされただけでは人間を愛することはない動物です。自分が飼い主と決めた人を愛し、信じぬき、決して裏切らない動物です。
散歩にもいかず、名前も呼ばず、目も合わさず、まるで犬の存在など一切目に入っていないかのように扱われることが、犬にとってどれだけ酷なことか、愛犬を家族として慈しんでいる飼い主さんには容易に想像ができるはずです。犬は、人間から愛されなくても人間を愛し、信じることを疑わない動物だと思います。明日こそ優しく撫でてくれるかもしれない、明日こそ、笑いかけてくれるかもしれない、そう思いながら飼育放棄されている犬の気持ちを考えると胸が痛みます。
まとめ
不幸な犬を生み出すのは、身勝手で欲深い人間です。また、犬を幸せにするのも人間です。
結論として、犬にとって最も不幸なことは、人間の身勝手によって孤独なまま、命を奪われることだと思います。現在の日本は、お金を出せば簡単に犬が飼えます。そして、無責任に犬を手放すような飼い主にも、何の罰則もありません。さらに自分の快楽のために、どんな惨たらしいやり方でたくさんの犬を殺しても、さして重い刑罰を課せられることもありません。
飼い主一人一人のモラルを向上させていくことも大切ですが、「たかが犬」「たかが猫」としか捉えられていない、私たちの国の環境こそ、犬にとっては不幸なことと言えるのではないでしょうか。
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50代以上 女性 匿名