①吠える、唸って威嚇する
犬が苦手な犬が見せる行動として最もわかりやすいのが吠える・唸るなどの威嚇行動でしょう。他の犬の姿が見えたり近づいてきたときに「ワンワン!!」と吠え立てたり、「ウー」と低く唸ったりして自分から他の犬を遠ざけようとします。犬が苦手な犬というのは基本的に他の犬に対して恐怖心を感じていたり、どのように接したらいいかわからず困惑していることがほとんどです。そのため自分からどうすれば犬を遠ざけることができるかを考えるため、接近・接触しそうになった場面では吠えたり唸ったりして威嚇することが多く見られます。
②地面の匂いを嗅ぎ続ける
『犬が苦手な犬』は、他の犬との接触を避けるためや相手の犬に敵意がないことを伝えるために、存在感を消すような行動を取ったり“カーミングシグナル”を出すことがあります。同じ公園にいたり道ですれ違ったりするなど、お互いの存在を認識できる程度の距離にいるときには目線を合わせないようにして地面の匂いを嗅ぐ仕草を見せることが多くあります。地面の匂いを嗅いだり半円を描くように遠回りして歩いたりする仕草は、相手を落ち着かせるためや敵意がないことを伝える“カーミングシグナル”として知られていますが、『犬が苦手な犬』が他の犬に対して見せる仕草・行動でもあります。
③耳をピンと立てて尻尾をゆっくり振る
犬が近づいてきたり遠くに犬を見つけたときなどに動きがフリーズしたり、耳をピンと立てて尻尾を低い位置でゆっくり振る仕草を見せることがあります。ピンと立った耳は何かに注目していたり警戒しているときなどに見られ、耳が前方向に倒れてくると警戒心が高まり威嚇する気持ちが現れるとされています。尻尾を振っているときは楽しいときやうれしいときだと考えられがちですが、しっぽの高さや振り方によっては警戒心や攻撃性をあらわしていることもあるので注意して観察しましょう。『犬が苦手な犬』が他の犬に対して不安に感じていたり警戒心を持っているときは、水平よりもやや低い位置で左右にゆっくりと尻尾を振ります。その振り方が細かく早くなっていくと警戒心が高まっていると考えられています。
④犬がいる公園に入らない
『犬が苦手な犬』が吠えたり唸ったりして積極的に自分から遠ざようとするのとは反対に、他の犬に気付かれないようにして上手に避けようとする犬もいます。いつも通っている公園でも先に他の犬がいたら公園に入らないようにしたり、どんなに遠くても道の角を他の犬が曲がってきたらすぐに方向転換したりすることも。トラブルを避けようする行動は賢くもありますが、他の犬との接触をことごとく避けてしまうため仲良くなるきっかけをつかむこともむずかしい傾向にあります。
まとめ
『犬が苦手な犬』のほとんどは積極的に攻撃を仕掛けるようなことはなく、吠える・唸るなどの威嚇行為で自分から遠ざけようとしたり、カーミングシグナルを出して衝突や接触を避けようとします。また、他の犬の姿を見かけると警戒心から耳を立てて尻尾をゆっくりと振るといった仕草を見せることも。こうした仕草・行動を愛犬が見せたときは無理に他の犬に近づけようとしたりすることはせず、愛犬のペースに合わせてあげるようにしましょう。「犬同士仲良く遊んで欲しい」と飼い主さんは思うかもしれませんが、『犬が苦手な犬』の気持ちも理解し、尊重した上で他の犬との距離を保つようにしましょう。