デメリット①犬のストレスが溜まる
犬には走る・掘る・噛む・吠えるなど本能的に好きな行動があります。しかしそれらの行動の多くは自由にされると飼い主にとっては困ることばかり…。そのためそうした行動が見られると叱ったりして抑制することが多いと思いますが、犬が本能的に求める行動をさせずにいるとストレスが溜まっていくと考えられています。
犬は元々犬種の気質に合わせた仕事・作業をしてきた動物です。仕事をすることは大変なことでもありますが、本能的な欲求が満たされることで充実感を感じることができるので犬にとっては適度なストレス発散になっていると考えられます。“現代の日本の犬は失業中”と言われることもあるように、今家庭で飼われている犬のほとんどは仕事を持ちません。そのため、気質による欲求や本能を発揮する場所がなく、それが原因でストレスを抱えがちだと言われているのです。ストレスというのは心身の健康にさまざまな悪影響を与えるものです。目に見えず、犬も言葉で訴えることがないからこそ軽視されがちですが犬のストレス軽減はとても重要なことなのです。
デメリット②問題行動が現れる
犬の『好きなこと=本能的な欲求が満たされること』をさせずにいるとストレスが溜まっていくとしましたが、犬のストレスが溜まることでさまざまな問題行動が見られるようになることがあります。犬がしたいと感じることを抑制することで、いたずらや吠え・自傷行為など別の形となって現れてくると考えられているのです。それらの問題行動の原因に「したいことができないストレス」があるということに気がつかず、目先の行動だけをやめさせようとしてもなかなかうまくいかないことがほとんどです。ひとつの問題行動がなくなったとしても、原因となっているストレスそのものが解消されなければまた別の形の問題行動となって現れてくる場合がほとんどです。
デメリット③うつ症状が出る
犬の好きなことをさせずにいるとストレスが溜まってさまざまな問題行動が出てくることがあります。さらにその行動を厳しくしつけるなどして抑制すると、問題行動がより強く現れるようになったり反対に意欲が失われてうつ状態になることがあります。犬は言葉を話すことができないので、その精神状態を正確に知ることはできませんがうつ状態にあるかどうかその行動などからある程度判断することができるとされています。
犬のストレスが非常に強くうつ状態になってきている場合、さまざまな面で意欲の低下が見られて食事や散歩など日常生活に興味を示さなくなって寝てばかりいるようになったり、しっぽを振るなどの感情表現が少なくなったりします。また、粗相がくり返されたり部屋をウロウロする常同行動が見られるようになったり、手足を噛むなど自傷行為を行うようになったら要注意です。犬を一緒にいる時間を増やして好きなことをさせ、本能的な欲求を満たしてあげるようにするなどしてストレスを軽減するようにしましょう。
まとめ
犬に好きなことをさせないでいると、犬のストレスが溜まっていたずらや無駄吠えなどの問題行動が出たり、心身の健康に支障が現れたりとさまざまなデメリットがあると考えられています。ただ、犬の好きなことをさせるといってもなんでもかんでも許して『好き放題』させるというのとは少し違います。犬にされて困る行動はきちんとしつけをすることで抑制する必要がありますが、それが犬の本能的にしたいことであれば別の形でその欲求を発散させてあげなければなりません。
犬には犬種や個性によってそれぞれ『好きなこと』『したいこと』があると思います。人間側の都合ばかりを押し付けて行動を抑制していると、犬に強いストレスがかかってしまうので犬の欲求や要求の元にある気持ちはきちんと汲んであげることが大切です。一緒に暮らしているのですから、お互いの好きなことやしたいこと、して欲しくないことなどにそれぞれ折り合いをつけて仲良く暮らしていきたいものですね。