「適正体重」は目安でしかない
犬種ごとや性別ごとの適正体重の表を目にすることがありますが、そもそも「適正体重」は明確に決まっているわけではなく個体差もあります。適正体重はあくまで目安とし、体重と共に犬の体型についてもチェックする必要があります。
犬の体型チェックポイント
くびれ
立っている状態の犬を上から見下ろしてくびれを確認します。くびれがない場合は肥満の可能性があり、くびれ過ぎて胸部との差が激しすぎる場合は痩せすぎである可能性があります。
肋骨
目で見た時に、明らかに肋骨が浮き出ている場合は痩せすぎの可能性があります。犬の胸部を触った時、脂肪の下に肋骨の形も感じる程度が適正と言われています。手で触っても脂肪が厚く肋骨が分からない場合は肥満の可能性があります。
胸部~ウエストの吊り上がり
立っている状態の犬を横から見た時の、胸からウエストまでを繋げた直線の様子をチェックします。
ウエストにかけて緩やかに吊り上がっているのが適正の目安ですが、あまりに吊り上がりが強い場合は痩せすぎの可能性があり、逆に吊り上がりが見られないか肉が垂れ下がっている場合には肥満の可能性があります。
同じ時間帯に量る
ごはんを食べた直後だったらその分が増え、おしっこをしたらその水分量が減るするように、体重は1日のうちでも変化します。
このように1日で増えたり減ったりする原因はごはんや水分である可能性が非常に高いため、体重で健康管理をする場合には犬の体重を量る時間帯を毎回同じにしておく必要があります。
10g単位で測定できる体重計を使う
人間と比べると犬の体は小さいため、人間にとっての10gの変化と犬にとっての10gの変化の大きさは違います。より正確に体重を測定するためにも、より細かい目盛りのある体重計か電子体重計を使用しましょう。
子犬や超小型犬はキッチンスケールを使用する
特に体の小さい子犬や超小型犬の場合は、人間の体重計では測定できないことがあります。子犬や超小型犬の場合はキッチンスケールを使用して測定すると正確な数値が分かりやすいです。
犬が入る大きさのカゴやタッパーにタオルを敷いたものを用意し、先にその容器の重量を差し引いておきましょう。その後、犬を容器に乗せて体重を量ります。容器にタオル等を敷くことで、容器の中で犬が滑りにくくなります。
犬が自分で体重計に乗れない場合
犬が体重計の上でオスワリ&マテができない場合、抱っこができる小型犬~中型犬であれば飼い主さんが抱っこをして一緒に量る方法でも大丈夫です。
まず犬を抱っこして体重計に乗り、その後飼い主さんの体重を量ります。抱っこして量った体重からその時の飼い主さんご自身の体重を引いた値が犬自身の体重となります。
大型犬の場合
大型犬ともなると、飼い主さんが抱っこをして一緒に量るのは重たくて大変ですね。犬自身で体重計に乗ってオスワリ&マテができれば良いのですが、できない場合は犬をおんぶして飼い主さんと一緒に量るという方法があります。
抱っこよりおんぶの方が飼い主さんが楽なのですが、飼い主さんお一人でおんぶをするのが大変なので、ご家族に手伝ってもらっておんぶの体勢をつくる必要があります。
おんぶが難しい場合や犬が暴れてしまう場合は転倒などケガの恐れがあるため、無理をせず動物病院で量ってもらう方が良いでしょう。
まとめ
人間にとって数百グラムの体重の変化はそれほど大きな変化ではありませんが、犬にとっての数百グラムの体重の変化はとても大きな変化です。
もちろん体重が増えすぎて肥満になることは防ぎたいところですが、ただ体重が減ればいいというものでもありません。
大きく体重が減ってしまうこともまた、何らかの病気のサインかもしれないからです。みなさんもぜひ愛犬の体重を定期的に量って、愛犬の健康管理の一環にしてみてくださいね。