犬へ気持ちを伝えるために重要なこと
犬と人間は言葉が異なるため、気持ちを伝え合うのは難しいです。しかし、飼い主が犬の心理を理解することは、仕草や行動からある程度可能であることは知られています。
では、犬はどうなのでしょうか。実は、犬は人間の表情や声のトーンなどから感情を読み取ることができるという研究結果がすでに出ているのです。他にも飼い主の行動を観察し、その時発された言葉とリンクして、言葉の意味を理解できるとも言われています。
よく私たちが「待て」と言いながら、前に手を出すなどのサインを送ると、その指示を聞きその通りに行動しますよね。これは前述のような様々な条件を組み合わせて判断し、学習した結果です。「待て」と言われたときは、待たなくてはいけないということを理解しているのです。
このように犬に私たちの気持ちを伝えるには、同じ言葉を使い、下声のトーンをその気持ちに合わせたトーンに変えることで、伝わりやすくなります。例えば「ダメ」という言葉であれば、「ダメ」の時はこの言葉のみを使い、声のトーンは低くする、です。
ポジティブな気持ちにはふれあいも効果的
ポジティブな気持ちを伝える際は、愛犬に触れることも効果的です。後ほど詳しくご説明しますが、「いいこ」「よくできました」など、褒めるような気持ちを伝えるときは、体を撫でてあげるなど、スキンシップを組み合わせましょう。
犬は飼い主に触れられることが大好きですので、「自分が嬉しいことをされた」という心理から、「いいこ」や「よくできました」はご褒美の言葉であることを理解するようになります。
どちらにせよ、言葉だけでなく、飼い主の行動や声のトーン、表情などを組み合わせて、言葉の大まかな意味を理解します。気持ちを伝える言葉を学習させる際には、これらを考慮して伝えることが重要です。
【気持ち別】犬に気持ちを伝える方法
では、犬に気持ちを伝えるためには、具体的にどのような例があるのでしょうか。ここでは具体例を3つ見ていきましょう。これは一例ですので、同じ意味でも異なる言葉を使っているのであれば、普段使っている言葉を使いましょう。愛犬に伝わることが最も重要だからです。
ありがとう:はっきり言葉で伝える
ボール遊びをしている際、ボールをとって帰ってきてくれたり、ケアをしているときにジッと良い子にしてくれていた時など、「ありがとう」と気持ちを伝えたい場面は多くありますよね。
まず「ありがとう」という気持ちを伝える際は、言葉をはっきりゆっくり言うことが大切です。早口でサッと言っても、犬は聞き逃してしまったり、「何を言っているんだろう」とそのまま理解しようとせずに終わってしまいます。
また、言葉と一緒に体の側面をゆっくり撫でてあげるなど、スキンシップを軽く入れてあげるのも、犬が言葉の意味を理解しやすくなるポイントです。
ダメ:低い声と短い単語で伝える
悪い事をしてしまった際、ダメなことであると教えるのは、しつけ上、とても大切です。しかし高い声で「ダメでしょ~」と間延びしたような声で伝えても、声のトーンが感情と合わないため、勘違いさせてしまうことがあります。
そのため、ダメなことだと伝える際は、低い声で言葉を伝えましょう。この際、愛犬の目をしっかり見つめることが大切です。これはボディーランゲージの1つで、犬にとって相手に目をジッと見つめられることは、怒りや警戒を意味するからです。
さらに長々と言葉を並べてしまうと、犬も言葉を理解しづらいです。そのため、短く「ダメ」など2~3字程度の言葉を伝えるようにしましょう。ピシッと叱ることが重要です。
いいこ:首元や背中を撫でながら声のトーンを高く
「いいこ」や「よくできました」などの褒め言葉を伝える場合は、やはり声のトーンを高くし、首元や背中を大げさに撫でてあげてください。「飼い主も嬉しい」という気持ちを伝えることが大切です。
「ありがとう」と似ていますが、こちらは愛犬が何か良いことをした報酬のような意味として使いますので、「ありがとう」よりも多めにスキンシップをとったり、大げさに振る舞うとわかりやすいですよ。
まとめ
いかがでしたでしょう。犬に気持ちを伝えるためには、行動や表情、声のトーンを意識することが重要です。また、伝える言葉は常に同じ言葉を使うことで、犬も学習するようになりますよ。ぜひ皆さんも自分の気持ちを愛犬に伝えるために、ポイントを押さえて気持ちを伝えるようにしましょう。