犬は人間の感情が読めるの?
犬は何万年も前から人間のパートナーとして一緒に暮らしてきました。言葉を話せない犬には人間の言葉の意味はわかりません。賢い犬ならいくつかの単語の意味はわかるかもしれませんが、会話はできないですよね。しかし言葉は話せなくても人間の感情は読み取れるようです。犬は飼い主さんの匂いや物音を何よりも優先させていて、飼い主さんの行動を伺っています。言葉のイントネーションや行動、匂いで人間の感情を読み取っていると考えられています。また感情を読み取るだけではなく、共感することもできると考えられています。
飼い主さんが悲しい顔をしていたり泣いていたりするとそばまできて、慰めるように寄り添ったり、顔を見つめてきたりすることもあります。すべて感情を読み取れるから行えることです。
様々な実験からわかること
人間の表情を読み取れる
犬の脳は人間の脳のメカニズムと似ていて、感情を理解することができ悲しんでいる人がいれば慰める傾向があると言われています。なぜそのようなことができるかと言うと、犬は人間の喜んでいる顔や怒っている顔の区別ができるためです。そして笑顔はポジティブなコミュニケーション、怒っている顔や悲しい顔はネガティブなコミュニケーションであることを理解していると考えられています。ある実験では犬たちを2つのグループにわけ、グループ1には笑顔の写真を連続で選ぶとご褒美をあたえ、グループ2には1とは逆に怒っている顔を連続で選ぶとご褒美をあたえました。
その結果犬たち2つの表情を正確に選択することができたといいます。またその際には怒った顔を選ぶのはためらい、笑顔はすぐに選べたそうです。実験からさらにわかったこととしては、犬は人間の表情をちゃんと理解していて表情に関する概念をしっかり持っているということです。そのため、飼い主さん以外の人間の表情もわかるため、笑顔や柔らかい表情をしている人間には懐きやすいかもしれません。
人間の赤ちゃんと同等の能力
犬には人間の言葉や単語を聞いて、そのイントネーションを聞き分けたり感情を認識したりすることができるという研究結果があります。顔の表情と音からポジティブな状態なのか、ネガティブな状態なのかも判断することができると言われています。これは人間と同じメカニズムです。
また犬の遊びには道徳的行動がみられ、犬同士の遊びの中で喧嘩で台無しにならないように自然とルールが決められているそうです。これらの能力は人間の赤ちゃんと同じくらいだと考えられています。人間の脳のメカニズムと似ているため、そういった比べ方ができるのかもしれないですね。
慰めることもできる
悲しい顔をしていたらその人が弱っていることを犬は理解ができるようで、そばによりそったり腕や足を舐めて励まそうとすることがあります。他にも自分のお気に入りのおもちゃや毛布を持ってきて遊びに誘ったりすることもあります。その人が良くない状態にあることを理解しているため、自分ができる限りの行動をとって元気づけようとするのです。
飼い主さん以外にもそういった行動をとることはありますが、やはり1番は飼い主さんで、飼い主さんが泣いたり悲しんでいたりするとそばに寄ってきて慰めたり、少し距離を置いて心配そうな顔をするでしょう。犬の愛情を感じますね。
病気もわかるかも?
飼い主さんが病気になってしまったときに犬は寄り添ってくれることがあります。犬は病気をにおいで発見できる可能性があるといいます。例えばガンであれば複数の血液サンプルからガン細胞が含まれた血液サンプルにだけ反応することができるのです。
ガンだけではなく、てんかんの発作を予測することができる可能性もあります。これらの能力はまだ「できるかもしれない」という可能性の話で、確実に行えるというわけではありません。ただもし犬が病気の発見や予測ができるなら、驚きの能力だと言えるでしょう。また訓練次第ではてんかん発作が起きた時に対処したりすることもできるかもしれません。今後の研究や訓練方法次第ではありますが、可能性はあります。
まとめ
犬の能力はとても高く、まだ解明されていないものもあります。脳に関しては今後解明されることが期待されることも多く、はっきりと言えない部分も多いでしょう。もしかしたら間違っている部分もあるかもしれません。しかし犬が人間と一緒に暮らすなかで、感情を読み取ったり、気持ちに共感したりするのは犬を飼っていると「本当にそうかも」と思いますよね。
励まされたり一緒に喜んでくれたりするとさらに可愛く思えてくるでしょう。犬だから何もわからないとは思わず人間と接するように丁寧に気持ちを伝えてあげると犬も共感しやすくなるかもしれません。愛犬を大事なパートナーとして感情を伝えてみてください。きっと愛犬も飼い主さんの気持ちに反応してくれるでしょう。