犬にとってのおやつとは
しつけのときのご褒美だったり、かわいくおねだりされた結果だったり、与えれば喜ばれ、与えた側もうれしくなるものがおやつです。「おやつ」というのは食べ物には間違いありませんが、犬と飼い主さんとのコミュニケーションツールでもあります。
しかし、人間の場合もそうですがおやつは食べ物であり、嗜好性を高めるために高カロリーであったり味を濃くつくってあったりします。犬用のおやつも例外ではなく、高カロリーで高栄養となっていることが多いようです。犬たちの健康を第一に考えた際には、おやつは極力控えバランスの取れたドッグフードを規定回数食べさせるのが良いとされています。ただし前述の通りおやつはコミュニケーションツールとしての役割が強いため、目的に応じて少量~適量を考えて与えるのが良いようです。
おやつの量
犬は体の大きさや体重によって、一日に必要なカロリーが大まかに設定されています。うちの子はどのくらいかしらと思ったときは、ドッグフードの成分表示などの欄を見てみましょう。大体の体重によってフードの量の目安が書いてあるはずです。日々の運動量にもよりますが、おおよその必要カロリーがわかるでしょう。運動量の多い子であればフードを少し増やしてみる、運動量が少ない子であればちょっと減らしてみるなど、微調整は毎日の様子を観察している飼い主さんが調節します。
犬におやつを与える場合、この必要カロリー表などから考えた一日の摂取予定カロリーを大幅に超えないようにしましょう。つまり、おやつを与えた場合は食事の量を少し減らすのです。また、一日のおやつの量はフードとおやつを合わせた全体の10%程度のカロリーになるよう調節しましょう。
犬のおやつは「質」より「回数」
私たち人間は見た目の豪華さやおいしさでおやつを選ぶことがありますが、犬の場合は「質」より「回数」です。何をもらったかより、ちいさなものを小分けに何回ももらったほうが「うれしい(褒められた)」回数が多くて幸せなのでしょう。トレーニングのご褒美であれば、一回に与える量は人間の小指の爪サイズ、あるいはもっと小さくてもかまわないのです。
おやつを与えるときの注意
ペットフード売り場へいくと、犬用のおやつが所狭しとおいてあります。あまりにたくさんありすぎて、どのようなものを選んでよいかわからなくなりますよね。固いジャーキー、燻製ささみ、チーズ風味スナック、ガム、ぼうろ、牛の爪。しっとりウエットなタイプやかりかりに乾燥したタイプ、手の平サイズのものや指でちょっとつまむくらいの大きさのものなど、様々なレパートリーにあふれています。
このような豊富な種類の市販品からあえて選ぶとすれば、量を調節しやすい小分けの小粒タイプが人気のようです。小粒のものであればトレーニングのおやつやモチベーターとしてもポケットに売れて常備できますし、与える回数を増やしても総カロリーが増えにくいので人気がありますね。
人間のオヤツは絶対に与えない
ただし一つ注意してください。これらの小粒な市販おやつたちは人間のおやつにもよく似ています。ジャーキーもチーズ風お菓子もぼうろも、袋から出してお皿に盛れば人間の食べるものと一見区別がつきません。しかし食べてみるとはっきりします。人間用のおやつは「味が濃い」のです。
味が濃いということはタンパク質や香料、砂糖、塩がペット用に比べて多く使用されているということになります。体が小さな動物に人間が摂取する量のナトリウムやリン、タンパク質などを食べさせてしまうと、肥満や腎臓病の原因にもなるので与えないでください。
野菜や果物もオヤツになる
また、意外に思われるかもしれませんが野菜や果物といったものも、犬にとってはおいしいおやつになります。特に野菜に関しては食物繊維も豊富ですしビタミンも含まれているのにローカロリーという、とても優秀なおやつと言っていいでしょう。与えてよい種類も意外に多く、玉ねぎや長ネギ、ニラ、ニンニク、シシトウといったもの以外は大体問題ありません。
ただ多くの野菜の多くはセルロースを多量に含み消化が悪いため、火を通して与えることをお勧めします。果物に関しては甘みが強いため、多くの犬が大好きです。ただし糖を多く含むのでカロリーが高く、与える量は控えめにしましょう。
まとめ
いかがでしょうか。おやつを食べるとなんとなくホッと一息つけたり、ちょっと元気が出たりするものですが、それはきっと犬たちも同様です。健康に注意して楽しいおやつタイムをお過ごしください。