犬は様々な寄生虫に感染しやすい
犬を含め、動物は寄生虫に感染しやすいです。犬に寄生しやすい寄生虫として、マダニやノミが代表格として挙げられますが、他にもお腹の虫と呼ばれる回虫なども多く耳にします。
今では医療の進歩も進み、犬の寄生虫は事前に予防薬を投与することで、いざ寄生してしまったときにも死滅されることができたり、あるいは治療してもらえたりすることがほとんどです。
しかし、中には放置してしまうと死に至る寄生虫や人間に感染し、人間が甚大な被害を受けてしまう危険性のある寄生虫も存在します。そのため、日頃から予防を心掛けたり、愛犬の様子を観察したりすることが重要です。
犬が死ぬかもしれない寄生虫
今回は犬に寄生しやすく、なおかつ犬を死に至らしめる可能性のある危険な寄生虫をご紹介します。よく聞く寄生虫でも、条件によっては死に至る危険性もあるので、日頃からしっかりケアするようにしましょう。
フィラリア
フィラリア症の原因となる内部寄生虫のフィラリア。実は一昔前まで犬の死因としてとても多かった怖い寄生虫なのです。現在では予防薬が動物病院で手に入り、決められた通りに薬を投与すると予防できる病気です。
フィラリアは蚊を介して犬に寄生します。フィラリアの子虫を持つ蚊に刺されることによって体内に寄生し、成虫になったフィラリアは心臓の右心室に寄生します。そのため、フィラリアに寄生され放置してしまうと、主に心臓に障害を引き起こします。
前述したとおり、現在は予防薬が豊富に販売されています。動物病院でも定期的に投与することが推奨されています。中にはおやつタイプの薬もありますし、皮膚に塗布するタイプの薬や1回注射するだけで1年間効果がある薬もありるので、比較的予防しやすい寄生虫でもあります。
マダニ
犬を飼っている人であれば、マダニに注意という言葉は一度は耳にしたことがあるのでしょう。マダニに寄生されると、咬まれた部位に皮膚炎を起こし、それ以外にも様々な症状が引き起こされます。
やはり最も多い症状は皮膚炎ですが、バベシアという原虫を体内に持つマダニに寄生されるとバベシアが赤血球に寄生し赤血球が破壊されるので貧血を引き起こしたり、栄養障害を引き起こしたりする犬もいるので侮れません。さらにマダニの種類によっては毒性のある個体もいるので、このマダニに咬まれてしまうと神経障害を引き起こす危険性もあります。マダニは様々な場所に生息しているため、多くの病原体を持っていることがあります。その病原体によっては、犬が死に至る危険性があるので非常に危険です。
やはりこちらも駆除薬が販売されており、スポイトタイプやおやつタイプなどラインナップも様々です。愛犬に合った駆除薬を定期的に投与することで、寄生し続ける状態を回避しましょう。
犬鞭虫
犬鞭虫は犬だけでなく狸にも寄生することのある寄生虫で、主に盲腸や結腸に寄生することで炎症を引き起こします。犬鞭虫は犬の体内で卵を産んでしまうため、一度寄生されてしまうと体内に数年間抱えてしまうこともあります。さらにその犬が排泄した便などから他の犬に感染することが多いです。
症状としては血が混じった下痢をするようになり、食欲不振や元気消失が起こり、栄養状態が悪くなることがあります。また、消化管の蛋白喪失が引き起こされることにより、徐々に衰弱し、最悪の場合、死に至る危険性もあります。特に子犬の場合は命にかかわる場合もあります。
下痢などの初期症状が起こった場合、病院で検便をし、駆除薬を投与することで治療することができます。早期対処が必要なので、疑いがある場合はすぐに受診しましょう。
人間が犬から感染すると危険な寄生虫も
犬が寄生されやすい寄生虫の中には、犬だけでなく人間にも感染する恐れのある寄生虫もいます。例えばよく聞かれる犬回虫、通称「おなかの虫」もその1つです。
犬回虫が人間に感染してしまった場合、体内環境が異なるため成虫に成長できず、幼虫の状態で体内に止まります。すると様々な臓器に障害を引き起こすため、非常に恐ろしい寄生虫なのです。過去には犬の飼い主が感染し、亡くなってしまった事例もあります。
さらに犬は無症状なエキノコックスは、人間に感染すると死に至る危険性が非常に高いので、注意する必要があります。日本国内でも事例報告がありますので、日頃からコミュニケーション方法などに気を付けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬は様々な寄生虫に寄生されやすいですが、中には死に至る危険性のある寄生虫も存在します。さらに飼い主に感染することもありますので、ふだんから愛犬の様子を観察するとともに、口と口でキスをするなどの間違ったスキンシップは避けるようにしましょう。
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50代以上 男性 新井こうちゃん