失敗①構いすぎ&可愛がりすぎ
「犬そのものが好き」「愛犬のことが可愛くてたまらない」という飼い主さんに多い失敗として、構いすぎや可愛がりすぎということが挙げられます。大切な愛犬を可愛がることはとても大切なことですが、犬にとっていいことであるかどうかということはしっかりと考えなければなりません。
犬を可愛がりすぎるリスク
犬が欲しがるからとご飯のおすそ分けをしてしまったり、おやつを際限なく与えたりすることはしつけの上でも健康上でも犬にとってよくないことでしょう。可愛がりすぎると犬はその扱いを当然のことを考え、思い通りにならないことがあったときに怒って飼い主に攻撃的になったりしつこく要求し続けたりするようになってしまうことがあります。
犬を構いすぎるリスク
また、構いすぎることでも問題が発生する場合も。飼い主が家にいる間、常に構っていたり要求のままに構ってあげたりしていると、犬が分離不安になってしまうことがあります。飼い主がいないことに強い不安やストレスを感じ、ひとりで安全に留守番ができなくなってしまうのです。犬を可愛がることや構いすぎることで愛犬をわがままにしてしまったり、生活する上で不安感やストレスを感じさせてしまったりするようになるので、適度な距離とバランスを保った接し方を心がけなければなりません。
失敗②ほめる&叱るタイミングがずれている
犬と生活する上で、しつけをすることはとても大切です。特別しつけに力を入れていない家庭だとしても、トイレトレーニングやいたずらをさせないことなど、一緒に生活する上で必要なしつけはどの家庭でもしていると思います。
しつけには「タイミングも大事」
しつけの中で飼い主が失敗してしまいがちなのが”タイミング”です。犬がした行動に対してほめたり叱ったり、時には無視をしたりすることでその行動を「やめてほしい」「いいことだから続けてほしい」ということを伝えますが、多くの飼い主さんがそのタイミングを逃してしまうどころか、逆効果になるようなタイミングで伝えてしまっているのです。
犬は自分がした行動について、時間が経ってからほめられたり叱られたりしても理解することができません。飼い主からほめられたり叱られた場合、直前の数十秒程度のこととしか関連付けられないと考えられており、ほめたり叱ったりするベストなタイミングは該当の行動から6秒以内だとされています。そのため、留守番中の粗相やいたずらを帰宅後に叱っても犬には伝わらず、「飼い主が機嫌が悪い」「なぜか怒ってる」程度にしか理解されないのです。
失敗③犬の怖がり&強がりを助長する
犬の問題行動や困った行動を助長させる原因は、飼い主にあると言われることがあります。例えば犬が他の犬や人に向かって吠えているときなどに飼い主も大きな声を出して「だめ!やめなさい!」などと叱ることや、何かを怖がっているときに抱き上げて大げさになぐさめることなどは飼い主がしてしまいがちな対応ですが、それはある意味失敗と言えるでしょう。
他の犬などに対して吠えているとき、飼い主も大声で叫んでいたら犬は「飼い主も吠えてる!加勢してくれている!」と勘違いして、吠えることに自信を持ったりより強く吠えようとしたりするようになります。また、怖がっているときに過度に優しくすると、その行動が強化されてしまうことも。
それらのことは犬の心理をしっかりと理解できていないことや、行動学やしつけに対する知識不足から起こる問題です。もちろん飼い主にはそんなつもりがないと思いますが、結果的に犬のためにならず飼い主にとっても困った問題が大きくなってしまいます。そのため、犬を飼う際にはしつけや犬の心理についてある程度基本的な知識を持つということがとても大切なのです。
まとめ
特に犬を初めて飼う人は、犬との生活の中で多くの失敗をすると思います。失敗をすることは悪いことではないですし、知識不足による失敗はある程度仕方のないことだと思います。しかしながら失敗をしたときに、その後の軌道修正をどれだけ素早くできるかが重要なポイントになり、“失敗”と言える行動や言動を続けてしまうと愛犬との関係がどんどん悪くなっていってしまうことも。
愛犬との生活の中で何か困ったことやうまくいかないと感じることがある場合には、飼い主自身の行動も顧みて”失敗”はないか、ぜひ考えてみてください。そうすることで、きっと愛犬のことがよりよく理解できるようになり、飼い主としてレベルアップできるに違いありません。