犬が飼い主に本気で噛む理由とは?
自己防衛のために噛む
犬は恐怖や身の危険を感じた時に、やむを得ず自己防衛のために本気で噛むことがあります。なかには、自分の身を守ろうとして血が出るまで飼い主の手を噛む犬もいるそうです。飼い主が犬に本気で噛まれるときの理由の1つには『飼い主からの暴力や体罰などの恐怖』があり、しつけのために愛犬を叩いたり、愛犬が凄く嫌がる場所を触る。大声で怒鳴る。といった犬が恐怖を感じやすい行動を普段から飼い主がすることで、愛犬は自己防衛として本気で噛むことが多いそうです。
要求を受け入れてもらえなくて噛む
犬が本気噛みをする理由の1つとして『エスカレートした要求噛み』というのがあります。愛犬を過保護に育てて甘やかしていると「私のいうことは何でも聞いてくれる!」とワガママな性格に育ちやすくなります。そしていつも自分の要求が通ることに慣れてしまうと、飼い主が愛犬の要求を無視した時に「何でいうことを聞かないの!」と怒って本気噛みをすることがあるそうです。
「愛犬を叩いたり苦痛を感じさせたりしたことがないのに本気で噛まれる……」そういった場合は、エスカレートした要求噛みの可能性が考えられます。
犬との主従関係が崩れている
犬との主従関係が崩れている。または飼い主が犬よりも立場を下に見られている。そんな時にも本気噛みをすることがあったりします。例えば、家族の特定の人にだけ本気噛みをする時は、愛犬が「なんで君のいうことを聞かないといけないんだ!」と感じて噛むことがあります。犬は上下関係に厳しいので自分よりも下だと思っている人に抱っこをされそうになったり、オモチャを奪われそうになったりすると、反抗的な行動をとることが多かったりします。
ちなみに、私も子供の頃は当時飼っていた愛犬に立場が下だと思われていました。その結果、抱っこをしようとしただけで歯をむき出しにして唸られたり、血が出るくらいの勢いで手を噛まれることも多々ありました。また、当時は犬の飼い方の知識をちゃんと知らず、私が愛犬がイタズラをした時に軽くですが叩いてしつけていたのも原因になっていたのでしょう。自分よりも立場が下の者に命令をされたり叩かれたりすると、犬が本気で噛みつくのも当然といえますよね。しつけのためだとしても犬を叩くという行為は良いことが一切ありませんし、後々とても後悔してしまうので叩かないようにしてあげてくださいね。
噛まれないようにするための方法
愛犬が苦痛や恐怖を感じることをしない
犬が本気で噛む時は大体の場合、苦痛や恐怖が原因になっている可能性が高いです。例えば先ほどもお伝えしたように、叩いたり愛犬の嫌がる場所を触ったりする。大声をだす。といったことをしていると、犬は自己防衛のために本気で噛むことが多いです。ですので、愛犬の本気噛みを改善するためにはまず愛犬が苦痛や恐怖を感じないように接し方を改善して、噛む原因をつくらないようにすることが大切といえるでしょう。
「愛犬がどういったことに恐怖や不安を感じているのか分からない……」と感じる飼い主もなかにはいると思います。そういった場合は、愛犬の仕草や行動で判断しましょう。犬が苦痛や恐怖を感じた時は、頭を下げて怯えるような表情をする。触られないように体を動かす。といった意思表示をします。とても嫌がるときは、唸ったり歯をむき出しにして抵抗する姿勢を見せることが多いのですぐに分かると思います。また、こういった行為は本気噛みをする一歩手前の仕草としても知られているので、おそらく愛犬に本気で噛まれたことのある人は見たことがあるのではないでしょうか。
無理矢理触るのはNG
ちなみに嫌がる。唸る。歯をむき出しにする。といった仕草を見せているのにもかかわらず触ろうとすると、愛犬は当然のように本気で噛みついてくることでしょう。ですので、嫌がる素振りを見せた時は愛犬の嫌がることと理解して、今後嫌がることをしないようにしてあげてください。嫌がったり恐怖に感じたりすることをしないようにすると、少しずつ本気で噛まなくなるように改善することができますよ。
しつけの時に叩かないようにする
愛犬が自己防衛のために本気噛みをしているのでしたら、あなたや家族が一度は愛犬を叩いたことがあるのではないでしょうか?もしくは、犬が苦痛に感じるくらいの厳しいしつけを行ったことがあるのではないでしょうか?
先ほどもお伝えしたように、恥ずかしながら私も子供の頃にしつけの方法を間違えてしまい愛犬に対して叩いてしつけをしたことがあります。それが原因となり愛犬の噛む力が強くなってしまいました。私が言えることではないと分かっていますが、たとえしつけだとしても叩くという行為は止めるようにしてあげてください。良いことは何もありませんし、叩くという行為が原因となって愛犬が攻撃的な性格になったり怯えた性格になることも多かったりします。
特に愛犬がすでに本気噛みをしてくるのにもかかわらず叩きながらしつけを続行してしまうと、愛犬は自分の身を守るためにさらに攻撃的な性格になってしまう可能性がとても高いといえ、今後本気噛みを改善することが困難になってしまいます。もし心当たりがある場合は今からでも叩かないようにすることで、本気噛みを少しずつ和らげる事ができると思いますよ。
要求噛みの場合は無視をする
要求噛みとして愛犬が本気の力で噛む時は、噛んで要求をしても意味がないということを教える必要があります。愛犬が要求してきた時は無視をする。または、条件をつけて要求に応える。といった方法が主な改善方法となります。条件をつけて要求に応えるという方法は、まず愛犬が要求をしてきた時に、「おすわり」や「待て」をさせて飼い主が主導権にあることを教えます。そしてちゃんということを聞いたら、思いっきり褒めてあげたりご褒美にオヤツをあげるようにします。そうすると少しずつ飼い主のいうことを聞くようになり、本気噛みが改善されやすくなるそうですよ。
主従関係や信頼関係を築く
愛犬との主従関係や信頼関係が崩れている場合は、それらを改善する事で本気噛みを和らげられることがあります。例えば、愛犬の信頼している家族と一緒に散歩に行く。毎日愛犬のご飯や水の世話をしたり愛犬が嫌がらない方法でスキンシップしたりする。といった具合に愛犬の世話を積極的にすると少しずつ信頼関係を築くことができるのでおススメです。また、「オスワリ」や「待て」といったコマンドをして、ご褒美にご飯やオヤツをあげると少しずつ愛犬に『自分よりも上の存在』と教えることができますよ。
プロのトレーナに相談する
本気噛みの改善方法をいくつかご紹介しましたが、愛犬との関係がかなり悪化している。全然改善されない。という場合は、思いきってプロのトレーナーに相談や依頼をすることをおススメします。一度攻撃的な性格になったり飼い主との信頼関係が崩れてしまったりすると、一般の飼い主だけでは状況を改善することが困難なケースが少なからずあるからです。ですから、少しでも自分で本気噛みを改善させる自信がない。早く問題を解決したい。という時はプロのトレーナーに相談してみるといいかもしれません。
まとめ
大好きな愛犬に本気で噛まれるのは飼い主にとってとてもツライことだと思います。しかし、ツライのは飼い主だけでなく愛犬も同じなのです。愛犬も本当は信頼すべき飼い主を思い切り噛みたくはないはずです。お互いツライ思いをしないように、愛犬との接し方や生活を客観的に見直してみましょう。そうすることで本気噛みをする理由と改善方法が判明しやすくなりますよ。
例えば、普段愛犬に嫌なことばかりしているのでしたら、それらを止めると本気噛みを改善しやすくなります。甘やかしすぎることで愛犬が要求噛みをしているのでしたら、甘やかさないように対応すると症状を和らげやすくなるといえるでしょう。本気噛みをさせないようにするためには時間が必要になると思いますが、少しずつ愛犬と問題を改善していって悩みを解決できると良いですね。