犬は腐ったものを食べても平気?
犬は腐ったものを食べてもお腹を壊すことはないし特に問題ないと言われることがありますが、必ずしもそれは正しいとは言えません。確かに、犬の胃酸も唾液も人間に比べて強力なため多少の雑菌にも負けないと言われていますが、腐った食べ物には細菌や毒性のある成分が繁殖していることもあるため食べることで食中毒に陥る危険性は十分に考えられます。
腐った肉などを食べることもあったオオカミなどの血を引いて、類似した消化能力を持つことから犬も腐ったものを食べても生きられると考えられてきましたが、イエイヌとして長年清潔な環境に置かれてきたことで消化能力にも変化が出てきていると考えられています。
そのため、決して腐った食べ物を「もったいないから」などといって与えることはせず、外のゴミ置き場の近くや行楽シーズンの公園を歩くときにも拾い食いをしないよう十分気をつけましょう。また、家の中でも生ごみを漁って食べてしまうことのないようにしっかりと管理をする必要があります。
犬が腐ったものを食べることの問題点
犬が腐ったものを食べてしまうことで起こるトラブルとして、最も注意しなければならないのが「食中毒」です。食中毒にはさまざまな種類、症状がありますが主に以下のような症状が見られ最悪の場合死に至ることもあります。
- 嘔吐、下痢
- 食欲不振
- 元気がなくなる
- 痙攣(けいれん)
- 貧血
- 泡を吹いて倒れる
- ぐったりとしている
犬は人間よりも強力な消化能力や殺菌力を持っていますが、体力や免疫力が落ちているときなどはちょっとした雑菌・細菌などでも不調を起こす原因になってしまうことがあります。特に消化能力が弱い子犬や老犬などは腐ったものを食べさせてしまわないよう十分に注意しなければなりません。
犬が腐ったものを食べたときの対処法
犬が腐ったものを食べてしまったとき、上述の通り食中毒に陥る危険性があります。食中毒の症状が出たら、食べたものを吐き出させたり治療を行う必要がありますが、食べた量が大量でなければ数時間様子見をしていてもいいかもしれません。体に悪影響を与えるようなものを食べた場合、2~3時間程度で嘔吐や下痢、腹痛により動かなくなるなどの症状が見られます。
そうした症状が出たらすぐに病院に連れて行くことができるよう準備しておくといいでしょう。念のため腐ったものを食べたことがわかった時点ですぐにかかりつけの獣医師に相談し、気をつけるべき点や今後の指示を仰いでおくと安心です。飼い主さんの自己判断で無理に吐かせようとしたりすると、犬がのどを詰まらせてしまったり飼い主さんが噛まれたりと別のトラブルが起こる可能性があるので、必ず獣医師に相談の上で行うようにしてください。
<まとめ>犬が腐ったものを食べることについて
「犬は腐ったものを食べても平気」と言われることがありますが、雑菌に強く免疫力の高い野生の動物とは異なりやはり腐ったものを食べれば食中毒を起こす危険性が高いというのが現在の犬たちです。食中毒を起こした場合下痢や嘔吐などが見られ、抵抗力の弱い子犬や体力のない老犬の場合は命を脅かす恐れもあるので十分に注意しなければなりません。そのため、万が一腐った食べ物を食べてしまった場合は、すぐにかかりつけ医に相談をして指示を仰ぎ、直後の数時間~数日間は体に異変がないかしっかりと見てあげることが大切です。