外見の個性が強い
雑種犬の魅力は何といっても、唯一無二のルックスにあるのではないでしょうか。もちろん、純血種であっても模様の違いや色の違いなどの個体差はありますが、一般的には犬種標準の中に定められた範囲を出ません。
一方、雑種犬のルックスはまさに十匹十色!耳や尻尾の形から、被毛の色や模様まで、その子にしかない世界でたった1つの個性的なルックスを持っています。珍しいルックスは、可愛いのはもちろん、初対面の人にもすぐに覚えてもらえますし、万が一、迷子になってしまったとしても特徴を伝えやすい利点があります。
可愛いの良いとこどり
近年、「ミックス犬」としてもてはやされているわんこは、人気犬種の純血種同士をあえてかけ合わせ、お互いの可愛いところを良いとこどりしています。例えば、チワワとトイ・プードルをかけ合わせたミックス犬「チワプー」や、チワワとミニチュア・ダックスフンドをかけ合わせた「チワックス」など、いずれも人気犬種のトップを争う犬種同士をかけ合わせています。お互いの可愛さを良いとこどりしつつ、普通の純血種とはひと味違ったユニークな外見にトリコになってしまう人も多いようです。
身体が丈夫で寿命が長い
雑種犬の魅力は、外見や可愛さといった表面的なものだけではなく、身体の丈夫さにもあります。一般的に、純血種は純血種同士をかけ合わせて子孫を残していくため、繁殖範囲が狭くなりがちで遺伝的疾患を受け継ぎやすい特徴があります。
一方、雑種犬の場合には異なる種同士をかけ合わせることで、両親よりも体格が良くなったり、病気に強くなったりといった現象が見られます。これを「雑種強勢」と呼びます。この雑種強勢が起きた結果、雑種犬は純血種よりも身体が丈夫になり、寿命も長くなる傾向があるのです。
環境になじみやすい
雑種犬には、環境になじみやすいという利点もあります。先にご紹介した、意図的に純血種同士をかけ合わせた「ミックス犬」の場合には少し話が異なりますが、自然に生まれた雑種犬の場合、その土地の環境に適応した両親の遺伝子を引き継ぎ、環境になじみやすい性質を持って生まれてきます。
暑い地域が原産の犬種は日本の寒さに弱かったり、逆に寒い地域が原産の犬種は日本の暑さに耐性がなかったりと、飼育する上で配慮が必要になりますが、雑種犬の場合にはこうした心配はほとんどありません。
雑種犬を飼うときの注意点
成犬時のサイズが予想できない
注意したいのは、雑種犬の子犬を迎えるときです。両親犬がはっきりしている場合には、両親犬のサイズから成犬時のサイズを予想することができますが、そうでない場合には、子犬が成犬になったときにどれくらいの大きさになるのか予想することは至難です。
一般的に、雑種犬の多くは中型犬か大型犬です。成犬になったときに「こんなに大きくなってしまっては飼えない」と飼育放棄することは絶対に許されません。
しつけが難しい
一般的に、雑種犬は純血種よりもしつけが難しいと言われています。純血種の場合には、犬種によってある程度性格の傾向がわかっていたり、しつけの得手不得手が掴みやすかったりするため、「この犬種はこうなので、こうすれば良い」というパターンがある程度完成しています。しかし、雑種犬の場合にはその傾向が掴みづらく、しつけで困った場合に迷宮入りしてしまう可能性が高いのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?愛犬家の中には「どうしてもこの犬種がいい!」という強いこだわりを持っている人も少なくないですが、雑種犬にも様々な魅力があることをおわかりいただけたでしょうか。
いざ自分のうちの子になったら、どんな子でも可愛いものです。むしろ、そう思えない人にはわんこと暮らす資格はないといっても過言ではないかもしれません。みなさんも、個性的で可愛い雑種犬の魅力に触れてみませんか?