犬のヒートとは
初めて犬を迎え入れる方、またオスの犬としか生活したことがない方は、メスの犬のヒート(生理)にあまり詳しくないと思います。犬のヒートは人間の生理と異なる部分も多く、特に初めてのヒートの時は戸惑いも多いと思います。これからメスの犬を迎え入れたい方、また避妊の予定がない方はヒートに対して心構えをしておきましょう。
初めてのヒートはいつ頃?
メス犬が初めてヒートを迎えるのは生後6~10ヶ月頃が多いと言われています。ただし、個体差が大きいので遅い子だと1歳を迎えるころになることもあります。人間の月経とは違い、避妊をしない限り健康なメスの犬は高齢になっても続きます。
ヒートの周期
犬のヒートはもちろん生理のことなんですが、発情している期間を表す言葉でもあります。
- 発情前期
- 発情期
- 発情休止期
- 無発情期
メスの犬の体には上記の流れで発情周期があります。出血が見られるのが発情前期と発情期。ヒートと呼ばれる時期もこの時期にあたります。
発情前期
発情前期には陰部から粘度が高く濃い出血が見られ、外陰部もふくらみ充血しはじめます。出血自体は平均6~10日間。こちらも個体差があり長い子だと3週間ほど続くこともあります。発情前期はまだオスを受け入れない時期です。
発情期
発情期はオスを受け入れて交尾する時期です。期間は1週間~2週間ほど続き、出血はサラサラとして水状になり色も薄くなってきます。
発情休止期、無発情期
発情期が終わると出血も止まり、発情休止期に入り卵巣の中で黄体が形成される期間になります。発情休止期は約2ヶ月続き、この時期に偽妊娠の症状が起こる事もあります。その後迎えるのが無発情期。卵巣の活動や繁殖に関する機能はお休みしている状態です。
犬のヒートは年に2回のことが多いようで、以前は春と秋に訪れると言われていました。近年では季節に関係なく発情することが確認されていて、回数も年に1回のこともあるようです。
愛犬のヒート(生理)中にやってはいけないこと3つ
犬が多く集まる場所へのお出かけ
ヒート中のメスは発情ホルモンが多く分泌されています。このホルモンが未去勢のオスの犬にとっては非常に魅力的なフェロモンになるのです。フェロモンに反応したオスの犬に追い掛け回されたり、トラブルに巻き込まれる可能性がります。
そしてフェロモンに反応したオスの犬にとってもストレスになってしまいますので、ドッグランやペット同伴可能なショップに頻繁に行かれている方でも愛犬のためにヒート中は我慢しましょう。
同じ理由でいつものお散歩コースが多くの犬と出会うコースであれば、ヒート中はコース変更したり多くの犬と出会わない時間帯を選んでお散歩に行くようにしましょう。
無理にお散歩に行かない
ヒートになると体調に変化が出る子も少なくないようです。なかには普段どおりでケロッとしている子もいるので個体差があるようですが、元気がなくなったり食欲が落ちてしまうことがあります。いつもより水をたくさん飲んで、排尿の回数も増えたり、吐き気をもよおすこともあるようでヒートによる体の症状は様々です。
あまりにもダルそうにしている場合、無理にお散歩に連れて行くのは控えましょう。ヒート中に性格に変化が出る事もあり、いつも大好きなお散歩を嫌がるようになることあります。愛犬の様子をしっかり確認して、お散歩に行かないほうがストレスなりそうな子は体調や周囲に配慮して連れて行きましょう。
無理にシャンプーやトリミングをしない
ヒート中は出血があるので体を清潔に保ちたい時期でもありますが、体の免疫力が下がっていて細菌感染を起しやすい時期でもあります。人間が想像するよりも犬のシャンプーは非常に体力を消耗するものです。免疫力が下がっているなかシャンプーすると体調を崩してしまう可能性もあります。
しかしヒート自体は病気ではありませんので、多くのショップでヒート中の犬を受け入れてくれます。どうしても汚れが気になる時は、ショップのスタッフさんと愛犬の体調面をしっかり相談して決めましょう。
また予約の際はヒート中であることを必ず伝えてください。もし未去勢のオス犬がいたら誰も制御できないくらいの反応を見せてしまうことがあります。ショップにも迷惑がかかってしまいますし、愛犬もオス犬も大きなストレスになってしまいますので気をつけましょう。
まとめ
ヒートは健康なメスの犬の体にあることなので、ごく自然なことですし、愛犬の成長も感じられることかと思います。愛犬の子供を望まないご家庭でも避妊するか、しないかはご家族の判断になるかと思います。避妊をするともちろんヒートはありませんし、メス犬特有の病気を防ぐことにも繋がります。愛犬のために1度しっかりと検討してみましょう。