血統書とは?
血統書とはもともとイギリスにある、ザ・ケンネルクラブが発行していたもので現在日本では一般社団法人ジャパンケンネルクラブが発行しています。血統登録された同じ犬種の両親から生まれた犬に対して発行される証明書です。人間でいうところの戸籍のようなもので、その犬から両親、祖先まですべて同じ犬種であるということを証明するものです。犬種や性別、登録番号、毛の色、犬舎名と名前を組み合わせた犬の名前などが記載されています。どこかで違う犬種が入ったり、同じ犬種であることが証明できない場合には血統書は発行されません。
血統書の役割
血統書は戸籍のような役割があります。親やその先まですべて同じ犬種であることや、どこの犬舎で産まれたかなどを記載しています。その犬が特定の犬種であることの証明にもなります。
そして他にもうひとつ役割があります。犬種にはそれぞれの理想の姿である犬種標準というものがあり、毛の色や尻尾の形など規定があります。親から受け継いできたもので、その犬種の特徴でもあります。世界のケンネルクラブでは純粋犬種の血統を血統書で管理し、犬を繁殖する上で必要な先祖犬の情報を得ているのです。
血統書付きの犬の場合はペットショップやブリーダーさんから購入した場合に飼い主さんに血統書が渡されます。それを見ることで飼い主さんは両親犬の年齢やどこの犬舎で生まれた犬なのかなどを知ることができます。
血統書の見方
血統書には犬の名前、犬種、DNA登録番号、性別、毛色、繁殖者、所有者、生年月日、父方の血統図、母方の血統図、出産頭数・登録頭数、賞歴など様々な情報が記載されています。それぞれには意味があり、理解していれば知りたい情報を知ることができます。ここでは一部ご紹介します。
犬名
犬名は犬の名前と犬舎名を組み合わせたもので、繁殖者がつけたものが血統証明書に記載されます。53文字まで登録することができます。犬名は一般的に長くなるため通常は愛称であるコールネームとして別の名前をつけて、その名前で呼ぶことが多くジャパンケンネルクラブではコールネームを記載することもできます。コールネームは登録制で登録料は1件1000円となっています。
犬種
犬の種類が記載されています。例えばポメラニアンならPO、ビーグルならBEなどと記載されます。ダックスフンドとプードルはサイズごとに表記が異なります。ダックスフンドの場合は、スタンダード(DH)、ミニチュア(DHM)、カニンヘン(DHK)となります。プードルの場合は、スタンダード(PS)、ミディアム(PMD)、ミニチュア(PM)、トイ(PT)という表記になります。
DNA登録番号
DNAを登録することで科学的に血統を証明することができるため、その登録番号も記載されています。
性別、毛色、生年月日
その犬の性別や毛の色、生年月日が記載されています。毛の色がケンネルクラブに登録されているものでなければ血統書が発行されない場合もあります。
繁殖者
繁殖した人物の氏名と市町村が記載されています。
所有者
犬を譲り受けた人物の氏名が記載されています。所有者の欄は所属のクラブ経由で名義変更の届け出を行えば飼い主さんの名前になります。ジャパンケンネルクラブの名義変更は発行日から6ヶ月以内となっているので、所有者名を飼い主さんの氏名にしたい場合は忘れないように気をつけてください。
父方の血統図
犬の父犬、父方の祖父と祖母、曾祖父母が記載されています。
母方の血統図
こちらも父方の血統図と同じく犬の母犬、母方の祖父と祖母、曾祖父母が記載されています。
出産頭数・登録頭数
一緒に産まれた兄弟犬の数と登録すうが記載されています。
賞歴
ドッグショーで優秀な成績をおさめた犬にはチャンピオンの称号が与えられます。賞歴の欄にCH.とあればチャンピオンという証明です。CH.の後ろにある数字がチャンピオン登録された年月、カッコ内表記は国名でその国でチャンピオンになったことを示します。またCH.の他にもINT.CH.(インターナショナルビューティーチャンピオン)やT.CH.(トレーニングチャンピオン)など様々なものがあります。
まとめ
血統書は特定の犬種であることを証明するものです。血統書を見ればその犬の親犬や繁殖場所などを知ることができます。しかし血統書に価値があると思い偽造したり、記載されているものを書き換えたりする問題のあるブリーダーもいます。もし繁殖目的であるなら、違和感のある項目がないか、その犬舎やブリーダーは信頼できるものなのか、などをチェックする必要があるでしょう。
ただ、血統書があってもなくても犬の本質的な価値は変わりません。とくに血統を重視していないのであれば血統書はそこまで気にしなくてもOKです。血統書がついていても、ついていなくても、犬を愛してともに過ごせると良いですね。