犬が喧嘩してしまうのはなぜ?
犬が喧嘩してしまう原因は非常に様々ですが、個体差や子犬の頃の過ごし方が影響しているようです。
社会性が身についていない
犬を飼っている方はほとんど毎日のようにお散歩すると思います。愛犬とのお散歩中に、同じくお散歩中のワンちゃんとすれ違うことも多いですよね。そんな時、社会性を身につけていない犬は相手の犬に向かって喧嘩を売るように吠えてしまうことがあります。
犬は生後12週齢頃までが社会化期と呼ばれ、社会性を身につけるために色々な経験をし、学ぶ必要がある時期です。飼い主さん以外の人との触れ合いや、もちろん他の犬との関わりを持つことも必要になってきます。
喧嘩してしまいやすい犬は社会性にかけているのが原因のひとつとなります。子犬の時に社会性を身につけられなかったため、他の犬との接し方が解らなず、恐怖心や不安で相手を威嚇してしまうケースがあります。性格的には臆病で怖がりな犬が喧嘩を売りやすいと言われています。
社会性を身につけている落ち着いた犬でも、興奮し緊張感を持った相手から激しく吠えられ、喧嘩を売らてしまうと、落ち着いてはいられないことも…。そんなことから喧嘩に発展してしまうこともあります。
コミュニケーションのひとつ
犬の喧嘩は人間の目からみると非常に激しく、怪我や流血などに繋がる恐れもあるので、恐怖心すら抱くことがあると思います。しかし喧嘩のなかには、単なるコミュニケーションである場合もあります。
犬の祖先は群れで暮らす狼ですが、その群れの中で順位を決める習性があります。順位を決めることで狩りの効率が上がり、外敵から群れの生活を守る安全面も高められていたようです。順位を決めるために行われていた行為が「喧嘩」になります。
群れの中で強いリーダーが存在することは、群れの平和な生活を守るのにとても重要なこと。そのため喧嘩によって順位づけするのも大切な行為だったと考えられます。この際の喧嘩は相手を流血させるほど激しい喧嘩ではありません。どちらが上位者かの決着が付けば必要以上に攻撃することもないのです。現在の犬も順位づけのコミュニケーションの一環として喧嘩をしている可能性があります。
犬の喧嘩は止めたほうがいい?
人間から見ると犬の喧嘩は激しく唸ったり、噛んだり、時には流血してしまうこともあるので、とても怖いものに見えるときもあると思います。大怪我に繋がらないよう止めたほうがいいと感じると思いますが、全ての喧嘩を止める必要はないようです。
コミュニケーションの喧嘩は止めなくていい?
そもそも群れの中での順位を決めるための喧嘩は、群れの安全を守るために行われるコミュニケーションなので、順位づけの喧嘩であれば無理に止める必要はありません。コミュニケーションの喧嘩は相手を激しく傷つけることなく長続きもしないので、どちらかが降参して決着がつくとすぐに終わることが多いです。
決着がつく前に飼い主さんが無理に止めてしまうと、いつまでも順位が決まらないので喧嘩が長引いてしまうことがありますし、飼い主さん自身も負傷してしまう危険性があります。どちらかが上に乗る、またお腹を見せて服従のポーズをとるなどが喧嘩が終了した合図になりますので、安全を確認しつつ見守る勇気も必要になってきます。
危険性があり止める必要がある喧嘩
見極めが難しくなってしまうと思いますが、喧嘩の興奮度が高く、大怪我や命に関わるほどの激しい喧嘩であれば、やはり飼い主さんが止める必要があると思います。まず第一に喧嘩に発展しないよう、お散歩中は飼い主さんがしっかり愛犬のリードをするためにもノーリードでのお散歩は避けましょう。
人間が止めなければいけない犬の喧嘩でも、簡単に止めることは難しいです。下手に素手で止めようとすると飼い主さんが大怪我をする可能性は非常に高いです。お散歩中の喧嘩であれば1番有効なのは水をかけること。ペットボトルの水は持ち歩いていると思いますが、その程度では足りないので、ご近所さんからバケツを借りて一気に水をかけなければいけません。
ですが、犬同士の激しい喧嘩の最中に、ご近所さんまでバケツを借りに行く事も難しいと思います。喧嘩に発展しないのが一番なので、マナーを守り、きちんとリードをつけてお散歩を楽しみましょう。
まとめ
犬が喧嘩を売ってしまうのは、臆病で怖がっているのが原因のひとつ。そして一緒にいる飼い主さんが緊張していると、その緊張感が愛犬に伝わって余計に吠えてしまうとも言われています。現在ペットとして飼われている犬は社会性を上手く身につけられなかった子が多く存在します。
しかし、すべての犬が危険な喧嘩をするわけではありません。吠えやすい愛犬でも、飼い主さんは落ち着いた気持ちと凛とした態度で接し、適切なお散歩やしつけで犬の喧嘩を防ぎましょう。