犬が好んで舐める場所
1.大好きな人の口
犬はお気に入りの人、特に飼い主の口を舐めるのが大好きです。犬が口を舐めるという行為には相手に対する『愛情』『尊敬』といった意味が込められていて、「大好き」「私の仲間」といったことを相手に伝えているそうです。ですので、いつも愛犬が好んであなたの口を舐めるのでしたら信頼関係が築けている仲の良い間柄といえますね。
ただ、そんな微笑ましい相手の口を舐めるという行為には注意すべきことがあったりします。それは『人畜共通感染症(ズーノーシス)』です。簡単にご説明すると、病原菌が人間以外の動物(犬)から人へと感染することで様々な病気を引き起こしてしまうというものです。感染方法はいくつかあるのですが、『犬が人の口を舐める』『キスをする』という方法で感染することもあるそうです。例えば、よく知られている歯周病も『人畜共通感染症』の1つといわれています。愛犬が歯周病になっている場合、飼い主の口を舐めることで飼い主に歯周病をうつしてしまうこともあるのだとか。
愛犬とのキスや口を舐めてもらうという行為は飼い主にとって嬉しいことの1つになりますよね?ですから、感染症になるかもしれないからといって愛情表現をする愛犬の行為を止めさせる飼い主は少ないと思います。ただ、少なからずそういったリスクがあるのも知っておいてくださいね。
2.人の手や足を舐める
愛犬があなたや周りの人の手の平や足の好んで舐めることがある。そういった場合は、相手に甘えていたり「構ってほしいなぁ」と思っている場合が多いといえますよ。その他にもリラックスしている時にも人の手や足を舐めることがあるみたいです。
また、「手や足が汗ばんでいる時に愛犬がよく舐めてくるんだ」という時は、汗のしょっぱい味が好きで舐めていたり、少し臭くなった足のにおいに惹かれて舐めていたり。といった理由で好んで舐めることがあるみたいですね。
3.自分の体の特定の部分をよく舐めている
愛犬が自分の体のある部分をよく舐めている。そんな時はケガや病気をしているかもしれないので注意が必要です。よくある例としては、皮膚炎や何らかの皮膚病があります。皮膚に異常があると大体の場合かゆみが症状として表れるので、かゆみを抑えるために舐めようとするそうです。また、自分で腫瘍があるのに気づいてその場所を舐め続けるという犬もいたりします。
このように自分の特定の部分をよく舐めている時は、その場所になんらかの異常が起きている可能性が高いので、気になる時は病院に連れて行って状態を調べてもらうことをおススメします。
4.自分の足をよく舐めている場合は不安・ストレスのサイン
特定の部分を舐めている時と似ているのですが、愛犬が自分の足を舐めてばかりいる時も注意が必要となります。愛犬が自分の足を舐める姿を見て「毛づくろいをしている。綺麗好きなんだね。」と思うかもしれませんが、自分の足を頻繁に舐めている時は不安や緊張、ストレスを感じている場合が多いのです。実際に愛犬を叱った後いつも前足を舐めている。雷が鳴った時は自分の足を舐めることがある。そういった経験をもつ飼い主はたくさんいることと思います。
また、足以外にもしっぽを舐めたり舌が届く場所を舐めることもあるそうですよ。ケガや病気をしている時と同じ行為なので、どういった意味で自分の体を舐めているのか判断しにくいといえますが、愛犬が不安や緊張を感じる出来事の後で自分の体を舐めることがよくあるのでしたら、不安や緊張が原因となっている可能性が高いといえるかもしれません。
なかには、不安や緊張を感じてしまう状況が長引いてしまうと、ストレスを溜め込んでしまい血が出るまで自分の体を噛むこともあるそうです。ですので、もし心当たりがある場合は不安や緊張・ストレスの原因を早く取り除くことが大切といえます。ちなみに、足を怪我をしている時にももちろん足をずっと舐めることがあります。歩き方がおかしかったり気になった場合は念のため病院に連れて行くことをおススメします。
5.床や窓を好んで舐める場合は要注意?
床や窓を舐めるのが好き。という犬はわりといるみたいですね。夏場にひんやりとした床やガラスを舐めると舌が冷えて気持ち良いのかもしれませんね。何らかのにおいや味が付着していてつい舐めてしまう。といった場合もあるのかもしれません。
犬が床を舐める原因の中には、歯周病のにおいが原因となっていることもあるそうです。歯石や歯垢がついて歯周病になっている時は口臭が酷くなり、その状態で床や窓を舐めると当然そのニオイが床や窓に付着しますよね。犬は付着したその独特なニオイが病みつきになって何度も舐め続けることがあるみたいですよ。
また、犬が床やガラスなどを好んで舐める時は、病気やストレスのサインとしても知られていたりします。なんでも犬はお腹の不快感を和らげるために床や窓を舐めることがあり、そういった時は胃腸を中心とした内臓の病気を発症しているケースが多いのだとか。また、内臓系の病気だけでなく神経系の病気、ホルモンバランスの乱れ、痴呆症といった可能性もあるそうです。
いずれにせよ、愛犬が床やガラスなどを頻繁に舐める時は、体や心に何らかの異常が起きている可能性が高いので、病院に連れて行ったりストレスとなる原因を取り除いたりなどの対処が必要といえますね。
まとめ
犬の『舐める』という行為には様々な意味が込められています。『愛情表現』『甘えている』『不安・緊張のサイン』『ケガ・病気のサイン』などなど。愛犬が自分の体を好んでよく舐めている。床や窓、ガラスをよく舐めている。そういった時は病気やストレスを溜め込んでいる可能性が高いので、少しでも気になった場合はすぐに病院に連れて行ってあげてくださいね。