犬がいつもと違う座り方をする場合は要注意!
愛犬に「お座り」というコマンドを教えている飼い主さんは多いでしょう。ある時、いつも通りに「お座り」と言ったら、いつもとは違うお座りの形を見せた…ということはありませんか。後ろ足を少しずらすような形で座っていると、こちらも心配になってしまいますよね。
このような座り方を小さい頃からしている場合は、この座り方が定着してしまっている可能性が高いため、心配する必要はありません。
しかし、ある日から突然この座り方を頻繁にするようになったという場合は、足に異常が起きている可能性があります。そのため、違和感を感じたら早期に治療する必要がありますので、早めに獣医さんに診てもらいましょう。
犬がいつもと違う座り方をする際に考えられる病気
では、犬がいつもと違う座り方をする際に考えられる病気には、どのような病気があるのでしょうか。主に下記で紹介する4つの病気が考えられますので、違和感を感じたらすぐにかかり付けの獣医さんに相談しましょう。
1.関節リウマチ
1つ目に考えられる病気が関節リウマチです。関節は体を形成するために必要な骨をつなぐ役割を担っている部分を指します。関節リウマチは、この関節部分が腫れてしまい、痛みを伴う病気です。
犬の関節リウマチの場合、免疫機能が不調を起こし、その結果、関節を異物として間違った判断が下され、炎症を引き起こします。前述の症状が引き起こされるため、痛みにより歩くことが困難になったり、関節部分を守るために座る姿勢がおかしくなることがあります。
基本的にどの品種でも起こりうるものでありますが、ダックスフントなどで症状を示しやすいといわれています。小型犬の飼い主さんは特に注意深く観察しましょう。
2.股関節形成不全
股関節形成不全も犬によく診られる病気の1つです。名前の通り、体が成長する段階で股関節の形成に異常が起こり、痛みを伴ったり後ろ足が動かしにくいという症状を引き起こします。そのため、お座りの際に異なった座り方をするようになる事があります。
成長期に激しい運動をし過ぎたり、偏った食事により肥満体質になってしまうといった原因が挙げられますが、中には遺伝的要素が原因であることもありますので、一概には言えません。
特に成長期に大きく体が成長する大型犬以上の犬種がなりやすい病気と言われていて、多くは1歳未満で症状が診られます。最初に小さい頃からこの座り方であれば心配はいらないと言いましたが、大型犬に関しては子犬期から注意しましょう。
3.変形性骨関節症
変形性骨関節症は関節に様々な原因で炎症が生じ、痛みが生じる病気です。始めは軽度な症状ですので、たまに歩き方がおかしい、時々座り方に違和感があるなどの症状ですが、進行性の病気なので徐々に重症化していきます。
完治することは難しい病気ですが、早めに治療することで症状の進行や症状の度合いを緩和させることができるので、軽度な状態で発見してあげて、早期治療を行うことが重要です。
この病気を起こしやすい犬種は、成長に従い体に負担がかかりやすい大型犬に多く、さらに年齢が上がるにつれて引き起こしやすい病気ですので、日頃から小さな変化も見逃さないよう観察することが大切です。
4.膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼はひざのお皿と言われる膝蓋骨が正しい位置から外れてしまうことにより引き起こされる症状です。徐々に進行していく進行形の病気で、中期段階に入ると歩きにくそうに足を引きずったり、お座りがしにくいといった症状が見られます。
軽度であれば痛み止めやサプリメントなどの内科治療になりますが重症であれば手術も適応になることがあります。早期発見・早期治療が重要です。
この病気は特に小型犬に多く見られ、先天的に持つ犬もいます。生まれた後に発症する場合は、落下や転倒によって衝撃が加わり引き起こされることが多いので、ソファーからの飛び降りや階段から落ちるといった事故には気を付けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬がいつもと違うお座りをする場合は、病気が関係していることも多いです。犬も「なんだかおかしいぞ」と違和感を感じているからこそ、足をかばうように座ってしまうのです。飼い主はそのサインを見逃さず、早期治療に繋げられるよう、日頃からしっかり愛犬の様子を観察しましょう。