犬の肉球の構造
犬の肉球は触れると表面は少し硬くザラついていますが、全体的にはプニプニと柔らかい感触がありますよね。この独特な触り心地が好きな方が多いのではないでしょうか。肉球の表面が硬いのは角質層が厚くなった皮膚になります。また内部の柔らかさは脂肪やコラーゲン、エラスチンなどから成り立つ皮下組織になっています。
犬の肉球の役割
汗をかいて体温調節
人間のように汗をかくことが出来ない犬は体温調節がとても苦手です。肉球には汗腺があり、犬の体の中で数少ない汗をかくことが出来る場所になります。肉球以外に汗腺があるのは鼻の頭のみ。体温調節が必要な時は、ハァハァと口呼吸するパンティングと肉球や鼻から汗を少量かいて体温を下げます。また汗をかくことで、肉球の乾燥を防いでいるともいわれています。
靴の役割
犬の全体重がかかる肉球は靴の役割もしてくれています。犬が裸足で硬い地面や石の上を歩けるのは肉球のおかげ。肉球内部の皮下組織が地面の衝撃を吸収するクッションの役割をはたし、表面の角質層は突起物の痛み、また熱さや冷たさから体を守ってくれています。
滑り止め
犬の肉球の表面を顕微鏡で見ると、小さな突起が密集していることが確認できます。これは円錐状突起と言われ滑り止めの役割を果たしてくれています。もちろん室内のフローリングなど犬にとって適していない物は滑ってしまいますが、人間が滑りやすい雪道や凍った地面など滑らずに歩けるのは肉球の表面の構造によるものです。
犬の肉球のケア方法
犬はもともと野生動物なので肉球も自然界の土や草の上を歩くには、とても適した構造になっています。しかし、現在ペットとして飼われている犬は、アスファルトの上を歩いてお散歩する事も多いはず。夏のアスファルトはとても高温になるので火傷の危険もありますし、冬の凍った地面は乾燥して肉球がひび割れてしまうこともあります。肉球の様子を観察して必要であればケアもしてあげましょう。
お散歩時には靴を履かせる
愛犬とお散歩していると、毎日何組かのワンちゃん&飼い主さんを見かけますが、靴を履いてお散歩しているワンちゃんを見かけることはとても少ないです。靴を履かせるのは真夏の気温が上昇した日にアスファルトの熱から肉球を守るだけでなく、地面に落ちている危険物からの保護や、草アレルギーなどの対策にもなります。
我が家の愛犬は持病があり、肉球付近に傷が出来やすい体質なので昔から履かせていますが、正直に言うと慣れるまでは少し面倒でした。お散歩の準備に時間がかかる、またお散歩中に何度も脱げてしまうことがあり、とても手こずりました。もう数年同じタイプの靴を履かせているので愛犬も飼い主もなんとか慣れることが出来ました。肉球に大きなトラブルがないのは靴を履いてお散歩しているおかげかもしれません。
マッサージ
子犬の頃はプニプニした柔らかい肉球も、地面を裸足で何度も歩く事でどんどん硬くなってきます。硬くなった状態で乾燥してしまうとひび割れてしてしまう事も。多少のひび割れであれば心配ありませんが、乾燥がどんどん進んでしまうようであれば過度なシャンプーが原因かもしれません。もし洗いすぎているようであれば、シャンプーの仕方を見直し、保湿ケアをしてあげましょう。
肉球の保湿ケアはペット専用のクリームなどを使用してマッサージします。マッサージするのは保湿効果だけでなく、血行が良くなり愛犬もリラックスすることが出来るのでお勧めです。
- 肉球専用クリーム
- ワセリン
- ココナッツオイル
- 馬油
- ホホバオイル
上記は肉球をマッサージする際に犬に使用できると言われているものです。犬専用の肉球クリームはもちろんですが、人用のワセリンも不純物が取り除かれ低刺激なため犬に使用しても安全性は高いと言われています。
また天然成分を使用したオイルも添加物が含まれていないのでお勧め。天然成分のオイルはまれにアレルギーを発症してしまう事があるので初めて使う時はごく少量から試してみて下さい。
マッサージの際は肉球の汚れを落してから使用するクリームなどを薄く塗り、愛犬がすぐに舐めてしまわないように30秒ほど揉んでマッサージしてあげましょう。その後、ベタベタ感を愛犬が気にする時はティッシュなどで拭き取ってしまっても大丈夫です。
まとめ
犬にとって歩くこと以外にも色々な役割がある肉球は、全体重がかかる部位なので怪我をすると治りづらい場所でもあります。いつも元気に歩くには、肉球にトラブルがないことも大切ですね。愛犬が年齢を重ねることで、肉球に変化が出ることも多いと思います。適切なケアで肉球の健康を守ってあげましょう。