大型犬より早く「大人」になる小型犬
犬たちが人間より成長が早く、平均して生後一年程度で成犬になることはご存知の方も多いのではないでしょうか。しかしこれは犬種や体の大きさによる個体差も大きいので、大型犬と小型犬では大きく差があります。
ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなどの大型犬では、成犬になるのに18か月以上かかります。もっと大きな犬ですと、完全に成熟するまでに2年の月日が必要な場合もあるのです。
対する小型犬はというと、体重が10kg以下の犬の場合はおよそ10か月で成犬になるといわれています。人間の子どもの場合、生後10か月なんてまだまだ離乳食の時期の赤ちゃんですが、小型犬の場合はすでに立派な大人になっていると考えると、家族に迎え入れた瞬間からすごいスピードで成長しているといえますね。
小型犬を飼う場合、この成長スピードをよく考慮しなければいけません。そのうえで、ちょっとNGな飼い方についてポイントを挙げましょう。
NGな飼い方(接し方)
1.高い声・テンションが高い声「だけ」で接すること
人間の赤ちゃんなどに声掛けをする際に、低い声で行う人は少ないと思います。かわいい対象を前にすると、ほとんどの場合は高めのキーの声で話しかける人が多いのではないでしょうか。
実はこれ、犬のしつけを行う際にはNG行為なんです。
犬は人の言葉を理解していません。相手の表情と声の高さで気分などを察しています。低い声を出されると「怒られているのかな」、高い声を出されると「何かテンションが高いな」という判断となるようです。家族に子犬を迎える際、そのぬいぐるみのように愛らしい見た目に合わせて人は高い声で接してしまいがちですが、このキーの高さに犬たちは興奮するのです。
その後、犬の成長に合わせてしつけを行っていきますが、小型犬はその見た目の愛らしさがいつまでも続くのでいつまでたっても「赤ちゃん扱い」をしてしまいがちです。そのため、声掛けも自然と高い声となってしまい、犬たちを興奮させ続けてしまう結果になってしまうのです。
2.目線を高くすること(だっこなど)
犬たちにとって、体の大きさは強さを比較するための基準でもあります。そのため、お外で散歩をするとより高いところへマーキングでアピールしようと、逆立ちをしておしっこをしてしまう犬もいたりします。
通常の場合、犬たちが互いの大きさを比較するために見ているのが「目の高さ」です。この目の高さはしつけの際のリーダーシップにも関係してくるため、飼い主が犬より低い目線になることはお勧めできません。目線が近い=同格もしくは格下と認定され、しつけの際に飼い主の指示に従わなくなってしまいます。
10kgを超えるような中型犬の場合は抱っこして散歩するのがなかなか厳しいため、たいていはとことこ地面を歩かせていると思います。すると道で出会う犬たち同士で、お互いに大きさや強さを推し量ることができるんですね。
しかし、まれに小型犬をずっと抱っこしてお散歩されている方がいますが、これは犬同士のコミュニケーションをとる場合に大変危険です。小さな犬のほうが目線が高い状態になり、ものすごく気が大きくなって目線が下の犬たちに威嚇をすることがあるのです。
3.赤ちゃん扱いすること
こちらは前述の2項目にも通じることなのですが、かわいい余りについつい小型犬をぬいぐるみ扱いしたり赤ちゃん扱いしたりすることは絶対にNGです。
小型犬は10か月もすれば十分大人となります。成犬になれば「群れ」のリーダーが誰かということをはっきり理解しています。小型犬をかわいがる余りに赤ちゃん扱いし、甘えを許していると彼らは自分たちがリーダーであると勘違いしてしまうのです。
小さくてかわいいから、いつまでたっても子どもみたいだからと油断は禁物です。いけないことをしていても注意するときに高い声で言ってしまったり、抱っこやおやつの要求吠えに応じてしまっていたりすることが続くと、彼らは自分の要求の通し方を学んでしまいます。
その結果、無駄吠えが治らない、ご飯のお皿を触ったりおもちゃに手を伸ばしたりすると噛まれる、持ち物を破壊される、などの問題行動につながってしまうんですね。
まとめ
縁があって家族に迎え入れる犬ですが、かわいいかわいいと赤ちゃん扱いばかりせず、その月齢や年齢に合わせてちゃんと「犬」として接してあげることで、小型犬たちもよいパートナーになるでしょう。彼らはぬいぐるみではありません。程よいおとな扱いをしてあげてくださいね。
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20代 男性 匿名