犬が早食いをしてしまう理由と体へのデメリット
犬の祖先は野生のオオカミですが、野生時代から食べ物を噛んで飲み込む習慣がありません。オオカミが肉食動物だったため、狩りをして捕らえた獲物の肉以外はほとんど食べることがありませんでした。生の肉を食することに適した歯と消化器官を現在の犬も持っているため、古くからの習慣として『早食い』が残っています。
犬が早食いするのはごく自然なことなのですが、犬の体にデメリットもあります。消化不良で早食い後に吐いてしまったり、胃捻転という病気のリスクも上がったりします。また早食いすることで、なかなか満腹感を得られず、量を多く食べたがる傾向にあるので肥満に繋がってしまう可能性も。その他、喉に詰まらせたり、唾液があまり出ないことで歯周病になりやすくなったりするなど、犬の早食いにはデメリットがとても多いです。
犬の『早食い』を防止する対策4選
早食い防止食器を使用する
市販の早食い防止食器を使用するのは、1番一般的な防止策だと思います。非常に数多くの早食い防止食器が販売されているのを見ると、愛犬の早食いに頭を悩ませている飼い主さんが多いことが分かります。フードボウルの構造がデコボコしていて犬が早食いできない食器になっています。単純に凹凸がある物や、凹凸の形が迷路のようになってる物など実に様々です。
フードボウルの大きさや深さなどは愛犬のフードの量や、マズルの長さに合わせて購入しましょう。毎日同じフードボウルを使用していると犬も慣れてしまい、食べるスピードも上がってしまうので、何個か用意して交互に使用してみましょう。
知育玩具を使用する
犬の知育玩具はフードやオヤツなどが入れられるオモチャで、犬自身が「どうやれば食べられるかな?」と考えながら遊ぶオモチャ。考えながら遊ぶことで知育の効果もありますし、エネルギーを発散することができます。本来は長いお留守中や、雨の日が続きお散歩に行けないときに使用することが多いですが、早食い防止のために使用している飼い主さんも多くいらっしゃいます。
ドッグフードを詰め込むタイプの物や、起き上がりこぼしタイプで上手に転がすことで穴からフードが出てくるタイプなどがあります。小さすぎる知育玩具だと大型犬は誤飲してしまう可能性があるので、愛犬の体格に合ったサイズを選びましょう。また食事に使用する物なので、清潔を保てるようお手入れのしやすさも重要です。
フードに水分を加える
いつも食べているドッグフードに水やスープなど水分を加えるのも早食い防止に繋がります。水分を加える防止策はふたつあって、ひとつは水分を加えてフードをふやかすこと。ふやかすことで、いつも食べているドッグフードでもふだんより満腹感を早く感じることができます。
もうひとつはたっぷりの水を加えて、水にフードを浮かせる方法。犬はフードを食べるとき、舌をスプーン代わりに使っているため、水に浮いているフードだと水も一緒にすくうことになります。そのため、自然とフードを食べることに時間がかかります。
水分を加える方法は新しいものを用意することなく、すぐに試せる気軽な方法です。水分不足が気になるワンちゃんにもお勧め。
食事の回数を増やす
成犬の1日の食事の回数は朝晩2回というご家庭が多いと思います。以前は1日分をまとめて1度に与えることが普通だったようですが、近年では2回、もしくは3回に分けているご家庭が多いのではないでしょうか?子犬の頃は消化器官が成長していないので、更に回数が多く1日3回~4回に分けて与えることになります。
1回分の食事量を一気に早食いして嘔吐してしまうのを防ぐには、食事の回数を増やすことも有効です。1日分の給与量は変えることなくフードを数回に分けて与えてみましょう。我が家の愛犬も1歳未満の頃、早食いで嘔吐することが多かったので、獣医さんに相談したところ、この方法を進められ、4歳になる今現在でも続けています。
朝と晩に1回ずつ与えていますが、1食分を1度に与えるのではなく、2回に分けて一気に大量に食べられないようにしています。嘔吐することもなくなり、手間もかからない簡単な方法なので、愛犬の食後の嘔吐が気になる方は1度試してみてください。
まとめ
犬にとっての「食事」はとても楽しいこと。早食いしてしまうのも、犬の本能として当たり前のことではあるのですが、体調不良を起こされては困ります。愛犬の性格に合った防止策を選んで、楽しい食事がストレスにならないように気を配ってあげましょう。