1.石油ストーブ
上の写真のようなタイプの石油ストーブは、暖房器具としてはとても優れた機能を持っています。上部に蒸気のあがったやかんを乗せれば加湿器になり、また、おでん、焼き芋などの調理を行うこともできます。同じ石油を使った暖房器具でも、ファンヒーターのように点火に時間がかからないので、すぐに室温を上げることも利点の一つです。
けれども、このタイプの石油ストーブは、時に予測不能な動きをする小さな子供や動物のいる家庭で使うのは、火災や火傷のリスクが高く、危険です。たとえ、ガードをしていたとしても、給油中に、犬にじゃれつかれて、熱いお湯の入ったやかんごとストーブが転倒して、飼い主さんも愛犬も大やけどをしてしまうリスクがあります。
2.キシリトールガム
キシリトールが犬に有毒な成分だということは、かなり周知されるようになりました。キシリトールは、「糖アルコール」という物質の一種で、唾液の分泌を促して、歯石を予防して、虫歯の原因となる菌の活動を阻害するため、私たち人間にとってはとても有益な物質です。
ところが、犬にとってキシリトールは、少量でも急激な低血糖を引き起こす、非常に危険な物質です。絶対に犬が口にできない場所で保管、管理できるのであれば問題ありませんが、小さな子供さんがいたり、家族が多く、愛犬が自分に与えられた食べ物以外のものを盗み食いしたりする可能性が少しでもあるのなら、キシリトール入りのガムを日常的に使用するのは、危険なことと言えます。
3.観葉植物
部屋の中に、インテリアの一つとして観葉植物を置いている人も多いと思います。けれども、犬が食べると中毒食場を起こしたり、内臓にダメージを与えたりする毒をもっている植物もあります。
鉢植えの場合は、特に球根から育つユリ科の植物は注意が必要です。また、花瓶などに花を生ける場合も同様で、チューリップやスズランなども毒性が強いので、犬が口にしないように注意しましょう。
4.手作りホウ酸団子
ホウ酸団子は、ゴキブリ駆除に絶大な効き目があるため、利用されるご家庭は多いと思います。最近ではドラッグストアや、ホームセンターなどで小さなプラスチックの容器に入ったホウ酸団子が売られています。これの商品は、見た目も食べ物のようには見えないし、置いた飼い主さんも「これはゴキブリの駆除用のモノ」とわかりますので、犬が食べないように気を付けることもできます。しかし、手作りでホウ酸団子を作った場合、見た目が小麦粉を丸めただけのもので、匂いもなく、一見すると小さな餅か、お団子にしか見えないません。
また、手作りのホウ酸団子には、ゴキブリの嗜好に合うように、玉ねぎを入れる場合もあります。ホウ酸と玉ねぎはどちらも犬が中毒を起こす成分が含まれています。そんな危険な毒餌でも、外見が小麦粉をこねた団子です。ふだんから食い意地が張っていたり、盗み食いの悪癖のあったりする犬なら、かなり高い確率で口に入れてしまうでしょう。ですから、犬と同じ家の中で暮らし、ゴキブリを駆除したいのであれば、手作りのホウ酸団子ではなく、プラスチック容器などに入った商品を使うようにしましょう。
まとめ
犬の知能は、個体差はあっても大体、2~4歳の子供程度だと言われています。小さな子供がいるご家庭では、子供さんがケガをしないよう、誤飲誤食をしないように気を配られると思います。動物と暮らすのも同様です。
多少不便だったり、暮らしていく上で豊かさが乏しいと感じたりすることもあるかも知れません。けれども、愛犬の命と健康を守るためなら、あえて「愛犬のためにならない道具は選ばない」という選択こそ、家族への愛情に満ちていると言えるのではないでしょうか。