我が家の愛犬も盲目犬です
3年前、我が家は保護犬を迎え入れました。その子はミニチュアダックスの女の子で「ウーノ」と名付けました。
家に来て初めて知りました
ウーノは片目の眼球が委縮していますが、もう片方の目に委縮は見られなかったため盲目であることに気が付きませんでした。我が家に初めて来た日、家具や壁にゴンゴンとぶつかって歩いていたことに気付き、そのあと動物病院で視力がないという診断を受けました。
ウーノは徐々に間取りを覚えました
私は犬を飼ったことはありましたが、目の見えない犬を飼うことは初めてだったので最初はオロオロしてしまいました。しかし1ヶ月もするとウーノは家の間取りやトイレの場所、水飲み場の位置などを覚え、自然に自分で行動するようになりました。
愛犬が失明した時にしてあげたい工夫(住居編)
自分で行動できるようになったとはいえ、安全に生活させてあげるためには少しの工夫が必要です。私がウーノにしてあげた工夫方法も含めてご紹介します。
インテリアを必要最低限にする
犬はしばらくすると、ある程度はどこに何があるのか覚えてくれます。しかし、できるだけ移動しやすくしてあげるためにもインテリアは最小限にしてあげたいと思いました。不要な置物や背の高いランプなどは犬がぶつかって転倒の危険があるので撤去してあげましょう。物が少なくなると掃除もしやすくなって一石二鳥です。
角の尖った家具は置かない
収納棚やテーブルの脚など、家具の角が尖っているものはぶつかった時に痛いので置かないようにしました。壁の角には緩衝材を貼ってあげると安心です。
ベッドやソファは背の低いものにする
ベッドを使用しているご家庭は、愛犬が上り下りする時に転落の危険がありますので対策が必要です。我が家はベッドルームも犬や猫に解放していますので、ウーノが上りやすく下りやすいローベッドにしました。すのこの上に低反発のマットレスを敷いたものは敷布団感覚で使えるので、我が家のベッドはこのスタイルです。ソファについても同じく、ローソファーにするか座椅子にすると安心です。
模様替えはしない
せっかく間取りを覚えていたのに、模様替えをしてしまうと目の見えない愛犬が混乱してしまいます。ないと思っていた場所に家具があると派手にぶつかってしまいます。トイレや水飲み場の位置なども極力変えないようにしましょう。
愛犬が失明した時にしてあげたい工夫(お散歩編)
お散歩は時間帯を選ぼう
通勤&帰宅ラッシュの時間帯はたくさんの人や自転車、車の往来があります。特に自転車は目の見えない犬にとって恐怖ですし、ぶつかってしまうと自転車の方のケガにも繋がります。散歩は人通りや車通りが穏やかになった時間帯にするのが安心です。また、暗い時間帯の散歩はドライバーや自転車の方に愛犬が見えにくく事故に繋がりやすいため、できるだけ明るい時間帯に散歩に行く方が良いでしょう。
広い道を散歩しよう
盲目犬はまっすぐ歩くことができません。歩道が狭く車道に近い道や、すぐそばを自転車が往来するような道は危険です。目の見えない犬は音に敏感になるため、近くを自転車や車が通るような道はビックリして飛び出してしまったり、恐怖で動けなくなってしまうことがあります。ウーノは横断歩道のど真ん中で動けなくなってしまうことがあったので、横断歩道は抱っこして渡っています。愛犬が失明した後は、このようにお散歩コースの見直しが必要です。
いきなり触らない&触らせない
目の見えない犬はいきなり触られるとビックリしてしまいます。飼い主さんやご家族だけではなく、お散歩中に声をかけてくれる方々、特に子供たちには注意しましょう。他の人には愛犬が盲目であることが分からないため、いきなり触ってしまいがちだからです。
万が一犬がビックリして噛んでしまうと大事故に繋がりますので、私は散歩中に声をかけてくれた方には「この子は目が見えないので、優しく触ってやってください」と先に一声かけるようにしています。公園で子供たちが「触っても良い?」と来てくれた時には、私が犬を抱っこしてマズル部分をさり気なく固定し、頭や背中を撫でてもらうようにしています。ウーノは噛む子ではありませんが、子供相手には特に慎重に対策をしています。
飼い主さんの声が一番安心
私が静かにしていたり黙っていたりすると、我が家のウーノはよく私を見失ってしまいます。私との距離感も上手くつかめず、私に駆け寄ってくるときには私の手や膝、写真を撮っているときはスマートフォンなどに激突してしまうことも。いくら犬の聴力や嗅覚が優れているとはいえ、私や物との距離感まではどうしても把握できなくなってしまうのです。特にお散歩の時は車や風、人の声などたくさんの音がしますので、飼い主さんが積極的に話しかけてあげたり名前を呼んであげると犬は安心します。
まとめ
もともと犬の視力はそれほど良くなく、主に聴力や嗅覚に頼って生きています。いきなり視力を失ってしまうと犬もビックリして混乱してしまうこともありますが、慣れれば聴力や嗅覚を頼りに生活できるようになります。しかし、目が見えないとまっすぐ歩くことができませんし、急な模様替えをしてしまうとどこに何があるのか分からなくなってしまいます。愛犬ができるだけ安心して生活できるように、生活環境やお散歩の工夫をしてあげることが大切です。なにより、飼い主さんの声は一番安心しますので、目の見えない子には積極的に話しかけてあげたり、名前を呼んであげてくださいね。