犬が疲れやすくなる原因①「血液の病気」
犬が疲れやすくなる血液の状態としては「貧血」があります。血液中に存在する赤血球には、肺で酸素を受け取り、全身へと運ぶ役割を持っています。しかし、貧血になると、赤血球が減ります。赤血球が減ると、全身へと酸素が運ばれにくくなってしまいます。
そうすると、お散歩や運動をする度に疲れやすくなってしまうんです。犬が貧血になる原因は様々です。たとえば、どこかで出血している・鉄分が不足している・ホルモンが減少している・自己免疫疾患・腎臓病などがあります。原因とを明確にするためには、血液検査などでわからなければさらに骨髄検査などの特殊な検査が必要になる場合もあります。
犬が疲れやすくなる原因②「呼吸器・循環器の病気」
心臓病
カラダを動かすとき、全身へと酸素や血液を送らなければなりません。そうすると、酸素を消費する量が増えるため、カラダは呼吸の数や心拍の数を増やすことで対応します。そのため、カラダを動かす分、心臓や肺に負担がかかります。
しかし、心臓に病気があると、十分に対応することができなくなり、疲れやすくなってしまいます。加齢と共に気になる心臓病には「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」があります。心臓病の代表格です。また、心臓内に寄生する「犬糸状虫症(フィラリア症)」もあります。予防薬で十分に予防することができますが、日本国内でも多く発症している病気です。
気管虚脱
気管虚脱は、ポメラニアンやチワワなどの超小型犬に多くみられる病気です。重篤な場合、突然死してしまうことがあります。ほとんどが遺伝によるものだと考えられていますが、加齢と共に発症しやすくなります。
軟口蓋過長症
パグやフレンチブルドッグなどの短頭種に多くみられる病気には、「軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)」があります。疲れやすくなるだけではなく、呼吸がしづらくなり、お散歩でもすぐに座り込んでしまいます。
犬が疲れやすくなる原因③「関節・骨の病気」
カラダを動かすとき、関節や骨や筋肉に負担がかかります。肥満である犬は、さらに大きな負担がかかるでしょう。その負担によって痛みが生じることもあります。負担や痛みを緩和させるため、お散歩の途中で座り込んでしまうことが多くなるのでしょう。
骨折
骨折は、完全に折れてしまうだけではありません。骨にヒビが入ってしまったり、骨が欠けてしまうことも、骨折と呼んでいます。肥満によって強い力が慢性的に加わることでも骨折は起こりえます。負担の大きい手足をかばって歩くことで疲れやすくなっているのかもしれません。
膝蓋骨脱臼
膝にある膝蓋骨が正しい位置から外れてしまうことを膝蓋骨脱臼と言います。何度も繰り返していると、後ろ足の骨が変形してしまったり、靭帯が切れてしまうことがあります。骨が変形していることで疲れやすくなっているのかもしれません。
股関節形成不全
大型犬に多くみられる病気です。関節部分の骨が変形してしまい、股関節が上手くかみ合いません。骨が変形していることで疲れやすくなっているのかもしれません。また、運動をしたがらなかったり、歩きにくそうであったり、痛みが生じることもあります。
犬が疲れやすくなる原因④「ホルモンの異常(内分泌の病気)」
ホルモンの異常によって、疲れやすくなることがあります。少し運動をしただけで、ぐったりとして寝込んでしまうことがあります。お散歩や運動には積極的だけど、動きが鈍いことがあります。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが不足する病気です。甲状腺ホルモンが不足すると、細胞の代謝が悪くなってしまいます。肥満・脱毛・皮膚病などを併発することもあります。
犬が疲れやすくなる原因⑤「肥満」
犬は肥満になると疲れやすくなります。お散歩の途中で座り込み、歩かなくなってしまうことがあります。お散歩へ行くのが億劫になり、家を出ることさえ嫌がることがあります。今、犬の肥満が問題になっていることはご存知かと思います。愛犬が肥満であることに気づいていなかったり、気づいているにも関わらず、対策や改善をしようとしていない飼い主さんもいらっしゃるようです。肥満なままでは四肢に過剰な負担がかかり、合併症を引き起こしてしまうかもしれません。だからと言って、ダラダラと過ごすわけにもいきません。食生活を見直し、改善し、お散歩や運動も欠かさないようにしましょう。
まとめ
愛犬が疲れやすくなってしまったとき、「もう、高齢だから…」と考えてしまいますよね。しかし、何等かの病気である可能性があります。疲れやすいことを放っておくと、病気を発症してしまったり、病気や症状が悪化してしまうことがあります。安易に考えず、ぜひ獣医さんに相談してみましょう。